ながれているのは「優しい音楽」


優しい音楽

優しい音楽

これは、今まで読んだ瀬尾さんの本のなかで、いちばんよかったと思います。
三編のお話が入っていますが、それぞれ心がほんわかしてきそうな、心地のよいお話でした。


ストーリーは三編ともあってないようなもんだけど。
ごくごくありふれた日常生活のなかで、ふとしたことでおこったあったかい出来事。
それぞれ、こんなことがあったよ、人に話してみたくなること請け合いの話でした。


「優しい音楽」というタイトルと同じで、でてくる登場人物みんなが優しい心根をもった人たちのようで。
そのへんでもよかったです。

もう何の違和感もなく、するっと読み終わってしまいました。ほぼ半日で…。
どれがいちばん、とはとてもじゃないけど言い切れないです。


私だけの希望なんですが、瀬尾さんにはこれからもこんな、心がほんのりするようなお話を書き続けていってほしいです。
それは、厳しい現実や重たい出来事ってのも、たまにはいいかもしれませんが。
肩肘はらず、ゆったりした気分で読むのがよいんじゃないかな、って思いました。
全編にながれているのは、まさに「優しい音楽」。読者はそれに耳を傾けていればそれでいい、と。
そういうことですね。