2013年の読書

2013年の読書メーター
読んだ本の数:255冊
読んだページ数:41878ページ
ナイス数:5937ナイス

旅猫リポート旅猫リポート感想
新年一冊目に読んだ本ということで二重によかったかな。猫好きにはいろいろたまらない要素ばっちりなのに加えてこの設定は。ある意味、やったもん勝ちだわね。これで全く泣きもせずに終わることはないだろう。つとめて冷静に読み進めようとしていたが、最期の場面では… いい男だったのだな。装丁からもネーミングからも、某児童文学作品を連想してくれて。有川さんも好きだったのかと嬉しくなる。
読了日:1月2日 著者:有川浩
禁断の魔術 ガリレオ8禁断の魔術 ガリレオ8感想
前作よりはいい話が集まっていて、よかったようだ。「禁断の魔術」は科学に警鐘を与える意味で、よい作品。今後の展開が気になるが…。わだかまりなく、そのまま別の話に入っていったりするのかな。それとも…
結局、あの代議士は罰せられない?のかと思うと口惜しい。
読了日:1月4日 著者:東野圭吾
絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵感想
あまり怖がらせみたいのもどうかと思うが。悪いことするとこうなっちゃう、みたいな…。教訓にはなるが。『極楽』も見てみないと。
読了日:1月4日 著者:白仁成昭,宮次男
からっぽの くつした (サンタさん ありがとう! )からっぽの くつした (サンタさん ありがとう! )感想
クリスマス絵本としてはよかった。いい子レーダーが現代的。サンタクロースも大変だ。家の様子など細部も楽しめる。
読了日:1月4日 著者:リチャード・カーティス
ケイティのゆかいな水あそび (ケイティのふしぎ美術館)ケイティのゆかいな水あそび (ケイティのふしぎ美術館)感想
点描画の世界を親しみやすい絵本で紹介。名画を丸ごとたのしんじゃおう、というのがいい。
読了日:1月4日 著者:ジェイムズメイヒュー
ブラック・ドッグブラック・ドッグ感想
背景にある伝説が気になる。似た話がどこかにありそう。絵はよかった。
読了日:1月4日 著者:レーヴィピンフォールド
みて、ほんだよ!みて、ほんだよ!感想
絵でつたえる、読書のすすめ。子どもたちには本を…!
読了日:1月4日 著者:リビー・グリーソン
しげちゃんしげちゃん感想
名前って重要だ。子ども心には…
読了日:1月4日 著者:室井滋
鉄道きょうだい鉄道きょうだい感想
古い訳の方を持ってはいたが、読んでなかった。あらためて読んだら、これがよかった。古き善き世界。子どもは子どもらしく、大人もちゃんと大人として見守っている。こういう作品も残していきたいもの。
読了日:1月5日 著者:イーディスネズビット
身体で覚える! 自然な歌声: 田中式発声法の手引き身体で覚える! 自然な歌声: 田中式発声法の手引き感想
わかったような、わからないような…。文章で技術を伝えるのは大変だ。いろんな例えがあるもんだ。文章だけでなく、図解されている方がよかったかな。いずれにせよ実際にやってみないことには。こんなに細かいことを同時進行にやるのは至難だろうな。参考にはなったが。
読了日:1月6日 著者:田中房子
ルドルフとスノーホワイト (児童文学創作シリーズ)ルドルフとスノーホワイト (児童文学創作シリーズ)感想
ルドルフ以上にかっこいい姐さん登場ー! ルドに恋の予感が?なんて予想たててたんだけどネェ。座右の銘をお持ちのお猫さまでした。横浜行きの下りが楽しかったです。ほんと猫って自由でいいね。自分の住む家を自分で決めちゃったチェリーもなかなか堂にいっていて…。将来が楽しみ。拾ったことわざ辞典を駆使して、ことわざ使いまくりのルドルフは、小学生の読者にいい道先案内してくれるかもね。
読了日:1月7日 著者:斉藤洋,杉浦範茂
星空放送局星空放送局感想
ブクオフで出会ったので拾って帰った。105円で絵ハガキもついてお徳だった。『星に願いを、月に祈りを』を読んで前作があることを知ったが、絵本だったとは。でも短いなかに中村航のエッセンスが詰まっている気がした。イラストも雰囲気あるし、一瞬であの世界がオーバーラップしてくるように感じた。
読了日:1月9日 著者:中村航
K町の奇妙なおとなたちK町の奇妙なおとなたち感想
