2012年読書のまとめ

2012年の読書メーター
読んだ本の数:268冊
読んだページ数:41440ページ
ナイス:4227ナイス
感想・レビュー:268件
月間平均冊数:22.3冊
月間平均ページ:3453ページ

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫 JA (6))百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫 JA (6))感想
やっと読み終わった。壮大な話すぎて全く歯がたたなかった。年末から読んでいて、年越し本になったが、ひたすら消耗した読書だった。後半の、カタカナの羅列が読みにくくて…よくぞ最後まで投げださなかったことと思う。途中から萩尾さんの漫画版を併読していたが、漫画の助けで何とか読了できたようなものだった。また新たに漫画版を読んで消耗した心を癒やしたいと思う。
読了日:1月2日 著者:光瀬 龍
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)感想
原作を読んでいて、あまりの難解さに投げ出しそうになった私だが、萩尾さんの漫画版は読みやすいように感じた。原作に忠実なようでいて、でも違うところがたくさんあった。解説の方が、原作を下敷きに全く新しい話を作ったと書いていたが、なるほどと思った。萩尾さんの漫画になっているものね。狂言回し?ユダの存在が気にかかった。
読了日:1月3日 著者:光瀬 龍,萩尾 望都
困っちゃった王子さま (創元ブックランド)困っちゃった王子さま (創元ブックランド)感想
とうとう完結しました!魔法の森シリーズ。完結編は趣向を変えて、シモリーンの息子デイスターの一人称という形で始まります。いきなり剣を渡され、何も言われずに出かけなければならない、なんてね。普通だったら、できないことかも。訳がわからないなりに、剣を片手に冒険の旅に出たデイスターはえらい! 誰に対しても礼儀正しく、思慮深い人間に育てあげたシモリーンも! 途中、出会った炎使いの少女シアラもいいね。反抗的な態度を取ろうとする彼女をいさめて、礼儀正しくあれと諭そうとする彼。全くいいコンビです。後になってそれが徒になる
読了日:1月5日 著者:パトリシア・C・リーデ
手紙手紙感想
兄の犯した罪のために、謂われのない偏見と差別を受け続けた弟。そしてその度に大切な何かを失い続けた彼の生きる道を模索する姿に強く引きつけられた。後に勤めた会社社長の言葉が、ずしりと重くのしかかってきた。犯罪者の家族には差別される理由はある、と。誰もが平穏な人生を望み、僅かでも無用なトラブルは避けたいもの。強盗殺人などという重い罪ならばなおのこと。弟には罪はない、その妻や子どもにも。にもかかわらず、差別偏見を受けてしまう。平穏な世の中を、家族や自分の人生を守っていくためには、犯罪加害者の家族にレッテルをはって
読了日:1月7日 著者:東野 圭吾
長い廊下がある家長い廊下がある家感想
この作者の本はたぶん初めて読んだと思うが(前に、誰かのミステリー作品で火村准教授が登場した話を読んだような気がするが、何だったかな?勘違いかも)。表題作はホラーがかっているのかと思っていたら、そんなことはなくてちょっと拍子抜け。他の話もだけどトリックを見抜け!みたいな感じなんだな。おもしろくは読んだけど。最後の話「ロジカル・デスゲーム」は混乱してしまった。確率の問題って、わかったようなわからないような?数学苦手だった私には、ちょっと敷居が高く感じてしまった。 心情的には、やっぱり「雪と金婚式」が好きかな〜
読了日:1月12日 著者:有栖川有栖
クローズド・ノートクローズド・ノート感想
一冊のノートからよみがえったあざやかな物語。確かに、少し出来すぎのような気もしたし、展開も読めたが、それを知っていても読むのがやめられなかった。何より伊吹先生の存在感が際立っていて、主人公の香恵と同じ気持ちで入り込んでいた。その存在感の理由は巻末で明かされたが。私も伊吹先生の生徒になって、頑張って伊吹賞もらいたかったなー。そんな先生がいたら、どんなに子どもたちの心の力がのびたことだろう。最後はちょっと盛り上がりに欠けた気がするが、肝心要のところでおっちょこちょいな香恵。石飛さんとのその後の物語が続いてくれ
読了日:1月15日 著者:雫井 脩介
殺気!殺気!感想
ましろの同級生たちなど回りの人間がいい雰囲気で、何となく面白く読んでしまったが、他人の殺気を感じ取れる能力をもっと際だたせるような展開がくるかと思いきや、割合ふつうだった。ファションショーとか、バイト先の話とか、あまりストーリーに関係しない部分がどうなのかと思った。人のいいましろの性格を現すにはよかったが。過去に起きた事件の真相には納得ができたが、ちょっと地味に終わってしまったという印象。
