「シュミじゃないんだ」三浦しをん

シュミじゃないんだ

シュミじゃないんだ

しをんさんエッセイ、久々に読みました。っていうよりしおんさんじたいがお久しぶりな私ですけど。
でもこの内容はよかったです。
しをんさんの好きな世界を、十二分に紹介してくださいました。
何より、その文章がいいんです。好きなBL漫画のストーリーを魅力たっぷりに書いてくれて。

私はBLは多少読んだ経験はあって、決して嫌いじゃなかったです。だけど、しをんさんのエッセイを読むと、まだまだだったのだなあ!と痛感しました。

私が読んでたのはおもに小説のみでしたし。漫画というとちょっと引いてしまうと思ってました。
でもしをんさんの愛ある文章を読んでるうちに、すっかり洗脳されてしまったようです(笑)。本を読み終わった私は、近所の古本屋にやもたてもたまらず、買いに走っていました。

これを読んだ人は今までBLを読んだ経験のあるなしに関わらず、本屋or古本屋さんに駆け込んでいる模様です(笑)。
少なくとも、ちょっと見たみたい、と思うのではないでしょうか。しをんさんの文を読んでると何かBL漫画を読まなくちゃ勿体無いようなそんな気分にかられます。

章ごとに、テーマを決めてそれにあったBL漫画を紹介。
全18章あって、結構な分量でした。しをんさんの蔵書、ちょっと見てみたいですよね。
何かBLって何でもありの世界だったんだ〜と目からウロコでした。

そしてこのエッセイが、しをんさんがまだ古本屋でバイトをしていた頃から始まっていること。これがけっこうすごいなと思います。時の流れを感じます。

連載途中まで、イラストを描かれていた漫画家のあとり硅子さんのサイレントマンガがとっても可愛らしくって、よかったです。しをんさんの文章があって、その傍らにあとりさんの漫画がひっそりと置いてある・・・このバランスがよかった。

惜しくもあとりさんはご病気で、連載終了を待たずに、夭折されてしまいましたが(涙)。あとがきでしをんさんも書いておられましたが、本当に、丁寧に丁寧に描いてくださっていたんでしょうね。合掌。

巻末にしをんさんの実作「夏の思い出」が収録されているのは、ご愛嬌?というところ。気持ちはわかりますけどね。
加齢臭のある松浦センセイ〜!! ジジイ好きなしをんさんの愛の結晶なんでしょうか(爆)