文字通り、K町の奇妙なおとなたちについて書かれた本。不気味な話や何とも説明のつかない話があったり… でもそれは子どもにはわからない理由でなされたことだったのかもしれない。後になって解明する謎もあれば、ずっと解けない謎もある。斉藤さんの少し淡々とした語り口がまたそれを助長させているようで、とても面白く読んだ。自分の子どもの頃に出会ったいろいろな、事情のわからない出来事など思い出して…。単なる思い出に過ぎなくても、記憶は鮮明で、ふとした瞬間に蘇ってくる今はなきものたち… 人や物や場所等々。ちょっとノスタルジッ
読了日:1月9日 著者:斉藤洋
何者何者感想
時代が違うせいか?私はこういうことを経験してこなかったけれど、きっと今の世なら誰にでも起こりそうな事態なのかも。ツィッターフェイスブックも、みな怖い。就活もだけど…。自分の学生時代にはなく、今の学生さんたちにとっては日常茶飯事とも言える物事を使って一つの話にしてしまう、著者は相変わらずうまいなぁ。現代の実情を描いているという点で、直木賞にふさわしいすごい小説だったのかもしれない。
読了日:1月18日 著者:朝井リョウ
猫弁と透明人間猫弁と透明人間感想
今回のは前より面白かった。関西弁を話すタイハクオウムの杉山や、百瀬に拾われたサビ猫テヌー、世田谷猫屋敷のボス猫タマオなど、脇を固める動物たちがよい味出してる。百瀬と亜子に進展が〜!?と思ったらまた戻る?と思わせてでも何だかほっこりしてる。他の人々もしかり…。だんだん話が収束していき、ゆるやかに結末。読後感もよし、で、言うことなし。
読了日:1月22日 著者:大山淳子
猫弁と指輪物語猫弁と指輪物語感想
前作よりもより楽しんで読むことができた。前作で百瀬の選んだエンゲージシューズというのは、いかにも彼らしいというか、相手のことを真に思いやって選んだ行為なんだなということがわかったけれど、いかんせん女性にとってエンゲージリングというのは特別なもの。それがわかっていない、ピントのぶれた百瀬の行動にはちょっと苛々・・・けれども、いろいろなことが絡み合って、ゆるやかにむかえたラスト。時に可笑しく、時にほっこりと、そしてまたちょっとドキドキ・・・指輪にまつわる、さまざまな人々の想いが伝わってきた。
読了日:1月24日 著者:大山淳子
フェリックスとゼルダフェリックスとゼルダ感想
ユーモア感があって、暗くない話と聞いて読んだが、そうでもなかった。語り口調はそうかもしれないが、その背景にあるものを考えてみれば、わかる。それぞれの章が、「昔、ぼくは」というふうに始まっていることから、過去にあったできごとを回想しているような構成になっている。むかし、僕はおもしろおかしく作り話をしては、現実をよく見ていなかった・・・けれど、と。続編もあるようで、この後のことを知りたいような、知りたくないような気もするが、見届けなければ、と思う。
読了日:1月26日 著者:モーリスグライツマン
はじまりのはじまりのはじまりのおわり 小さいカタツムリともっと小さいアリの冒険 (福音館文庫 物語)はじまりのはじまりのはじまりのおわり 小さいカタツムリともっと小さいアリの冒険 (福音館文庫 物語)感想
こういう話はあまり意味など考えずに、素直に楽しむのがよいのだろうね。小さな、可愛いお話。だけど、この中には何かでっかいものが含まれている!そんな感じ。
読了日:1月26日 著者:アヴィ
サースキの笛がきこえるサースキの笛がきこえる感想
とりかえ子伝説を下敷きにした物語で、いっけんファンタジー?かと思うけれど、実は違うんじゃないか。もちろん背景はファンタジーな世界なんだけど、つきつめて読んでみれば、これは自分の居場所を探してもがきつづけるYAの物語なんじゃないかと思う。半分人間で、半分妖精のサースキは、妖精だった頃も失敗ばかりで、妖精たちに受け入れられない存在だった。それで、人間と取り替えられてしまうのだが・・・生まれ変わった人間の世界も生きづらいことに代わりはなく。最後にしたサースキの選択が、よりよいものであることを願わずにいられない。
読了日:2月4日 著者:エロイーズ・マッグロウ
3万冊の本を救ったアリーヤさんの大作戦3万冊の本を救ったアリーヤさんの大作戦感想