読了日:1月21日 著者:雫井 脩介
さくらさくら感想
最初から予感はあったが、まさかあんなふうにそれが訪れようとは。衝撃ではあったが。たとえ、どんな不幸が襲ってきたとしても、サクラさえいれば… 幸福の象徴だった彼女の存在が物語の中心にどんっと座っているようで、何とも心が和んだ。タイトルにその名前が使われたのもわかるような気がする。
読了日:1月24日 著者:西 加奈子
号泣する準備はできていた号泣する準備はできていた感想
繊細な描写に魅力は感じるところはあるが、正直、だから?どうなの?と問いかけたくなるような短編ばかりだった。日常のひとこまを描いたものとは言え、そこは何か違うような。個人の生活のごく一部分を切り取って、詩的に表現してみたの、この後の結末は読者のご自由に、というような… そんなふうに感じた。
読了日:1月27日 著者:江國 香織
夜明けの図書館 (ジュールコミックス)夜明けの図書館 (ジュールコミックス)感想
なかなか面白かった。レファレンスは発見の連続、司書もレファレンスを受けることで勉強させてもらってる、っていうところ。本当にそうだなぁ。新米司書ひなこの奮闘、まだまだ見たい気がする。大野さんもだんだん、角が取れてきてるようでよかったです。
読了日:1月31日 著者:埜納 タオ
鬼感想
初めて読んだ作家さんの短編集。どれも面白かったけれど、どこかに毒や残酷な、不気味なものをひそませている。そこが魅力なのかもしれない。これは癖になるかも…
タイトルになった「鬼」はこの中では一番、よかったと思える一編だった。
「メイ先生の薔薇」は、最初いかにも良い話、ってところから真相?が明らかにされ…嘘なのか真実なのかわからないところがまた不気味だった。
読了日:2月3日 著者:今邑 彩
黒猫オルドウィンの探索: 三びきの魔法使いと動く要塞黒猫オルドウィンの探索: 三びきの魔法使いと動く要塞感想
やっと読めた。このシリーズは基本的に動物が主人公なのだな、と実感した。人間は最初と最後だけ。全く影が薄い、名前もよく覚えてなかったり。もっと人間(ロイヤル)とファミリアとの交流を描いてくれたらな。そっちのほうが好みなだけに、何とも言えない。
話的には盛り上がっていた。最後のとこ、もう終わり!?って感じ。
読了日:2月7日 著者:アダム・ジェイ・エプスタイン,アンドリュー・ジェイコブスン
小袖日記小袖日記感想
源氏物語』が書かれた時代にタイムスリップ〜!ってことで、主人公の小袖の脳に乗りうつった女性が物語の謎を追い、現代的な視点で謎解きする場面では面白くて『源氏物語』について新たな解釈が生まれそうで非常に楽しかったのですが。後半、若紫のモデルになった小紫が登場してきてからは、あらまぁ!な展開でそれもまた面白いことは面白いんですが、それまでの謎解きの面白さとは全く違っていて残念でした。男女の役割とか、社会の仕組みとかに対する作者の主張を登場人物らに言わせているかのようで。戻る方法も偶然にまかせただけで、とくに必
読了日:2月11日 著者:柴田 よしき
給食番長 (cub label)給食番長 (cub label)感想
こんな話とは思ってなかった。何となく、みんなの給食を余計に奪いとる、食いしん坊の番長の話かと。教訓的かもしれないが、よい話だ。博多弁が面白い! よかろうもん、とかギャグにしか聞こえなくて困る。本場の人に読み聞かせしてもらいたいくらい。
読了日:2月14日 著者:よしなが こうたく
図書館の主 1 (芳文社コミックス)図書館の主 1 (芳文社コミックス)感想
やっと読めた! 御子柴さんの個性で持ってるようなもんですね。何でも知ってる司書さん… っていいな。まさに本のソムリエ、水先案内人ですね。彼に本のこと教えてくれたトクさんもいい。こういう人から人への本の受け渡しが将来の図書館の芽を培っていくんですね〜 オーナーさんとのお話もよかったです。
読了日:2月18日 著者:篠原 ウミハル
図書館の主 2 (芳文社コミックス)図書館の主 2 (芳文社コミックス)感想
2巻も面白かった! この巻では、書店員で絵本作家志望の伊崎くんとのかけあいが楽しかったですね。御子柴さんとのやりとりもだけど、本屋と図書館のいい関係が描かれていて、とてもよかったです。まずは図書館で本についての知識を取り入れて、実際読んでみて、その本を手元におきたいほど好きになったら本屋に出かけて本を買う。理想の形ですよね。相変わらず御子柴さんはすごいですが、他の司書さんの話もそれぞれ素敵でした。最後が気になりますね。早くも3巻が待ち遠しいです。
