「『恐怖の報酬』日記」恩田陸

酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記

酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記

読むのがちょっと逆になってしまいましたが、こっちが恩田陸の初のエッセイ本だったのですね。

イギリス・アイルランド旅行ということで、行き先も興味津々ってところだったんですが、いちおう旅行記ではあるけれど、その主体はというと、やっぱり飛行機嫌いの恩田さんの個人的日記、っていう印象が強かったですね。

どれほど嫌いなのかわかって、それはそれで面白かったりするんですが(酷いかも)。
まぁ私も、恩田さんほどでないにしても、初めての海外旅行でドイツに行ったときは緊張しました。
行く前はちょっと不安に陥ったりもしましたし。
万が一・・・なんてことを考えるとね。

やっぱり離陸と着陸時が一番緊張するんでしょうね。
上がってしまったあとも、しばらくは落ち着かなかったし。
やっぱり恩田さんと同じく、この床の下には何もないんだ、とか考えちゃうとたまんなくなるかも。

もうそういうのは無視してひたすら寝るか、読書するか、行き先のガイド眺めてるか、もしくは食事に期待するか・・・で、気を紛らわせるしかないですね。
恩田さんの恐怖、わかるような気がしました。


おかげで行った先の、肝心の旅行の印象がちょっと薄れたかも。もうちょっとそっちの方にページを割いてほしかった気もする。
また旅行の場面でも、急に話題が違うところに飛んでしまったりして・・・ あれれ?って感じでした。
つねに物語と切っても切れない恩田さんの気質の所以でしょうか。本の話題、自著の話題、とあっちこっちに話が飛んでましたね。


そしてつねにビールを愛する恩田さん。飲んでますねえ、あれこれのパブやらなにやらと。アルコールダメな私にはうらやましいくらいでした。
(なにせ本場ドイツの黒ビールなんて一適も飲まなかった私)
日本についてすぐ缶ビールを開けて、やっぱり日本には日本のビールが旨い!とうなるところなんか、ほんとお好きなのねぇという感じがしていいですね。


旅行記としてはちょっと物足りない部分もあったけれど、恩田さんの日記としては最高に面白かった、と思います。

そしてもう二度と飛行機には乗らない、海外旅行なんて行かないと宣言してたのに〜〜〜!!
やっぱり、行くんですか恩田さん・・・あれほど嫌がってたのに!!と突っ込みを入れてしまった私でした。(それでも行けるんだからいいよなあ、という心の声)