「友だちは無駄である」佐野洋子

友だちは無駄である (ちくま文庫)

友だちは無駄である (ちくま文庫)

初・佐野洋子さんでした。
タイトルを見て、何となく気になっていました。
「無駄である」なんて、普通はそういうふうには言いませんよね。どちらかって言えば、無駄なもんじゃない、とそういうふうにくると思うけれど。

でもこれは違いました。
友だちは本来、無駄なものなんだけど、その無駄というものがまたいいんだよね、ってことでした。簡単にいえば。

帯にも書かれてますけど、「つまらないことや無駄なことって、たくさんもっていればいるほど魅力なのよね」って、そういうことですね。


佐野洋子さんに、詩人の谷川俊太郎さんがインタヴューするという形式になってますが、というよりもたんに二人で友だちについておしゃべりしている、という印象でした。

だから、気軽に読めた、というか、すっと内容が心に入ってきた、というところがありましたね。


自分の学校時代の友だちのことなど、思い出しながら読みました。とても懐かしい気持ちになるとともに、自分はずっとそういう友だちとも継続して会ってこなかったなあ、なんてちょっと切なくなりました。
佐野さんのように、友だち欲しい!オーラを発してなかったからなぁ…。どっちかというと、谷川さんのほうに近かったかも、私。一人っ子ではないけどね。


表紙や本文中にはさまれた、ライオンの絵いいですね。味があって・・・と思いました。実は絵本もあまり興味がなくて読んだことがないという私でした。
今度、読んでみようかな。

この本は最初、ちくまプリーマーブックスから出て、その文庫化ということなんですが、本来は中高生に向けて書かれたものではあるけれど、大人にも十分、通用する内容だと思いました。

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chii > こんばんは、次の作品選びに困っていましたが、北原さんの書評を読んで、読んでみたくなりました。図書館にあるかな・・ (2007/05/13 20:46)
北原杏子 > chiiさん、こんばんは。この本はさらっと読めるけれど、けっこう鋭いところをついていると思います。図書館にあるといいですね。 (2007/05/13 20:55)