『バスラの図書館員』の絵本に描かれたのと同じ話。こちらはさらに詳しく、どういうふうにアリーヤさんが考え、行動したのかよくわかるようになっている。寸足らずの絵がちょっとユーモラス・・・。実際に、本を運び出す光景が、服の下に本を隠してという格好だったので、一見するとまるで・・・みたいな感じがしてしまうが、その行為の実際は命がけだったわけで。そのことを思うと、アリーヤさんの行動の大胆さ、勇敢さに感嘆してしまう。まさに司書の鑑!図書館の本=その国の文化なのだから守って当然、という考えにみんながなればいいのにな。
読了日:2月5日 著者:マーク・アランスタマティー
うれないやきそばパンうれないやきそばパン感想
やきそばパン、そういえば最近は食べたことがなかったなあ。ないこともないけれど、他のもっと美味しそうなパンがいっぱいあるものね。そんな、やきそばパンの悲しみ・・・。いまどきのはじけちゃった絵本かと思ったけど、けっこうシンプルな話だった。
読了日:2月5日 著者:富永まい中尾昌稔
図書館のはじまり・うつりかわり (図書館のすべてがわかる本)図書館のはじまり・うつりかわり (図書館のすべてがわかる本)感想
図書館の起源と変遷を、わかりやすい説明と、図や写真等で現しています。こういう本を小さいうちから読んでいたらなあ! ぜひ学校に買いたい(けっこう、いいお値段だが)。あとの3巻も期待してます。
読了日:2月5日 著者:
コリドラス・テイルズコリドラス・テイルズ感想
これは!と腹をかかえて笑ってしまう。こういうのが斉藤さんの強みだよなあ!!表紙が地味めだけど。内容は・・・クククッ。星新一ショートショートのような雰囲気のある短いお話がピカイチなのだ。ゴーストバスターの話は他にもあるようで・・・そっちも読んでみたいな。コリドラスなんちゃらというのが舌を噛みそうな名前で・・・・そのお仲間の名前とともに、いつも適当に読み流していたよ。ぜひ小中学生にすすめたい(読んでくれたらなあ)
読了日:2月5日 著者:斉藤洋
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)感想
ずっと積読していたが、ドラマが始まってしまったので読んだ。原作の方がやっぱり面白い。キャラクターの性格も、物語の設定もまるで違っていた。古い本にまつわる、人々の物語。本の内容自体にも、その本に絡めた人々の物語もどちらにも惹かれる、お得な話だった。2巻も読むー!
読了日:2月9日 著者:三上延
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)感想
2巻も面白かったです。本の世界は本当に奥深い。知らないことがいっぱいです。栞子さんのお母さんの話も気になる。大輔との距離も縮まったような、そうでないような…。いろいろな続きが気になります。
読了日:2月11日 著者:三上延
ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)感想
コミックも読んでみた。基本的に小説と変わらないが、可愛らしい栞子さんがいいね! 子どもも読んで、面白かったー!って言ってます。ドラマを見て手っ取り早く内容を知りたい人には最適かも。個人的には、原作小説読んだ方がよいとは思うけどね。
読了日:2月11日 著者:ナカノ
ビブリア古書堂の事件手帖 (2) (カドカワコミックス・エース)ビブリア古書堂の事件手帖 (2) (カドカワコミックス・エース)感想
コミック2巻も爽やかな感じです。よいと思います。
読了日:2月11日 著者:ナカノ
ビブリア古書堂の事件手帖(1) (アフタヌーンKC)ビブリア古書堂の事件手帖(1) (アフタヌーンKC)感想
こちらもこちらでよいけど…。ただ、必要以上に栞子さんの身体の各部を強調する場面がなぁ。胸とかお尻とか(汗)。
もう1つのマンガと比べると、イメージがちょっと違うかな? とくに、大輔。よりこわもてになってる。リアル、っていうか。あちらはマンガって感じだけど、こちらはより現実の生活に沿った感じがある。ストーリーの運びかたも違ったところがあり、面白い。漫画家の表現力の違いを探すのもね…
読了日:2月11日 著者:交田稜
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)感想