読了日:2月18日 著者:篠原 ウミハル
終わり続ける世界のなかで終わり続ける世界のなかで感想
ノストラダムスの予言を子どもの頃に知って影響を受け続ける一女性の物語。私も伊吹とほぼ同世代なので、いろいろ感じるところが多かった。ノストラダムスについては、やっぱりTVの特番で見ていて、子ども心に強く印象づけられたものだ。伊吹のように信じたりはなかったけれど。彼女の半生を読むにつけ、破滅を恐れる伊吹の気持ちに寄り添う自分がいた。人はなぜ生まれ、そして死んでいくのか?この世に生まれ落ちた瞬間から、死へのカウントダウンは続いていて、それはたった今も、私やあなた、この地球上に生きるすべての者の上に刻まれて(続く
読了日:2月19日 著者:粕谷 知世
ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)感想
今日、学校に入ってきた本で… つい読んでしまいました。猫の表情がまたいい。まさに、こんな感じです。ナオスケは昔、実家で飼っていた猫に似ています。雌でしたが。この猫は最初、近所のお宅で飼われていた子だったのですが、あちこち放浪癖があったようで…。最終的にうちに転がり込みました。何度も飼い主のお宅へ返しに行ったのに、いつの間にか帰ってきてしまい… 最後にはうちの猫となり、我が家で看取りました。この絵本を読んでいるうちに、飼っていた猫のことなど思い出し、しんみり…。猫好きにはちょっと嬉しい絵本でした。
読了日:2月22日 著者:伊沢 雅子
新装版 むぎわらぼうし (講談社の創作絵本)新装版 むぎわらぼうし (講談社の創作絵本)感想
これも学校に新しく入った絵本。さらっと流して読んだだけだけど、いせひでこさんの透明感あふれる絵に、竹下文子さんの情感たっぷりの文章が見事にマッチング。もっとゆったりした気分で読みたい本です。
読了日:2月22日 著者:竹下 文子
ブリキの王女 上 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)ブリキの王女 上 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)感想
何だかあんまり進まなくて5日もかかってしまった。ラツカヴィアというのは、実際にはない国なんだろうけど、世界史にも登場する固有名刺があれこれと挟まれていて、いかにもありそうな国。そこで起こる冒険活劇… と思ったが、上巻はさわりだけ。起こった事がらを追っているだけで、あまり心が踊らなかった。
読了日:2月25日 著者:フィリップ・プルマン
ブリキの王女 下 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)ブリキの王女 下 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)感想
さすがに下巻は1日で読めました。急展開に次ぐ急展開って感じで、面白く読めたと思います。このシリーズの魅力はヒロインのしたたかさにもあるけど、一番の醍醐味は時代の雰囲気を感じとれるところかな。この巻では英国を離れてドイツへ…。ドイツは個人的に思い出のある地なので、地名とか似通ったところがあってちょっと懐かしかったですね。
読了日:2月26日 著者:フィリップ・プルマン
サリーのえらぶ道サリーのえらぶ道感想
雇われ先から、故郷に帰ったサリー。しかし彼女を待っていたのは、思いもよらないことばかり。初めて経験した恋に、親友だった友だちの突然の変容、貧しさから引き起こされた悲しい死と別れ… その中でひときわ目立っていたのは、アイスランドから来た少年オーラフとの出会いだった。やがてサリーは自分の道を選びとる。未来は彼女の前にまっすぐ続いている。サリーのこれからが気になる。ブルーベリー・サンデーなど、北アイルランドの自然に彩られたお祭りや、収穫に精出す人々の姿などの魅力的な背景も心に残った。
読了日:2月29日 著者:エリザベス オハラ
トミーとティリーとタブスおばあさんトミーとティリーとタブスおばあさん感想
絵本というより、ちょっとした読み物。大風が吹いた日、タブスおばあさんの家が吹き飛んでしまい… 三匹の動物たちが知恵を絞り、力を合わせておばあさんに家を作ってあげようと苦労します。第1弾も読んでみたい。
読了日:3月3日 著者:ヒュー・ロフティング
いるの いないの (怪談えほん3)いるの いないの (怪談えほん3)感想
うひゃあ〜怖いよ!画面が全体的に暗くてそれだけでも怖いのに、日本の古い家特有の暗さと湿気がこもっていそうで、じわじわと恐怖が忍び寄ってくる。子どもに見せたら、怖がるだろうが、こういうものを読んでみて、想像力とか物事に対処する力とかを身につけるのはいいね。…とは、実は帯に書いてあったことだけど、本当にそうだと思った。
