『カーリー 〜黄金の尖塔の国とあひると小公女〜』高殿円
カーリー ~黄金の尖塔の国とあひると小公女~ (ファミ通文庫)
- 作者: 高殿円,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/03/30
- メディア: 文庫
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このところ、長い話ばかり読んでいたので、短くて気軽に読めるものを選んでみました。
「 ヴィクトリア王朝時代の面影薫る英国領・インド。14歳だったわたしは、祖国イギリスを離れ、“国王の王冠にはめられた最大の宝石”と謳われた東洋の地で、一人の少女と出会う。オニキスの瞳に神秘的な雰囲気をあわせもつ彼女の名前はカーリー。彼女は、遠い異国の値で出会った、わたしの運命そのものだった――! 」
あらすじ紹介を引用してみました。
どうでしょう?何か面白そうだと思われません?
私はそう思いました。何より、ヴィクトリア朝というものにちょっとした憧れを抱いていたりしたものですから。
森薫さんのマンガ『エマ』や、コニー・ウィリスのSF小説やなにかから、ね。
帯にヴィクトリアン・ラブストーリーなどと書かれてあったものだから、いったいどんな話なのだろうと。
そう思って読みましたから、途中からの展開にはビックリでした。
主人公の少女がインドの花嫁学校に転入! おっかない先生がいたり、ライバルに(?)縦ロールの赤毛少女が登場したり、女学校ものとしてはお約束?真夜中のお茶会があったり・・・
だから、途中で路線を変えてしまったのか?と思ったほど、けっこう濃い内容に驚いたのでした。
まぁ時代(第二次世界大戦前)から言えば、当然なのかもしれないけど。
まさかこんなふうになるとは思わず、ぬわにぃ!!って感じでした。
でも面白かったです。ライトノベルだなあとは思いましたが。文章も読みやすいし、だれることもなく一気に読ませるものを持っていますね。
イラストもかわいいですね。まず表紙にインパクトもっていかれました。
副題は、この話の内容をよく象徴してます。
まさに、そういう話でした。女学校の風景などは、やはりセーラ・クルーを思い出しますね。真夜中のお茶会と来た日には。
もう少し、彼女たちの学校生活をのぞいてみたい気がします。時代が時代ですから、続くのかどうか、わかりませんけど。主人公の少女がいつカーリーの正体に気づくのか?それも楽しみだったり。
ラブ・ストーリーと書かれてはいるけど、普通の恋愛話に発展していくとも思われないし、どうなるのかこれからも見守っていこうと思います。