本の謎、栞子さんのお母さんの謎… いろいろ絡み合って、興味津々。読みたい本も増えますね。『たんぽぽ娘』、ずっと読みたかった本です。いつか復刊されるのを待っています。宮沢賢治の話も面白かった。まだまだ知らないことが多すぎるー! もっともっと勉強しなければ。
読了日:2月16日 著者:三上延
王妃マルゴ 1 (愛蔵版コミックス)王妃マルゴ 1 (愛蔵版コミックス)感想
歴史物ということで、登場人物が複雑。冒頭の家系図を見ながら読んだ。史実をよく知っていたらもっと面白いだろう。マルゴ姫のこれからがどうなるのか楽しみ。巻末の資料も興味深い。何か読んでみようかな。
読了日:2月17日 著者:萩尾望都
まんげつのこどもたち (こどもプレス)まんげつのこどもたち (こどもプレス)感想
『ちょうついがいきいきい』のイメージがぬぐえなかったせいか、ちょっと不気味な気もしたが、話は全く普通の少し不思議な話だった。でもやっぱり無表情な子どもの顔が怖い…
読了日:2月17日 著者:軽部武宏
キラキラ子どもブックガイド ―本ゴブリンと読もう360冊―キラキラ子どもブックガイド ―本ゴブリンと読もう360冊―感想
読んだというより、一通り目を通したという感じですが。
小ゴブリン、中ゴブリン、大ゴブリンという言い方が面白いです。子どもが読むというより、大人が本を選ぶのに使う本だと思うけど。低中高、という分け方でなくて、読書能力で分けているところがよいかな。いろいろなシチュエーションごとに本が選ばれているのもいいですね。ブックトークの参考になります。
読了日:2月21日 著者:
海と島のマイリ海と島のマイリ感想
う〜ん、読んでたと思ったけど、記憶にないなぁ。買って読まずにおくなんてね、ちょっと信じられないんだが。この伝説を元にした作品を読んだことがあります。やっぱり最後に、アザラシのお母さんは海に帰っちゃうの。悲しく美しい話です。
読了日:2月23日 著者:スーザンクーパー
インヘリタンス 果てなき旅 下巻 (ドラゴンライダーBOOK4)インヘリタンス 果てなき旅 下巻 (ドラゴンライダーBOOK4)感想
あぁ長かったー! 上巻読んだのが去年の年末で。下巻は1月には読みきれず、いったん返して、また別の図書館で借り直した私だった。正直、刊行が空きすぎて話を忘れていた。しかしもう終わり。もしかしてまたいつか続編が出ないとも限らないが。エラゴン成長したね。宿敵ガルバトリックスとの対決は何かあっけなく終わってしまった気がするけど。その後がけっこう長かった。勝利したのに、悲壮な雰囲気漂っていたが、ラストはこうきたか。ある意味、指輪を彷彿させる終わりかた。ほんとに作者のパオリーニさんは指輪が好きなのね。
読了日:2月26日 著者:クリストファー・パオリーニ
ぼくの嘘ぼくの嘘感想
オタク男子というのに興味をひかれて読んでみた。ただいまうちの長男が絶賛オタク化しているから。読んだ結果、二次元キャラを愛するオタ男子も、立派に恋をして…人並みの感情があることがわかってよかった(笑)。普通に面白かった。最後の、遠大な笹川くんの計画には感心。文章も読みやすいし、長さも適度で中学生くらいにぴったり。
読了日:3月2日 著者:藤野恵美
トモ、ぼくは元気ですトモ、ぼくは元気です感想
障害児の兄をもつ、和樹の気持ちがよく伝わってきた…共感を呼ぶだろう。
どんな障害があっても、トモはトモ、と最後に気づいたところがよい。胸が熱くなる。私の勤務する小学校にいる特別学級の男の子の顔が読みながら、浮かんでいた。まだ5年生だが。その子もやっぱり、障害児という言葉にくくられない、その子自身であるんだ。素直でよい子だと思うよ〜
読了日:3月3日 著者:香坂直
1愛のうらおもて (中学生までに読んでおきたい哲学)1愛のうらおもて (中学生までに読んでおきたい哲学)感想
愛や恋について書かれたエッセイや小説などを集めたアンソロジー
いろいろあって楽しめた。中学生でなくても面白い。哲学と難しく考えるより、これらの文章を読むのがいい。何かが残ってくる。倉橋由美子の「血で染めたドレス」や太宰治の「満願」などよかった。日頃は読まない種類の話、落語(「厩火事」)なども収録されており、面白かった。
読了日:3月8日 著者:
みさき食堂へようこそ (わくわくライブラリー)みさき食堂へようこそ (わくわくライブラリー)感想
