「子ぎつねヘレンがのこしたもの」竹田津実

子ぎつねヘレンがのこしたもの (森の獣医さんの動物日記)

子ぎつねヘレンがのこしたもの (森の獣医さんの動物日記)

2006年の映画化作品『子ぎつねヘレン』の原作です。
映画は見ていませんが、原作は映画とは違った内容のようです。(ていうか映画が原作とは違うと言うべきよね)

どうして今頃、読んだかというと、学校図書館関係の本にて、この本を集団読書の課題図書にしたというエピソードが載っていて、そこに書かれた子どもたちの反応をみて興味をもったから、でした。


大阪市の中学校でしたが・・・全員分の感想文を原作者に送ったところ、原作者自らぜひ子どもたちに会いたいということで、北海道からはるばるやってこられて、中学校で講演会を開くという運びになったという…


子どもたちをそれほどまで虜にした本書の内容はいかに?という興味から出発した読書でしたが、私にとっては良い出会いのようでした。
ノンフィクションらしく事実のみを淡々とした描写で記録されています。けれどその事実をただ記録した文章に、人は涙をさそわれ、感動するのですね。
これは心が純真である思春期のみなさんにぜひ読んでもらいたい作品であると感じました。
もちろん大人のかたにも。忙しい毎日の生活のなかで忘れ去られていたものに、目を開かせてくれる作品であると信じます。