「剣嵐の大地 1・2・3巻」〈氷と炎の歌3〉ジョージ・R・R・マーティン

剣嵐の大地〈1〉 (氷と炎の歌 (3))

剣嵐の大地〈1〉 (氷と炎の歌 (3))

剣嵐の大地〈2〉 (氷と炎の歌 3)

剣嵐の大地〈2〉 (氷と炎の歌 3)

剣嵐の大地 3 (氷と炎の歌 3)

剣嵐の大地 3 (氷と炎の歌 3)


氷と炎の歌、第三部です。全三冊とまた長いのですが、これだけの長さにもかかわらず、全く飽きるということがありませんでした。読んだ時間はかかってますが、もう読んでも読んでも先が見えない展開で、毎日これにかかりきりでした。

前作での王都決戦から一段落ついて、その後の各地のようすはまだまだ戦乱の世で、七王国に生きるさまざまな人々へ過酷な運命が次々ふりかかります。
今回からは前と違った視点人物が出てきています。
ジェイムです。レディケイトリンによって、リヴァーランを脱出したジェイム。タースのブリエンヌとともに王都キングズランディングをめざす彼らの旅は目が離せませんでした。
とくに騎士だったジェイムの身にふりかかった事態には、唖然としました。まさかこんなことが!という感じでした。


王都では、ますますやりたい放題になってきた少年王の回りで、また新たな展開が見られます。
スターク家の長女サンサの運命もまた苛酷。というか、哀れでした。サンサもかわいそうかもしれないけれど、私はやっぱりあの人が気の毒で。(2巻の表紙を飾ったあの人です)
あのように生まれついてしまったことには彼には何の罪もないのにね。

後半で起こった大事件の犯人として、投獄、裁判とまた運命の変転をえた彼でしたが。
己の罪状を告白せよといわれ、彼が言いはなった言葉。
なんとも胸が痛かった。


痛いといえば。
これより前の出来事になるわけですが。
善戦をくりかえしていたロブ。彼は一度も視点人物に選ばれることもなく・・・ ずっと勝者だと思っていたのに。
彼だけは大丈夫だと思っていたのに。
私の勝手な想像は打ち砕かれました。幻想ともいってよかったかもしれない。北の王と名乗っていても、所詮は16歳の少年に過ぎなかったのですね。王にあるまじき選択をしていまった彼。そのことが原因で起こってしまった悲劇。
たとえようもなく痛かったです。


そしてまた。
壁の外でも、大いなる戦いが繰り広げられていました。
野生人の仲間として加わったジョン・スノウは、野生人の女イグレッテに心惹かれていきます。けれど彼はやっぱりナイツウォッチだった・・・その選択が痛いです。


七王国を守るように聳えている壁。日の光があたると、まるで涙をながしているように濡れてかがやくその壁で。
繰り広げられた望みのない戦い。いったいどうなるかと思いましたが。こうくるとは〜 って感じです。
スタンニス、やってくれるじゃないの!と。
ここだけは希望の星を見る思いでした。ダヴォスの説得が効いたのでしょうか。彼のすがたは見えなかったけれど…


ほか気になることがいっぱいです。
ブランたちのその後もどうなったのか!? 早く知りたい。
あの謎の人物って、まるで・・・・とまたしても想像をたくましくさせてしまいますが。


去年の12月からずっとこのシリーズを読んでいて、読んでも読んでも先がある、という思いをしてきましたが、もう先がありません。次に翻訳されるまで、いったいどのくらいかかるのやら。あまり長いこと待たせてくれないでいるといいのですが。