読みやすいし、装丁も目を引くし、手に取りやすい作品に仕上がってると思う。思い出をターゲットに、ほんわかムードただようお話。食べ物って、子ども心に直結するものだからね。食べ物に思い出のよすがが宿ることはよくある。親しみやすくて、いい話だと思った。
読了日:3月9日 著者:香坂直,北沢平祐
わたしの恋人わたしの恋人感想
順番が逆になってしまったが、恋の始まりを遡るようでそれもよかったかも。『僕の嘘』で幸せなカップルだった二人の始まりのお話。まっすぐな恋のお話だった。その上でもう一度、今度は笹川くんの話を読み返してみたいかも。
読了日:3月11日 著者:藤野恵美
バターサンドの夜バターサンドの夜感想
大人になりたくない!変身願望のある思春期の女の子の話。グループには入らなくて、群れからはぐれたようだった自分の中学生の頃のことを思い出しながら読んだ。作者さんと同じく、本を読んだり、アニメを見たりといったことは一人でしかできないことなのだと思っていた。誰かと思いを共有したり…なんてやってみたこともなかった。今でもあまり変わってないかもしれないが、昔よりは角がとれてきたと思う。作中のミメイこと赤羽明音ちゃんも、少しずつでも誰かといっしょの場所を見つけてつながっていけるのでは?
読了日:3月13日 著者:河合二湖
きみスキ 高校生たちのショートストーリーズ (teens’best selections)きみスキ 高校生たちのショートストーリーズ (teens’best selections)感想
読書が苦手な人でも読めるように、短い話ばかり集めた連作掌編小説だそうです。短い話がたくさんあるので、読書なんてかったるい!とかいう中学生にオススメかも。それでいて、少しずつつながっているので、全部読めたら大長編を読めたみたい!?
等身大の思春期って感じ。最後、もうちょっとオチを期待してしまったけれど… 彼らは現在進行形。まだまだこれからが青春よね。性格も外見も全く違う高校生たち一人一人にキラキラした光がふりそそぐ。眩しいくらいの青春ストーリー、ってところかな?
読了日:3月14日 著者:梨屋アリエ
大盛りワックス虫ボトル (YA!ENTERTAINMENT)大盛りワックス虫ボトル (YA!ENTERTAINMENT)感想
やーこれは面白かったね!「人を1000回、笑わせろよーん。おまえの誕生日までにだよーん。」
わけがわからないけど、突然出てきたお豆の人形さん?糸もやし?命令されて、笑わせられなきゃ人前で歌ってしまうミュージカル刑だよーん(笑)と、脅迫されて無理矢理お笑いに取り組む主人公の中学男子。同級生と3人でやって最初は全然ウケなくて凹んでたけど… 何か楽しかったよ。お笑い好き男子に(女子でも)オススメ。最後のオチもいい。ちょっとほっこり。
読了日:3月15日 著者:魚住直子
いつか蝶になる日までいつか蝶になる日まで感想
タイトルは新井素子を連想。ちょっとファンタジックなSFふう連作短編集。まあまあだったが、話が時系列になっておらず、あっちこっちに飛んでしまった印象。狛犬の話と鏡の中の悪魔の話がいまいち噛み合っていない気がする。
読了日:3月17日 著者:小森香折
図書館の役割を考えてみよう (図書館のすべてがわかる本)図書館の役割を考えてみよう (図書館のすべてがわかる本)感想
図書館の役割について。ここに書かれていることを小さい頃から知っていたら… 。こういうことが一般にも浸透していけば、と思うけれどどうかな。興味がない人はいつまでたっても知らないままだろうし。やっぱり子どもの頃からの図書館活用が役立つと思う。
読了日:3月20日 著者:
日本と世界の図書館を見てみよう (図書館のすべてがわかる本)日本と世界の図書館を見てみよう (図書館のすべてがわかる本)感想
日本と世界にあるいろいろな図書館を紹介。見ていて楽しかった!電車や駅が図書館になっていたり、海辺の図書館や船の図書館など… そしてやっぱり洗練されたセンスある図書館には憧れが!! 行ってみたい、あんな図書館が身近にあったら、とちょっと羨ましかったり。
読了日:3月20日 著者:
②悪のしくみ (中学生までに読んでおきたい哲学)②悪のしくみ (中学生までに読んでおきたい哲学)感想
