「小説以外」恩田陸


小説以外

小説以外

これは恩田陸の小説以外のエッセイを集めたもの。いわば恩田陸の集大成、って感じの本でした。
でもこれを読むといかに恩田さんが本を読むのが好きかわかって、何だかとっても嬉しかったです。
普通、作家の方は書くのに忙しく、資料用の本以外で純粋に楽しんで読むという行為をされないような気がするのですが。
恩田さんは違いますね。心底本が好きで好きでたまらない、ってのが伝わってきます。
本当に、これだけ読んで、あれだけ書けるなんて!
と、驚嘆するばかりです。私も見習って、書くことはムリでもせめて読むことくらいはもうちょっと頑張りたいなあ、なんて思いますね。きっと足元にもよれないでしょうけれど。

ほんと、これを読むと、いっぱい読みたい本がでてきてしまって、困ります。

あちこちの本の解説だのが載っているのがまた面白かった。なかでも、コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』の解説(というかあとがきみたいなの)は記憶に残ってます。恩田さんと同じ本が好きでよかったぁ〜なんてミーハー心もあったりしてね。


ほか読みたくなった本は・・・

キングとか・・・ 私はあまり読んだことがない作家さんだったので、あらためて読みたい!と思いました。
あと恩田さんが敬愛するという作家、クリスチアナ・ブランドの『緑は危険』とか。クリスティーの怖さも堪能してみたいです。

それと恩田さん版「架空長編アンソロジー」!!
これは読みたい、と強力に思いましたです。

恩田陸版《架空長編アンソロジー
第一巻 『料理人』ハリー・クレッシング
第二巻 『地に火を放つ者』三田誠広
第三巻 『リプレイ』ケン・グリムウッド
第四巻 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』リチャード・アダムス
第五巻 『地獄の家』リチャード・マシスン
第六巻 『香水』パトリック・ジュースキント
第七巻 『傭兵ピエール』佐藤賢一
第八巻 『透明人間の告白』H・F・セイント
第九巻 『神無き月十番目の夜』飯嶋和一
第十巻 『蟻』ベルナール・ウェルベル

このなかで確実に読んでるのは、第三巻の『リプレイ』だけです。あとは名前を知っている程度だったり。または全く未知の作家だったり。
第六巻の『香水』はちょうど最近、買ったばかりなのでぜひ読みたいと思ってます。

こういうアンソロジーを嬉々としてえらんでる恩田さん、かなりいいですねぇ。ほんとに本好きさんなのねぇ、という感じで。親近感わきます。