サークル・オブ・マジック
- 作者: デブラ・ドイル&ジェイムズ・D・マクドナルド,武者圭子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/07/21
- メディア: 単行本
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シリーズ4冊目です。印象は2巻と似たような感じでした。
同じく、二つの話が入ってます。
「魔法学校再来」
ウィルフリードという少年が、宮廷魔法使いのランドルのもとへ魔法を学びにやってきた。
ある夜、自分の息子に魔法を学ばせなければならない、という夢を見た男爵。
それを信じて魔法学校へやったのだが、成績不振ということで送り返されてきてしまったのだ。
藁にすがる思いでランドルに頼もうとしたのだったが、このウィルフリード少年には
何やら謎があるようす。そんなある日、ディアマンテ女王が、不吉な夢を見る。
見知らぬ男と結婚しなければならなくなった、という夢・・・
ブレスランドの危機か?と、ランドルは問題の解決に乗り出すのだったが。
最初からこの少年の志向はわかりました。ランドルは自分が同じ歳だった時のことに
縛られて見えてなかったわけですが。
魔法学校に戻ったランドルが、次々と無謀な行動にでるたびどきどき。
見当違いも甚だしい、ですが。
最後には問題がぶじ解決。よかった…
「氷の国の宮殿」
北の国で開催される歌唱コンテストに、リースは出たくてたまらなかった。
いまや宮廷のおかかえ楽士となった彼女でしたが、その美声と楽器の器量につけこんで
こようとするものがいました。
リースとランドルの旅路がまたはじまったわけですが。
氷の国が、女王の邪悪な魔法の力によって、とある状態になってしまう。
何も音のない世界・・・ 宮殿の廊下にはたくさんの氷の彫像が置いてある。
本物そっくりに造られた像。
その部分を読んだとき、まさかと思ったが、やっぱりそうでした。
女王が図書館にて、次々とファイルからディスクを取り出すように、音をだしてみせる場面がよかったかな。
光が渦を巻いてそれが小さくなって下に落ちるところ。その光っていうのが、まるでDCDソフトを開いてるみたいに感じてしまったのでした。
氷の国でひとりきりで、図書館に集めたコレクションの音を聞いている女王。
どこか冷たく、寂しい気がします。
アンデルセンの「雪の女王」を思い出すような気がしました。
全体として、小粒な印象をうけました。
二つに分かれていたせいかもしれませんが…。
話的にも何か予想がついてしまうような。
それでも割りとすらすらと読めたのは、やっぱりこの作品がおもしろい、ということなんでしょうか。
あと、ランドルは18歳になったそうですが、この年頃にしては老成している感じ。
魔法使いだから、ということなのかな。
思春期にありがちなあれこれの描写が全くないので、その点はちょっと不満です。
子どもが読むには十分楽しく、読みやすい話になっていると思います。