人間の悪について、書かれた作品を収録。わかりやすく面白い話もあれば、ちょっと難しいのもあった。小学生には積極的には勧められないが、中学生になったら、一度は手にとってみてほしい。親があれこれお膳立てするのではなく、自分の目で読んでみて善し悪しを判断できるようになってほしいと思う。編者の意図もそこらあたりにありそうな気がする。もちろん大人の読者にもお勧めします。私は、どれも面白く読みました。
読了日:3月22日 著者:
ぼくたちの骨ぼくたちの骨感想
陸上やってた子が足を痛めて休んでいるうちに、新聞部に仮入部。動物園で見かけたチーターの複製が気になって…。『骨の学校』は中学校に入れたな。読んでないが。…陸上と違って、地味な新聞部での調査活動にだれずに取り組む主人公の姿勢がよい。剥製を作る人の思いも伝わってくる。思春期なのに、恋話のひとつも出てこないが、それはそれで。しかし、やはり地味だ。どうしても先を読みたいという吸引力にはちょっと欠けるかも。
読了日:3月29日 著者:樫崎茜
消えた白ギツネを追え (シノダ!)消えた白ギツネを追え (シノダ!)感想
シノダ7作目。今回は家で、事件に巻きこまれる。夜の学校は子どもにとっては大冒険でしょうね。九尾婦人は意外といい人だった。人型を扱ったり、雲に乗ったり、結界を封じたり… ノウマク サンマンダ、バザラダンと印を結んだり、カッコよく戦っていた。出典は西遊記…。
読了日:4月1日 著者:富安陽子
3うその楽しみ (中学生までに読んでおきたい哲学)3うその楽しみ (中学生までに読んでおきたい哲学)感想
3巻目はうそに関する話。柳田国男の「ウソと子供」から、井伏鱒二井上ひさしとくる流れが面白かった。ウソという語に、どんな意味がこめられているか。人をあざむく偽りとは違い、ウソと知りつつ、そのウソを楽しむ許容力がほしい。「嘘」という同じタイトルで書かれた小説、遠藤周作太宰治の作品それぞれもよかった。全編に渡って、この巻は子どもに勧めても全く差し支えない。
読了日:4月2日 著者:
空打ちブルース空打ちブルース感想
最初は、バカばっかりやってるケージュンにあきれ、笑っていたけど。家庭の状況とか見るうちにだんだん哀しくなってくる。空打ち、って初めてこの作品を読むことで、知った言葉だったが、ヤクザみたいな?シンジに脅迫されて無理やりやらされてるケージュンに、このままじゃダメだよ、何とかしなくっちゃと思ったが。バイト先の古本屋にばれて痛い目を見るかと思いきや。あんなことになるとは…。いくらなんでもちょっとやり過ぎた。もっと何か大きなことをやりそうだったが…、あまりにじめじめとしたストーリーに心が痛む。明日は彼らにくるのか?
読了日:4月6日 著者:升井純子
オレたちの明日に向かって (teens' best selections)オレたちの明日に向かって (teens' best selections)感想
中学校の職場体験(ジョブトレーニング?なんて呼び名はしなかった)で、保険代理店に行くことになった勇気の話。人を生かすための保険、ってのはいいと思った。保険というと敬遠しがちだが、こんな保険屋さんだったら信用できる気がする。
読了日:4月12日 著者:八束澄子
「本」に恋して「本」に恋して感想
本というものが、一体どういうふうに私たちのもとに供給されるのか? 製本から始まって、製紙、インキ、印刷とそれぞれの工程を著者とイラストレーターの方が巡って、話を聞いていく。専門用語バリバリで、訳がわからない部分はあるけど、文章だけでなく、イラストが添えられているのがよかった。工場見学のような感じで、へぇーー!っと驚かされること多数。読み終わって、改めて本を大事にするのはもちろん、紙自体も大切に使わなきゃと思った。職人さんたちが、こんなに苦労されて作っている紙だもの。
読了日:4月14日 著者:松田哲夫
プレッツェルのはじまりプレッツェルのはじまり感想
なるほど、プレッツェルとはお日さまの形なんだ〜!と思ったら、解説ではちょっと違ってた。まぁ、エリック・カールのお祖母さんから聞いた話ってことでご愛敬。カラフルな目に飛び込んでくるような絵柄は変わらず。読み聞かせにもよいかも…と思ったけど、ちょっと長いかな?訳者はアーサー・ビナード。「あさひが三つさしてくるパン」て表現、面白いね。ちょっぴり塩味が効いたもちもちカリカリのプレッツェルが食べたくなるねぇ!