読了日:3月3日 著者:京極 夏彦
悪い本 (怪談えほん1)悪い本 (怪談えほん1)感想
「このよのなかの 悪いことを このよのなかで いちばんよく しってい」る本とは… 具体的に何の本というのではなく、人が誰でも持っている規範のようなものなのだろう。良心という言葉に置き換えてもいい。幼い純真な魂には、未知の世界だが、いつか知りたくなる時がくる、と。その声に耳を傾けるかどうかは、まさにその人次第。手ぐすね引いて待っている、悪い本の通りになるかならないか… いつでも待っているよ、というその声が怖い。犯罪予防の啓蒙ポスターにでもなりそうだ。または実際には善良なふりをして、こっそりと覗く悪い本…
読了日:3月4日 著者:宮部 みゆき
マイマイとナイナイ (怪談えほん2)マイマイとナイナイ (怪談えほん2)感想
この救いのない恐怖の世界、子どもの頃に読んだらトラウマになりそうだ。大人でも夢に見そう。この、とらえどころのない、モヤモヤした名状しがたき恐怖の正体は何だろう、夢を占うように分析してみればよい。深みまでずぶずぶとハマって抜け出られなくなりそうだ。
読了日:3月4日 著者:皆川 博子
王国の鍵7 復活の日曜日王国の鍵7 復活の日曜日感想
ついに完結!最後は怒涛の展開でした。 何も言うことない面白さ。各キャラクターも立っていて好感の持てるシリーズでしたね。スージー・トルコ・ブルーやリーフ、ドクター・スカマンドロス… 彼らに会うのが毎回楽しみだったなぁ〜 残念な(悲しい)こともあったが、ラストもよかった。また最初から読み返すのもよいかも。今から読まれる方は一気に読めるのが幸せですね。
読了日:3月8日 著者:ガース・ニクス
口紅のとき口紅のとき感想
鮮やかな紅色の装丁に惹かれ、手にしてみた。口紅をモチーフに描かれた短編小説。6歳から、79歳まで。口紅のあるところにあるドラマ。口紅を通じてそのひとの人生が見えた。最近、口紅を塗っていない自分を思い出した。
読了日:3月8日 著者:角田 光代,上田 義彦
眺望絶佳眺望絶佳感想
同じ東京に立ち続けるものとして、スカイツリーから東京タワーへの往信、復信という構成が面白い。その往復書簡の間に挟まれたのは、東京という巨大な都市に起こる小さな物語。空にそびえ立つものたちが静かにその物語に耳を澄まし、目を凝らして見守ってくれているような錯覚を起こす。「2011年という年を切りとった」と帯にあったが、その通り… 震災も含め、静かに物語られる小さな奇跡。これらの物語は人々の記憶の中にだけ刻まれ… そして2つの塔が静かに見守っている。そんな構図が目に浮かぶようだ。
読了日:3月11日 著者:中島 京子
赤木かん子の図書館員ハンドブック―はじめて図書館で働く人のために赤木かん子の図書館員ハンドブック―はじめて図書館で働く人のために感想
図書館で借りられてよかった。この本はいわば学校図書館司書の入門編であり、司書の仕事をこれから始めようという方にはぴったりな内容。薄いので持ち運びにも便利、内容は濃い。などなど利点はいっぱい。値段が高すぎるのが玉に瑕。けれど他のかん子さんの著書を読んでいる身にとっては既存の内容で、特に目新しいものは得られなかった。司書最初の年に欲しかった本。
読了日:3月11日 著者:赤木 かん子
紅に輝く河 (カドカワ銀のさじシリーズ)紅に輝く河 (カドカワ銀のさじシリーズ)感想
まぁ正統なるファンタジーですよね〜 最近、そういった物語に昔ほど惹かれなくなっているせいか、物の見方がひねくれているせいか不明ですが、話はうまくできているのにその上手さゆえにかえって食指が動かない、とでも言うんでしょうか。
まぁヒロイン?泣き虫サルーくんがちょいとツボではありましたが。男勝りな主人公?アスタナとのやりとりにやきもきしたり、といった楽しみをもうちょっとね、読みたかったかなぁなんて大人の読者は思います…。YA世代の読み物としてはこれ以上言うことはないです。個人の好みはおいといてもね。
読了日:3月14日 著者:濱野 京子
鷹のように帆をあげて鷹のように帆をあげて感想
親友が亡くなった落ち込んでいた女子中学生が、鷹を飼い訓練することで空の高みを目指し、亡くなった親友に見せたいと頑張るお話。
読後感は爽やか。鷹の帆翔も気持ちよさげで、青空の彼方に一緒に溶けてしまいそうだった。
読了日:3月16日 著者:まはら 三桃
すずかけ屋敷のふたご (ミス・カナのゴーストログ)すずかけ屋敷のふたご (ミス・カナのゴーストログ)感想
霊が見える女の子の話。一巻はふたごの姉妹の話。俊介と夏菜のコンビがよかった。少しホラーというとこかな?
