大海赫「ビビを見た!」
- 作者: 大海赫
- 出版社/メーカー: ブッキング
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 単行本
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やっと大海赫(おおうみあかし)さんの本を読むことができました。図書館にリクエストしたんですが、結局入れてくれることはなくって、県立図書館から回ってきました。なぁんだ、入れてはくれないんだ、とちょっとがっかり。でも実物をみたら、それもそうなのかも、とちょっと思ってしまいました。
やっぱりマニアックだったかも? 装丁から何からして・・・一般受けはしないのかも。私だって知らなければ、本棚に並んでたとしても、手を出してたかどうか?挿し絵も不気味だし、話の内容も、でした。
何より、突然、声がするところが怖い。あれが何なのか結局、なにも説明とかなかったけれど。ちっちゃな人間なんかにゃ及ばない、絶対的な存在っていう気がします。
そして、突然目が見えるようになったホタルが、目が見えなくなったお母さんの手をひいて、街にでていったときのようす。男たちが並んで手をつないで、おそるおそる道を歩いてくるようすだとか、電車にのったはいいけれどだんだんパニくっていく女性たちだとか・・・実際を見ると何とも怖い世界でした。これで児童書なの?という驚きがあります。人もバタバタ死んでいくし。
それから、これがいちばん重要なんですけど、あのビビっていう女の子と、追っかけてきた大男って???? いったい何もんなんでしょーね?想像もつきませんが、最後に予告された時間がきちゃったときに、ふたりとも消えてしまったとかあったから。
これはやっぱり、ホタルだけに見えていた、幻のようなもの?ひょっとしたら、人間にいつかやってくる死の象徴なのかもなあ、なんて作者のあとがきを読みながら思ったりもしました。
たしかに面白いけど、私はどうかなあ? このあとも何かリクエストする気になるかどうか・・・。解説でよしもとばななさんが絶賛なさってますが、私はそこまで手放しに受け入れられないな。
これを公園で読んだ私ですが、横から長男が覗き込んでました。イモムシの形をした電車を見て、でした。長男が読んだら、どうなのかな?ともちょっとだけ思いました。怖いと感じるのかな、やっぱり。まだ貸し出し期間が残ってるので、ちょっと薦めてみようかしら?