読了日:4月17日 著者:エリック・カール
④おろか者たち (中学生までに読んでおきたい哲学)④おろか者たち (中学生までに読んでおきたい哲学)感想
今回も面白く読んだ。様々なおろか者たち… 小説に、評論・エッセイに、落語など。太宰治率高い。星新一も。佐野洋子さん面白い。などなど… この巻には、アクの強いようなのはなかった。
読了日:4月19日 著者:
はるかなるアフガニスタン (講談社文学の扉)はるかなるアフガニスタン (講談社文学の扉)感想
落第を避けるため課題で文通を始めたアメリカの少女アビーと、遠く離れたアフガニスタンの小さな村に住んでいる少年サディードとの友情の物語。…いつの日にかこの二人が実際に会って話ができるように…。この二人のように、文化も言葉もまるで違った人間同士がコミュニケーション取り合えるような日が来ますように。別の星に住んでいるかのように、違った環境で育ってきた者同士でも、根幹になるものは同じなのだろうから。シンプルなところでは、みな「ともだち」。いろいろなことが、事態を複雑にしてしまっている。(コメント欄へ)
読了日:4月20日 著者:アンドリュー・クレメンツ
空中トライアングル空中トライアングル感想
人と人との関係、ってほんとに複雑…。こうと思ってたことが実はそうじゃない、ってよくある話かもしれない。けど、人間同士はケンカして、互いに傷つけあいながら成長し、関係も変わっていくものなのかも。律子の母の、ケンカしなさい、ってことはそういうこと。ケンカできるってのはそれだけお互いの手の内を見せ合うことだからね。ケンカもできないような、薄っぺらな人間関係は決して、本物にはなれない。そのことは私自身が一番身にしみてよく知っている。最後、律子が傷つきながらも、新しい人間関係を結ぼうと一歩を踏み出すのがよかった。
読了日:4月21日 著者:草野たき
犬と私の10の約束犬と私の10の約束感想
文章はシナリオみたいで軽いが、好感の持てる感じ。犬を飼ったことのある人なら感動できるでしょう。小学校高学年くらいから読める。最後の「虹の橋」というのは、同名の別の本にも載っているのですね。というより、そちらの方が先かも。そちらも読んでみたいです。
読了日:4月24日 著者:川口晴
ぼくが宇宙人をさがす理由ぼくが宇宙人をさがす理由感想
中学生向け課題図書。もっと難しいのかと思っていたが、案外読みやすかった。簡潔な言葉で、天文に関する作者の熱意が伝わってきた。SETI「地球外知的生命」を電波でさがす、というもの、初めて知った。
最初は日本国内のみだったのが、やがては世界中でいっせいに観測できるようになるまで。
宇宙人は本当にいるのか? 興味深い問題だ。
読了日:4月26日 著者:鳴沢真也
水銀奇譚 (ミステリーYA!)水銀奇譚 (ミステリーYA!)感想
現実にはいそうもない小学生、大学図書館並みの小学校の図書館など、リアルとは程遠い作品だったが、後半にかけての展開は見ものでもあった。少年が自分の感情にとらわれて怪物化するところなど。グロテスクで、醜いけど、同時にピュアなところもある、って感じだった。あったかい気持ちがピンクの泡になってひらひら舞う、といったシーンがよかった。ラストも納得。なかなか面白かった。
読了日:4月27日 著者:牧野修
5自然のちから (中学生までに読んでおきたい哲学)5自然のちから (中学生までに読んでおきたい哲学)感想
第5巻は自然について書かれた文章を集めたもの。宮沢賢治「やまなし」から始まって、雑草について、自然と人間、山の自然と精神、人びとの暮らし、神話における自然、人間の想像力における自然の変容、そしてどこかユーモラスな、つくつく法師の鳴き声の自然さなどなど… 全作が個々に連なりあい、ひとつの大自然という物語を見る思いだった。人間は自然の中で生きさせてもらっている。自然と切り離して考えることはできないという感じか。表紙絵のナマズがほのぼの。満足度100%。
