「月に繭 地には果実(下)」福井晴敏★★★★★

月に繭 地には果実〈下〉 (幻冬舎文庫)

月に繭 地には果実〈下〉 (幻冬舎文庫)

中巻は二日ほどで読了したけど、下巻はちょっと時間がかかりました。個人的理由で集中して読む時間がなかったせいかも?

ともかくも終わりました。
3巻長かったけど、それだけに得るものがたくさん…
下巻はもう、戦争の悲惨さが直につたわってくるようで、読むのがつらかったです。

いろいろ言いたいことはあるけど…なんだか言葉になりません。
読んでる最中にもいろいろ、いろいろ考えてました。
人の感情のもつれがきっかけとなって起こってしまった戦争のことなど…
ディアナ・ソレスしかり、ハリー・オードしかり。
個人の感情でもってそんなことが起きてしまったら、それは大変なことなのでしょうが。

悲惨な戦争をどれほど悔いても、終われば終わったで人々はもう明日に向けて進歩の道を歩んでいて…それがめぐりめぐっていつかまた滅びの道へ至ってしまうようなこともありえないわけではないわけで。
ターンAガンダムの存在が示すように、人類の歴史は変わりようのないものなのかもしれない、というところにあ〜あ…とちょっと空しさを感じてしまったり…


でも最後は救われた形になっていたのでまだよかったです。


たくさんたくさん人が死んで…でもまだ生きている命はある。
どんなにつらくて悲惨な出来事があっても、それでも人は生きていくしかないのでしょうね。
戦争が終わってまもないのに、復興へ向けてそれぞれ突き進んでいく、という感じ。
人のたくましさを感じました。


最後のシーンがとても心に深く残りました。よかった〜


ザックトレーガーや月の都市などSF的な小道具がたくさん出てきて… 読み応えありました。
壮大なお話でしたね… 戦闘シーンはちょっと読むのがつらかったですけど。



*本のプロ レスより*

> グエンのホモっぷりいかがでしたか?でも、そういう彼にも痛々しい過去がある・・・。そういう描写がうまいですよね〜。 (2003/09/27 23:39)
あしか > ↑名前が抜けてた。私です。 (2003/09/27 23:40)
北原杏子 > あしかさん グエンが何故ああなってしまったのか、やっとわかりました。そうか〜一方的にいやなやつと思ってましたが、そういう過去があったとは!?てな感じでした。
ホント描写にしろ何にしろ、読ませる作家さんですね。いつか他の作品にも手を伸ばしてみようかな〜
未読本がいっぱいなので、当分は無理でしょうけど。 (2003/09/28 00:12)
あさこ > 本プロで話題になっていて、どうしても読みたかったのですが図書館になくて探していたら上巻だけ古本屋でみつけました(泣)とりあえず中・下巻を探そうと思います〜。皆さんの評価が高くて、本当に楽しみですっ!早く読みたい〜!! (2003/09/28 00:39)
ときわ姫 > 私は読んでしばらくたっています。そして今思い返してみると、グエンが一番気になっています。気に入ったとかそういうのとも違って、グエンの事をいろいろ考えてしまうのです。他のたくさんの登場人物と違って、彼が一番自分に正直だったなとか。一番変だったなとか。会ってみたいなとか。 (2003/09/28 10:33)
北原杏子 > あさこさん、中・下巻早く見つかるといいですね。うちの近所の本屋だと3冊そろって置いてあったんですが…地域によて違うのかもしれませんね。
ときわ姫さん、グエンって何とも複雑な人物ですよね。彼だけの話が別にできそうな気がするくらい…幼年時代とかどんなふうだったんだろうとか。興味がわきました。 (2003/09/30 00:16)