古典部シリーズ 「愚者のエンドロール」


愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)


続けてシリーズの第二弾も読みました。私はこちらのほうが前のより、面白いと感じました。続けてシリーズの第二弾も読みました。私はこちらのほうが前のより、面白いと感じました。謎そのものは前と同じ、日常の謎ミステリなのですが。

文化祭に出展するクラス製作の自主映画を見て、その続きを推理するハメになった奉太郎たち。“探偵役”ということで指定された人物に会ってその推理を聞くのだが… 最後に奉太郎が選び出した結末は…!?

冒頭にいきなり、館の見取り図が出てきて、おおっ!!と思ってしまいました。館もの、でしょうか(一応?)
ミステリのなかでは代表的ジャンル?
私はこういう推理をああでもない、こうでもないといろいろ考えるのが面倒なので、ひたすら雰囲気のみを楽しむという読書をしてきましたが。それでも館の見取り図はいいです。ちょっとドキドキします。

繰り広げられる推理にも、密室ものとか、物理的トリックとか、心理トリックとか、叙述トリックだとかいろいろ出てきて、かなりマニアックな、ミステリ好きな人にとったらツボな話なのかもしれない。
自分で何か考えて推理する、というのが苦手なので、私はふぅ〜ん、・・・と完全に傍観者ですが。あれこれ意見が飛び交うのを読んでるだけで楽しいです。

奉太郎が考えたラストは、全く予想もしなかったです。それだけに最後の逆転には驚かされました。
タイトルの「愚者のエンドロール」という意味。やっとわかりました。

最初と最後に、PCのチャットログが出てきますが、最後になってやっとわかりました。二重に面白かった。発言者のHNとその発言の内容をみてると、それがだれなのかわかるようになってました。とくに「あ・た・し♪」のヒト!かなりいい性格してますねー(笑)。

あと本作にも、高校生らしからぬ人物が出てきます。なかでも2年生の入須冬実。高校生というか、あまり女性を意識しないような会話をするんですね。茶を飲むといって、比喩じゃなくほんとに日本茶が飲める店に連れていくとかいうところも。男言葉で話すところなんかが、ちょっと某人物を思い出しました。ライトノベル的なのかな?


あの脚本の子も、その心がまたよかった。ミステリじゃありえないことなのかもしれないけど。気持ちわかる気がしますね。そして、それはLさんもそうだったわけでして。
ほんわかした、よい読後感になりました。

続けて第三弾、行きます〜。