「ウィルンキンズの歯と呪いの魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- 作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,佐竹美保,Diana Wynne Jones,原島文世
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/03/31
- メディア: 単行本
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やっとこれを読むことができました。私にとっては、久々のDWJです。
ジョーンズさんが2作目にして、初めて子どもに向けて書いた本、ということですが。みごとにその後のジョーンズさんの書くファンタジー本の傾向を網羅していますね。
まさに、これぞDWJという感じ。
おこづかいをとめられてしまって困っている、ジェスとフランクのきょうだいが、苦肉の策で考えたのは〈仕返し有限会社〉。誰かの仕返しをしておこづかいを稼ごう、というものでした。でもこれが、始めたはいいけれど全然、うまく行かなくて。来るお客みんな、おかしな依頼ばかり。
そのひとつが、「ウィルキンズの歯を1本とってこい」というものでした。
これがきっかけとなって、ジェス、フランクのきょうだいは魔女だというある変わった人物とかかわりを持つことになり・・・それがトラブルへと発展していく。
もう、読んでいて、ころころと話がこっちの方向からあっちの方向へところがって、読者は困惑するばかり。
私も、わかっていたものの久しぶりのジョーンズ節に圧倒されました。これぞ、頭がわやくちゃになる、という感覚です。
まだ最初の頃の作品ということもあって、その後の作品と比べてしまうと・・・というところはあったでしょうけど。
楽しんで読めました。
魔女というのが、ちょっと『マライアおばさん』を彷彿とさせるところありました。
マライアおばさんほど怖くはなかったですけど。ラストはちょっとあっけなかったかなあ。
めでたしめでたし大団円で終わるところも、またラスト近くになってやっと物語の全貌が見えてくるというのも、またDWJらしいですね。
すべてにおいて、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだ!という気がしました。ジョーンズさんの本を初めて読まれる方、これから始めるというのもいいかもしれませんね。