読了日:4月29日 著者:
天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子感想
相変わらず、本編は読んでいません。1巻で見限ったからでしたが。この外伝は面白いと思います。時々、省略しすぎとか、もっと丁寧に描いてよと思わないこともなかったけど。児童書としてはまぁ妥当なところか。クワン王子の人と成りが面白く、セオとのやりとりが心楽しい。今後が気になりますね。本編を読まないといけないかな(笑)。
読了日:4月30日 著者:菅野雪虫
ノウサギとハリネズミ (ランドセルブックス)ノウサギとハリネズミ (ランドセルブックス)感想
ウォルター・デ・ラ・メアの再話。昔話を絵本化したようなもので、あまり深く考えず、楽しんで読んだ方がよいのかもしれない。文章もそれなりに長いので、自分で読むことをはじめた子どもたちに最適という、このランドセルブックスの意図にあっていると思う。
読了日:4月30日 著者:W・デ・ラ・メア
チェロの木チェロの木感想
いせひでこさんの世界がまた広がった…木を愛し、森の木を育てる仕事をしていたおじいさんから、そのおじいさんの育てた木を使って、バイオリンやチェロを作り出すお父さん。父さんの作ったチェロは、チェリストのパブロさんに届けられ… パブロさんはそのチェロから音楽を紡ぎ出す。その音は、まるで森が語りかけてくるような暖かく、光に満ちたものだったろう。その音楽は、わたしの中に入ってくる。おじいさんの木から、父さんが作ったチェロから、そのチェロを演奏する人から、パブロさんが奏でる、遠い昔に作られた曲から…。
読了日:4月30日 著者:いせひでこ
トビウオのぼうやはびょうきですトビウオのぼうやはびょうきです感想
トビウオのぼうやに、被爆された第5福竜丸の乗組員の方を思う気持ちをのせて書いた話だった…
こういう本を読み聞かせするのは難しいだろうな。
読了日:4月30日 著者:いぬいとみこ
ほんをよむのにいいばしょは?ほんをよむのにいいばしょは?感想
まったく同じだー 私も、本を読むのにいい場所を探しますよ。うるさい人たちがいる時は。ニリィのように、みんなを巻き込んでいっしょに楽しめればよいのにね。
読了日:4月30日 著者:シュテファン・ゲンメル,マリー・ジョゼ・サクレ,斉藤規
ともだちをさがそう、ムーミントロール (ムーミンのおはなしえほん)ともだちをさがそう、ムーミントロール (ムーミンのおはなしえほん)感想
びんに入った手紙の持ち主を探しに冒険の旅に出るムーミントロールとスニフ。新しい友だちを探しにいくムーミントロールにプンプンするフローレンおじょうさん。可愛いね。最後はラブラブ。ムーミントロールよいね。
読了日:4月30日 著者:トーベ&ラルス・ヤンソン
花じんま 田島征三による「花さかじいさん」 (日本傑作絵本シリーズ)花じんま 田島征三による「花さかじいさん」 (日本傑作絵本シリーズ)感想
サイケデリックーゥ!な絵柄と、いじくそのわりい じんまとばんばが強烈。高知の土佐弁なんですね。昔話は、土地の言葉で聞いた方がよいのでしょうね。素朴な味わい…。
読了日:4月30日 著者:田島征三
ピース・ヴィレッジピース・ヴィレッジ感想
米軍基地のそばに住む小学6年の楓の心情を淡々と綴ったような文章。とくに何が起こるわけでもなく、楓の父の営む喫茶店タキや、フォーコーナーにあるピース・ヴィレッジという遊技場?を行ったりきたりしながら、楓がいろんなことを考えたり、感じたり…アメリカ兵の屯するそれらの店はいわば米軍基地に迎合する場所である。それに対し、ずっと米軍相手に反核のビラを配り続けている、一つ上の友達、紀理ちゃんの父親がいた…。ずっと違和感なくアメリカ兵らと接し、その行事に出かけていた楓が初めて疑問をもつ。平和とは、戦争とは…身近な物事に
読了日:5月2日 著者:岩瀬成子
こおり (たくさんのふしぎ傑作集)