「ファンタジーのDNA」荻原規子

ファンタジーのDNA

ファンタジーのDNA

ファンタジーについてのあれこれを、著者の荻原さんがウェブでエッセイ「もうひとつの空の飛び方」を書かれていましたが、この本はその書籍化です。
一部、書下ろしがあったり、他のところで書かれていた文章を収録したり、とありましたが、大部分はウェブで更新されていたものと同じだそうです。

私も時々、ウェブで読ませていただいていました。
全部ではないけど、興味のあるところだけ。とくにナルニアに関する話が面白かった気がします。

本では、荻原さんの幼少の頃からはじまって、大学で児童書の研究会に入った経験や、またデビュー作『空色勾玉』ができるきっかけなど、読みやすく親しみやすい文章で楽しく書かれています。

ファンタジーに限らず、懐かしい児童書のタイトルが次々でてきて、それだけでも本を手に取った甲斐がありました。


そして、最後のほうで書かれていた文章・・・ ファンタジーのようなフィクションが好んで読まれる動機とは、「世界と自分に関係性があるという感覚を味わうため」という・・・それがとても印象に残っています。

まさにそのとおりでしょう。
世界と自分、という係わり合いのなかに、すぐれたファンタジーがあるように思えます。

荻原さんにはこれからも、すばらしいファンタジー作品を生み出していってほしいです。


私もまだ読んでないファンタジー作品の開拓にこれからも励んできたいです。