「月に繭 地には果実(上)」福井晴敏★★★★★


月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫)

月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫)


本プロで話題になってはじめてこの本の存在を知りました。作者の福井晴敏さんもはじめて読む作家さんでしたし、何より「ターンAガンダム」というのもお初。
#昔のガンダムは知っていましたが…
何もかもはじめて…のような気がする作品でしたが、楽しんで読めました。


知らないのがよかったのかもしれません。
冒頭の部分を読んですぐ、惹きつけられました。
献体」として地球に降下する、というところでなになに〜?って感じで、興味を惹かれました。


かつて破壊の限りを尽くし、滅亡した地球。一方の人々は難を逃れ月に移住し地球の再生を待ち、もう一方の人々は地球に残って細々ながらも生活していくうちに、いつしか自らの滅亡の記憶を忘れていく…それから二千年の時を経て、月の民(ムーンレィス)は地球帰還を決意する。


これだけとっても、興味深いです。SFはあまり読んだことがない私ですが、少ない読書体験から言っても、好きですこういう話…
かつて読んだ本のことなど思い出しました。ブラッドリーの「ダーコーヴァ年代記」とかル・グインのSF作品など…
長い、長い時を経て、再びめぐりあう二つの種族、というのがいいですね。


出てくる登場人物もみないいです。それぞれ魅力があります。主人公のロランも、キエルとソシエの姉妹も、ロランの友人のキースとフランも、月の女王ディアナ・ソレルもみなそれぞれ味がありますね。
人物描写が細かくてその心理などもよく伝わってくるので、惹かれるのだと思います。
それは悪役につけそうでないにつけ、同じでしょう。
ちょっとホモっぽい(?)グエンも悪役っぽいですが、魅力はありますね。
#アニメのガンダムのシャア的役どころなのかな?と思ったのですが、違うんでしょうね。
ロランのことをローラと女性名で呼んでしまうところなど、ちょっと笑えますが(^^;


しかし、髭のあるガンダムってどんな感じなのかな?と思い、ネットで検索してアニメの画像を見てみましたが、はっきりいっていやですね。その絵で「ターンA」というネーミングの由来はわかりましたが(^^ゞ
ロランの絵もありましたが、こっちも女の子っぽくて何だか(^^;
やはり先入観なしで読んだほうがよい作品のようです。

中・下巻も楽しんで読み進めようと思います。



*本のプロ レスより*

ときわ姫 > 本プロで話題になって、初めてその本の事を知る。これぞ本プロの良さですね。この本を読む人が増えてうれしい。私もこれを読んで、今まで読んだ小説やマンガの事を、たくさん思い出しました。
ダーコーヴァ年代記」私も随分前に読みました。これを読んだ北原杏子さんの事を、SFをあまり読まないとは思いませんが・・・。 (2003/09/20 09:15)
あしか > 上巻を読んで、グエンを“ホモっぽい”と見抜いた北原さん!すごい眼力ですね〜。そのあたりの話もちゃんとあるので楽しみによんでくださいね。 (2003/09/20 15:18)
北原杏子 > ときわ姫さん、ホントに仰るとおりです。本プロを通じていろいろな本の存在を知る。ありがたいことです。これからもますますハマってしまいそうです、本プロ。
SF…FTと違ってどうも敷居が高いような気がして。本格的なSFって実はあんまり読んでいないんですよ。読めば読めるんでしょうけど食わず嫌いかな?
あしかさん、初めてグエンが登場したシーン(飛行船の上からロランを助けるシーン)で、むむっこれはっ!!と思いましたよ(^^; その後も何かにつけ、ありましたしね。いま中巻の中ほどまできました。ますます面白いです、本を手放せません。そんな話(どんな?)楽しみにしてます(^^; (2003/09/21 00:19)