読了日:3月17日 著者:斉藤 洋
いつか、きっといつか、きっと感想
県立図書館で読んだ。絵の色合いも鮮やかで素晴らしいが、描かれた内容にもしみじみ。世の中みんなこうなら、争いは起こらないのにね。
読了日:3月17日 著者:ティエリ ルナン
呼び声は海の底から (ミス・カナのゴーストログ)呼び声は海の底から (ミス・カナのゴーストログ)感想
このシリーズは気楽に読めてよいかも。好き嫌いのはげしい夏菜、気持ちはわかるが。霊体験していても、そんな特別なことじゃないと思ってる。ただ見えるだけ、てスタンスで。夏菜にとっては霊も人間も同じこと。嫌いなものは嫌いで、すごいはっきりしている子だな、と思った。 表紙絵はイメージじゃないかもしれないが、夏菜の意志の強さを現しているようにも思えた。
読了日:3月17日 著者:斉藤 洋
ゆうれいのまち (怪談えほん4)ゆうれいのまち (怪談えほん4)感想
タイトルだけ聞くといかにも怖そうだが、直接的な怖さはなく…。絵が抽象的で、大人の方がじわじわとした恐怖を感じるかも。恒川さんらしい、ここではないどこかに連れ去られ、二度ともといた家には戻ってこられないという話…。子どもはおかあさんじゃない、おかあさんに捕まったところ、幽霊の町で暮らし始めたところ…などが怖いんじゃないか。幽霊の食べ物を食べた、というところでアウトだな。食べちゃったら、戻れないんだよ。神話や民間伝承等でそういう話があるよね。自分を忘れ、何もかも忘れ、永遠の時がすぎる…エンドレスの怖さ。
読了日:3月18日 著者:恒川 光太郎
ちょうつがい きいきい (怪談えほん5)ちょうつがい きいきい (怪談えほん5)感想
これは怪談えほんの中で、怖さ随一の内容ではないか。子どもにとっては。ぎいぎいという擬音から、いろんな怖いモノを頭の中に作り出してしまう。想像力豊かで感受性の強い子どもにこそ、強烈な印象で迫ってくるのでは。作者はさすがです。子どもの頃、天井のしみや、柱の木目などがおばけの顔や目に見えて怖かったという経験は誰でも持っているはず。誰でも覚えのあるところから恐怖を導いていくところはすごいと思う。
読了日:3月18日 著者:加門 七海
ソロモンの指輪 (1) フェニックス編 (バーティミアス)ソロモンの指輪 (1) フェニックス編 (バーティミアス)感想
久々のバーティミアス健在なり!懐かしかったです。まだ序章ですね…先が気になる終わり方でした。
読了日:3月20日 著者:ジョナサン・ストラウド
猫除け 古道具屋 皆塵堂猫除け 古道具屋 皆塵堂感想
講談社のモニター募集に応募してゲラを送っていただきました。初めて読む作家さんでしたが、予想以上に面白くてするする読んでしまいました。最初はタイトルから某作家の某シリーズを連想しましたが、全く違いました。実際の幽霊が出てくるシーンは真に迫っていて、思わずどきり。でもそれで脅かそうというのではなく、例えば江戸の町の通りを猫がぶらぶら歩いているように、当たり前のことのように存在している感じで…。怖さは全く感じませんでした。連作短編集という構成になっており、全体で一つの話の区切りがついたという形。
読了日:3月21日 著者:輪渡 颯介
羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)感想
ずっと前から読みたかったが、やっと読めた。羽州ものがたり… キャラクター重視のファンタジーより、こういう地に足がついた歴史を感じさせる物語の方が最近ではしっくりくる私…。自由なカラスは孤独であるがゆえに、正しいことを誰かから教えてもらうことができなかった。最後はよかったと思う。主人公のムメは本当にすごいし、ハルナもいい若者になりそうで好感もてる。父の春風も…。公平な目ですべてを見られる人は好もしい。雪ふかい羽州の地に生きる人びとは逞しい。その血が脈々と受け継がれているのだもの…現代の人にそれが見てとれるこ
読了日:3月22日 著者:菅野 雪虫
木工少女木工少女感想
