「きみを守るためにぼくは夢をみる」白倉由美★★
- 作者: 白倉由美,新海誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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8月の最初の水曜日。10歳の誕生日を迎えたばかりの少年、大江朔は転校生の砂緒ちゃんとプールへ初デートに出かけた。
その帰り道、朔は公園のベンチでふと眠気に襲われ、眠り込んでしまう。だが、その次に目覚めたときには、七年の歳月がたっていた。少年は10歳のままで…少女は17歳にと美しく成長を遂げて… 大人になりきれない人のための、ピュアな恋愛小説。
と、こうあらすじを書いてみただけで、背筋が痒くなっちゃいました。
表紙のイラスト(新海誠さんという、アニメ関係の方が描かれています)から言っても、極甘のタイトルから言っても。
ならどうして読んだのかといえば、どうしてなんでしょうねぇ。
私がこの本のことを知ったのはほんの偶然から。
本屋でレジに向かっているとき、ふと後ろの若い女の子が持っている本が目についたのです。
「きみを守るためにぼくは夢をみる」?
何だかどっかで聞いたような気もするけど、なんだか惹かれるタイトルだなあ、と。でもって、表紙のイラストも爽やかな感じでよさげだし。
どんな本だろうとネットで調べて、図書館にリクエストして、それが県立図書館からはるばる回ってきて…それで読んだわけであります。
初めて知った時からはちょっと時間たっちゃったけど。
感想は、うーん…もっと若い頃だったらなあ、もっと感動できたかもしれないけれど… てなふうでした。
児童文学だということですが、10歳の子供が主人公とはいえ、その内容から言ってもまったくの子供向けというふうには思えませんでした。いまの小学生の恋愛事情なんかわかるワケもないですが、私の頃だったらほとんどありえないような世界を描いていますしね。
10歳ってこんなに大人っぽかったかな?と正直とまどいました。だいたい10歳の子供が初デートだの、キスだの、恋人だの…生意気とまでは申しませんが、もうちょっと他のことに目を向けるべき年頃なんじゃあないの、っておばさんは思ってしまいますね。
どっちかっていうと、もうちょっと上の年代(16〜17とか)のイメージ。
ストーリーもどこかで見たような話だし、もうちょっと掘り下げが必要だった気もするし、児童文学として書く必要なかったんじゃないの?とか、突っ込みどころは多々ありましたが、全体としてはまあ悪くはありませんでした。
どんなにつらくても、一歩一歩着実に歩いていこう、大人への階段を…ってところでしょうか。10歳も17歳も関係ない、相手への想いさえあれば、変わっていける、と。
文章が整いすぎるほど綺麗で、触ったら壊れそうな感じ。あまりにきれいにまとまりすぎている気もしますが。
森絵都とかが好きな10代の子が読んだら受けるのかもしれない。森絵都とはまったくの別物で、比較の対象にはならないと思うけど。
ということで、評価は最高に甘くつけても★2.5というところかな。
それにしても主人公の名前にはまいった。うちの上の息子と一字が同じなんだもの(^^ゞ 読んでいてちょっとヘンな気分でした。将来うちの子も…?とか思っちゃったりして。
*本プロ レスより*
あさこ > 図書館で見かけて、読んでみたのですが20頁くらいで挫折しました…。なんだか、どうにも合わなかったようです…。白倉さんは何冊か読んでいますが、どうも合わないみたいなんですよね…。 (2003/10/31 23:09)
北原杏子 > あさこさん、きっと合わない人にはまったく合わないんでしょうね。この作者の他の作品は読んだことがないのですが、私もたぶん今後読むことはないと思います。 (2003/11/01 00:02)