「天王船」宇月原晴明


天王船 (中公文庫)

天王船 (中公文庫)


これは初めて読んだ作家さんです。帯に、「少年信長に迫る異形の白刃」とか書かれてあって、これは何?って感じですが。短編集で、4つの短編が収録されています。
松永久秀斎藤道三を暗殺秘術の兄弟弟子とし戦国を異形の活躍で彩った『黎明に叛くもの』外伝四篇を収録」ってことらしいです。
『黎明に叛くもの』を読んでないから、わからないかもと思ったけど、単独の話なのでそうでもなかった気がします。


でも私って、日本史大の苦手だったんですよね。
だから歴史上の人物といっても、本音をいえばチンプンカンプン。無教養なのです。こんな私が何を血迷って読んでしまったのか?未だによくわかりません。
なので、説明的な部分はほとんど斜め読みでした。
あまり深く考えることなく、読み流したと言う感じ。
ストーリーのみ追っかけて読んでた、という… 恐ろしく間違った読み方かもしれないけど。


最後のマルコ・ポーロの『東方見聞録』を模した話はわりと面白かったです。マルコ・ポーロは学生時代に好きで、本を読んだりもしてたし(アニメも見てた!)。
フビライ・ハーンと暗殺教団と自動人形がでてくる話。
なんて言い方は乱暴すぎるでしょうが。


歴史小説というよりは、伝奇小説といったほうがより近いでしょうが。やはり歴史そのものを知っていたほうが楽しめる作品でした。なので、私にはちょっと太刀打ちできなかった感がありました。おそらく詳しい方だったらもっと楽しめたでしょう。


なにせ「天王船」(てんのうぶね)というのを、「てんのうせん」と読むのだと思った私。これは宇宙船みたいなノリで、あやしいSFもどきな話なのではないか?と勝手に想像していました。
まったく違っていました。自分の馬鹿さ加減に笑ってしまった次第です。