「エル 11」高橋美由紀

エル 11 (ボニータコミックス)

エル 11 (ボニータコミックス)

マンガ本です。「海を守護する者・エルと人間とが織りなす珠玉の名作」ということですが。

以前はずっと読んでいたのに、いつの間にか読むのをやめていました。でもこのシリーズ自体、あまり出ていなかったようで。結局、私が買わなかったのはこれの前の巻のようでした。(今度買って読んでみよう)
帯には感動のマリンファンタジーと銘打ってあります。

海を自然を守る存在・・・銀髪、青い目をしたエルは、海を守る者(竜?)の父と人間の母(フランス貴族)との間に生まれました。

人間と海とのはざまにいながら、海を自然を守っていく存在として人間たちと関わっていくというストーリー(いい加減です)。
毎回違う話が入っているので、私のように数年のブランクがあっても、もちろん初めて読んでも楽しめます。

今回収録の「生命の大地」は、作者以前から構想していたという話だけに、力が入ってますね。
第二次世界大戦中の話。ユダヤ人ということで、ナチスの手がおよび、海辺の小村に隠れひそむ父子がでてきます。こういった実際の歴史に絡められた話はより現実味が増してきて。自然をたいせつにしなきゃならないな、とか思ったり、すべてを犠牲にしてでも自分たちが生きる世界を残すことを選択した少年の気持ちとか考えたり。

他の3編もそれぞれよかったです。

大巨編という感じではないけれど、ハートフルストーリーをお好みの方に。肩に力をいれずにさらっと読めるところがいいと思います。