「配達あかずきん」大崎梢

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

このシリーズはずっと読んでみたくて、それとなく古本屋を探してたりするんですが、一向に見つからなくって。
偶然、図書館で見つけたんで借りてきました。

しっかり者の書店員、杏子というのにまず惹かれてしまって(笑)。同じ名前というのに親近感がわくのに加えて、憧れの職業、書店員さん!というので、すでにポイント高かったです。


初の本格書店ミステリということだそうですが。
どの話も面白かったです!
ミステリとしてでもだけど、やはり私は書店で・・・というところにインパクトがあると思うのですね。

何より一般人にはあまりなじみのない世界、であること。
本屋さんについて、その仕事についてさりげなくわかってしまいます。

具体的作業とかもですが、何よりその雰囲気といったものに惹かれてしまう。
自分も書店員になった気分で、読めてしまうような・・・というか、いいな〜なってみたかったな、と思わせられました。

もちろん仕事はすごく大変なのでしょうけど、何より自分のいちばん好きな本のそばで毎日過ごせるということ。
これ以上の喜びはないでしょう。


どの話もよいけれど、あえて選ぶならば、私は「パンダは囁く」と「六冊目のメッセージ」がとくによかったですね。

「パンダは囁く」では、えー!そこまでやるの?って感じでしたし、面白く感じました。さっそく手持ちの新潮文庫の背表紙を見たりしてね。


「六冊目のメッセージ」は、いいなぁこんなことがあったら・・・と思わせられるいいエピドードでした。
おそらく本好きの人ならわかると思いますが。おすすめの本を順番に相手に渡していくときのぞくぞく感。
そしてそれが当たったときの喜びったら!
うんうん。よーくわかります。


表題作の「配達あかずきん」も良かったですね。きっとミステリとしては5つのなかではいちばんだと思うんだけど。
同じ町内の、近所のおじさんおばさんが一致団結して・・・ってところがまた胸が熱くなる感じですね。
最後の場面で、私はホストばりばりの床屋さんたちが、そろって犯人つかまえる!の図を想像してしまって何か可笑しくなってしまいましたが。


配達のある本屋さんっていうのも、初めて聞いたような気がして。近所の美容院だの床屋だの銀行だの… ああいうところにおいてある雑誌類は本屋さんが直接持ってきてくれることもあるんだぁと、意外でした。

巻末の、実際の書店員さんによる対談もすごく面白く読めました。へえ!とか思うこといっぱいあったし。
お店によっていろいろ違うんですね。
この部分はまた読み返したいよう、図書館で借りたけど家にも一冊置いてあったらいいな、と思いました。
もちろん続編もぜひ読んでみたいです。

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トントン > おはようございます。私もこのシリーズ読みたいなと思ってチェックしてます。書店や図書館が舞台の物語って本好きにはやっぱり気になりますよね(笑)実際に書店員(パートでしたが)をしたこともあるので読むと面白そう。 (2007/06/01 07:05)
ときわ姫 > これが気に入ったようでしたら、あと二冊も是非どうぞ。私はあとの方が出来が良いと思っています。
これとは関係ありませんが、北原杏子さんはまだ「チャリオンの影」積んだままですか?私はあれでビジョルドにはまって、過去の作品をせっせと読んでいます。ビジョルドを知らなかったために読む本がたくさんあって、かえって良かったと喜んでいます。 (2007/06/01 14:01)
北原杏子 > トントンさん、こんばんは。このシリーズは本好きの方だったら、間違いなく楽しめると思います。書店員されてたんですか。ならもっと楽しめそうな気がします。

ときわ姫さん、今日さっそく図書館にリクエストだしてきたところです。楽しみにしてます。「チャリオンの影」はまだ積んでます。まだ読む予定が立っておりません(涙)。
たくさんビジョルド読まれてるんですね。私も古本で2冊ほどSFを買いましたよ。ときわ姫さんはどんどん読まれてすごいです。 (2007/06/02 01:33)