ものづくりって、いいなぁと思わせられる作品でした。主人公の美楽は小学6年生とは思えないほど冷めてる気がしたけど、それも表側だけだったね。峯川村で木工と出会うことで、だんだん周囲にも溶け込んでいけて…最後はよかった。クラスメートもみんないい子ばかり。15人の卒業生がそれぞれみんな自ら輝く星になれるように。美楽の手作りのベンチがきっと峯川小の玄関で待っていると思う。
読了日:3月23日 著者:濱野 京子
ミンのあたらしい名前ミンのあたらしい名前感想
捨てられた子どもの話はほかにもあるが…これも決して悪くはなかった。ミンの孤独な気持ちが伝わってきて、ストレートに感動できる。ミンを引き取ってくれたジェスも、彼女のところへ突然あらわれミンを不安にさせたトビーも、いい人であるという前に、辛い体験から人の痛みをわかる人たちだった。結末は安心できた、いい作品だと思う。
読了日:3月26日 著者:ジーン・リトル
ブリギーダの猫ブリギーダの猫感想
わずか6歳の娘に、戦争という惨い爪あとを見せた父。ユダヤの人々を次々と救いだしていこうとするヘレナの父親には感嘆します。戦争という名の現実が、純真無垢な子どもの目にどのように見えたのか…。それが時に幻想を交えた、現実を元にした世界にまざまざと描き出されています。図書館で偶然、手にとり知った本…私も何かに導かれているのかも、と思いました。様々なユダヤをテーマにした物語が浮かびます。
読了日:3月26日 著者:ヨアンナ ルドニャンスカ
バーティミアス ソロモンの指輪〈2〉ヤモリ編バーティミアス ソロモンの指輪〈2〉ヤモリ編感想
ますます目が離せない感じ! バーティミアスとアズマイラの死をかけた道行きは如何に!? 女王様の命を実行するアズマイラに、奴隷じゃないかと指摘するバーティミアス、小気味よい。
読了日:3月30日 著者:ジョナサン ストラウド
マスカレード・ホテルマスカレード・ホテル感想
まさにマスカレード! ホテルって、すごいなぁと思いました。事件の実際よりは、ホテルという華麗なる空間で起こる出来事に驚いてしまいます。トリックとか真相とかどうでもよくなっちゃいます。ホテルの敷地内では、お客様を絶対守りとおす、なんて! そんな高級ホテルに泊まってみたいものですね。“物”もですが、最高の“人”がいるホテルに。
読了日:4月1日 著者:東野 圭吾
ササフラス・スプリングスの七不思議 (児童図書館・文学の部屋)ササフラス・スプリングスの七不思議 (児童図書館・文学の部屋)感想
世界の七不思議に憧れるエベン少年は、ちっぽけな自分の町ササフラス・スプリングスを出て、外の世界にあるものを見に行きたがっていた。そこまではありふれた夢物語。彼の父親がこの町で七つの不思議を発見したら、汽車の切符を買ってあげようと提案するのが面白い。エベンの見つけた〈不思議〉はみな小さな、ささやかなものばかりだが、それゆえにいっそう心に残る気がした。遠くにある大きなものばかりに目を向けるのではなく、身近なところに意外なものがひそんでいるかもしれない… そう思わせてくれるのは素敵。とてもよい本だとは思うけれど
読了日:4月3日 著者:ベティ・G. バーニィ
なかないで、毒きのこちゃん―森のむすめカテジナのはなしなかないで、毒きのこちゃん―森のむすめカテジナのはなし感想
なんというか、ちょっと哲学的な匂いのするお話でした。見知らぬチェコの森が、少女カテジナの回りでそっと息づいている気がしました。色鮮やかな挿絵もいい。子どもはもちろんですが、大人の女性におすすめしたい…。豊かな自然の中で遊ぶカテジナの言葉の数々には、目を開かされる気持ちになりますね。なかなか深い内容を含んでいると思いました。
読了日:4月3日 著者:デイジー ムラースコヴァー
たまごを持つようにたまごを持つように感想
弓道というのは、あまり馴染みがなくて今まで知らなかった世界だが、この作品を読んで興味が湧いてきてしまった。
主人公の少女と周りの先輩や同級生の子ら、それぞれの弓道との関わり合いが淡々と丁寧に描かれていて好感が持てる。握卵といい、弓の飛んでいく音とともに心まで飛び出していく感覚といい、弓道はスポーツに違いないが、武道でもあるわけで。精神的なものが左右する競技なんだなと思った。最後はまた清々しい終わり方で、この作者の本は読んだのは二回目になるけれど、なかなかいいものを書く作家さんだなと。今後とも要チェック!
