「ウィルンキンズの歯と呪いの魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

ウィルキンズの歯と呪いの魔法 (ハリネズミの本箱)

ウィルキンズの歯と呪いの魔法 (ハリネズミの本箱)

やっとこれを読むことができました。私にとっては、久々のDWJです。

ジョーンズさんが2作目にして、初めて子どもに向けて書いた本、ということですが。みごとにその後のジョーンズさんの書くファンタジー本の傾向を網羅していますね。
まさに、これぞDWJという感じ。

おこづかいをとめられてしまって困っている、ジェスとフランクのきょうだいが、苦肉の策で考えたのは〈仕返し有限会社〉。誰かの仕返しをしておこづかいを稼ごう、というものでした。でもこれが、始めたはいいけれど全然、うまく行かなくて。来るお客みんな、おかしな依頼ばかり。
そのひとつが、「ウィルキンズの歯を1本とってこい」というものでした。

これがきっかけとなって、ジェス、フランクのきょうだいは魔女だというある変わった人物とかかわりを持つことになり・・・それがトラブルへと発展していく。


もう、読んでいて、ころころと話がこっちの方向からあっちの方向へところがって、読者は困惑するばかり。
私も、わかっていたものの久しぶりのジョーンズ節に圧倒されました。これぞ、頭がわやくちゃになる、という感覚です。

まだ最初の頃の作品ということもあって、その後の作品と比べてしまうと・・・というところはあったでしょうけど。
楽しんで読めました。

魔女というのが、ちょっと『マライアおばさん』を彷彿とさせるところありました。
マライアおばさん
マライアおばさんほど怖くはなかったですけど。ラストはちょっとあっけなかったかなあ。
めでたしめでたし大団円で終わるところも、またラスト近くになってやっと物語の全貌が見えてくるというのも、またDWJらしいですね。

すべてにおいて、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだ!という気がしました。ジョーンズさんの本を初めて読まれる方、これから始めるというのもいいかもしれませんね。