読了日:4月7日 著者:まはら 三桃
バーティミアス ソロモンの指輪〈3〉スナネコ編バーティミアス ソロモンの指輪〈3〉スナネコ編感想
3巻はさすがに内容濃く、あっという間に読んでしまった。まぁ私にしては、だけどね。ソロモン王との対峙のシーンはどきどき…手に汗握る展開だった。もう楽しかった! またぜひ別の話を読んでみたいな。
読了日:4月9日 著者:ジョナサン ストラウド
感動が子どもを変える―ある小学校での読みきかせ実践感動が子どもを変える―ある小学校での読みきかせ実践感想
刊行は十年前と少し古いが、内容的にはよかった。当時としては、最善のものだったのだろう。ある、女性校長の読みきかせ実践記録。やはり上に立つ人の理解と力量によって図書館活動は大きく変わってくるのだな。うちの小学校の校長に読んでもらいたいくらいだ。時代は違えども、学校を取り巻く、教師や保護者、地域のボランティアといった人々の熱意によるものなのだろうと思いつつ、でも熱意だけでは成し遂げられないこともあるんだよなと思った。この本の例では、教師たちで読みきかせを始め、暗かった図書室を整備し蘇らせ、また読みきかせの環を
読了日:4月15日 著者:村上 淳子
ぼくがきょうりゅうだったとき (こどもえほんランド)ぼくがきょうりゅうだったとき (こどもえほんランド)感想
今年の課題図書になったので読んでみました。きょうりゅうの着ぐるみパジャマをきたぼくが公園のトンネルから、恐竜の島へ… 想像力あふれたお話でした。絵もほのぼのする感じ。恐竜の島の様子とか細かいところまで楽しめます。ティラノ泳ぐのか!?とは思いましたけど。 確かに『かいじゅうたちのいるところ』連想しました。
読了日:4月21日 著者:松岡達英
わたしのひかり (児童図書館・絵本の部屋)わたしのひかり (児童図書館・絵本の部屋)感想
これも今年の課題図書。太陽の光がどうやって電気になり、私たちの生活に使われているか、美しい絵とわかりやすい文章で描いています。絵本だけど、内容的には高学年向きなのかも。巻末にこの絵本について、という解説が載っていますが、いろいろなことに触れられていてこれだけでも読む価値があります。絵本として読み聞かせするなら、内容の詳しい説明や関連する本が必要になるかもしれませんね。
読了日:4月21日 著者:モリー バング
ジェンナ 奇跡を生きる少女 (SUPER!YA)ジェンナ 奇跡を生きる少女 (SUPER!YA)感想
重たい内容でしたが、読ませます。人間とは何なのか?根源にまで考えが及びそうなほど。YAシリーズとしてだけでなく、一般の方もご一読を。
読了日:4月24日 著者:メアリ・E. ピアソン
真夏の方程式真夏の方程式感想
東野さんの本にしてはちょっと時間がかかりました。恭平くんはよかったですね…湯川教授と出会えて。この後の彼の人生がどうなるのか、気になります。過去に起こった殺人事件の真相に関しては、動機がいまいちぴんとこなかった。もう少し当時の様子とか書き込みがあれば、理解できたかもしれませんが…。
読了日:4月30日 著者:東野 圭吾
またおいでまたおいで感想
課題図書低学年の部。まぁ特別何も言うことはないけれど。誰でもこんな体験したことはあるでしょうね。ここは素直に読むのがよろしいでしょう。純真な幼心を思い出してね…。
読了日:5月1日 著者:もりやま みやこ
心の森 (ハートウォームブックス)心の森 (ハートウォームブックス)感想
課題図書高学年の部。誰でも心の中に森を持っている。その森にはどんな花が咲き、どんな動物が遊び、どんな風が吹いているだろうか… 小学六年生の響が父の転勤に伴って、訪れたアメリカで出会ったのは、お菓子の家に住んでいる、心優しい森の妖精デイジーだった。少し、ふわふわと、想像の森を歩いているような心地がした。短い話だけれど、うまくまとまっていた。
読了日:5月1日 著者:小手鞠 るい
カモのきょうだいクリとゴマカモのきょうだいクリとゴマ感想
課題図書中学年の部。かわいいカモの兄弟クリとゴマのお話。ノンフィクションだけど、卵から孵って、ヒナになり、だんだん大きくなって、最後に野生に帰るまで…のひとつの物語を読んだよう。写真とイラストがかわいい。子どもたちも絶対気に入るだろうな。
読了日:5月1日 著者:なかがわ ちひろ
ワンス・アホな・タイムワンス・アホな・タイム感想
ちょっとアホな人びとが巻き起こす、むかしむかし…の物語集。どこかで聞いた昔馴染みのお話にちょいとスパイスふりかけて〜。変わり身探して眠れる姫に、銅でしたの若者に、ふたごのきみに呪われた妹姫に、きちょうめん王子と王さまに、魔法にかけられたふたごの王子たちに… などなどお伽話の面々にピリリと効いた風刺話。ぷぷっと吹き出すことしばし。… いや最後の話で口直し。会いに行くよと木霊にのせて、少年の真心、伝えられゆく。
読了日:5月3日 著者:安東 みきえ
星やどりの声星やどりの声感想
絵に描いたような、完璧な家族の姿ながら、それは感動というひとつの言葉に値するものだったろう。星やどりの小空のもと、母を筆頭に、6人兄弟の輪で完結していた家族の繋がり。これからはまた違った形で、遥か遠い未来にまで繋いでいけたらなぁと思う。
時々、意味の通らない文章に遭遇したようにも思うが、作者の言葉をつないでひとつのものを描いていく感性は素敵だと思う。とくに、海の描写が詩のような言葉をつらねていて、印象的だった。まるで、海そのものが1人の登場人物のように思えた。星、空、海、風、光、人々の日々の営み。それら
読了日:5月6日 著者:朝井 リョウ
ミラーストーン―ふしぎな鏡ミラーストーン―ふしぎな鏡感想
刊行は古いが、アラン・リーの絵は素晴らしい! ストーリーがちと尻すぼみのような気がしたが。さんざ冒険して、無事に帰ってこられるのはいいことです。
読了日:5月6日 著者:マイケル パリン,リチャード シーモア
としょかんねこデューイとしょかんねこデューイ感想
もとになった本のほうはまだ読んでなかったけど、絵本はかわいかったですね〜 私も訳がちょっとぎこちないと思いました。本も読んでみたい!どうして図書館のブックポストに捨てられていた猫がデューイと名付けられたかについては、絵本では説明もないんですね。
読了日:5月6日 著者:ヴィッキー・マイロン,ブレット・ウィター,スティーブ・ジェイムス絵
サリーの愛する人サリーの愛する人感想
ダブリンに移って、裕福な家の子どもの家庭教師の仕事につくことになったサリー。新しい世界が彼女の前に開かれ…って思ったけれど、突然の家から送ってきた手紙が、彼女の人生をまた変えていく。サリーが最後にした選択は正しいことだったのか…わからないが、少なくとも最善の道を選んだのかな。当時のアイルランド社会のことや、イギリスとの関係などいろいろ感じさせる内容になっていて興味深いことはあったが。スコットランドに渡ったケィティの身の上に降りかかった出来事にも、当時の社会情勢などが色濃く投影されていて…。サリー自身も一つ
読了日:5月12日 著者:エリザベス・オハラ
サクラ咲く (BOOK WITH YOU)サクラ咲く (BOOK WITH YOU)感想
中学生向けといえど、私は面白く読めた。とくに最後の話がよかったと思う。学校が自分とは別のところで回っているかのように思っていた彼が、最後あんなふうに思えるようになってよかった。最初の話から始まって、三編それぞれがちょっとずつ繋がっているのを発見する喜びも。表題作にもなった「サクラ咲く」もジュヴナイルながら胸がじーんとなる瞬間があり、いいものだなと。本の間に、メモをはさんで文通っていうのはすごくわくわくして魅力的だけど、もしもこの本を実際、中学校に入れて真似する生徒が出てきたらどうしよう!とちょっと思った。
読了日:5月17日 著者:辻村 深月
無菌病棟より愛をこめて無菌病棟より愛をこめて感想
『七人の敵がいる!』以降、ずっと本が出ていなかったので気になっていたが、まさかこんなこととは。白血病というあまりにレアな病名に旦那さんと一緒にドラマじゃあるまいしと冗談に笑いながらも、始まった治療と苦難の日々… 闘病記といえば重苦しいものと思われがちだが、加納さんは時にユニークに読んだマンガや、テレビで見た話題など交えながら、様々なことを病状とともに語られた。病気になってお辛いだろうに決して弱気になることなく、前向きに病についての情報を集めたり、朝の運動を欠かさなかったり、食欲がなくても何か口にするとか…
読了日:5月20日 著者:加納 朋子
三匹のおっさん ふたたび三匹のおっさん ふたたび感想
前作からずいぶん経つので、ちょっと忘れていた・・・。けど、面白さは変わりなかったね!いろいろ身につまされることが描いてあって。書店の万引きとか、ゴミのポイ捨てとか、理不尽な悪に立ち向かう!三匹、相変わらず熱いですね。折りしも東京スカイツリーのニュースで勝手にゴミを捨てていく観光客のすがたを見て、三匹みたいな人に夜回り隊で巡回してほしい!って思ってしまった。あと祐希と早苗ちゃんのカップルな話なども楽しかった。いつ貴子さんは気がつくのかな?貴子さんもパート頑張ってほしいな、と思った。続編?十分ありそう〜