「葦の原幻想 古代幻想ロマンシリーズ1」長岡良子★★★★

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長岡良子さんの代表作、古代幻想歴史シリーズものです。本来、私は歴史(日本、世界に関わらず)というものに対して、苦手な分野であるという認識を持っていました。
独身時代(20代)、友人にこのシリーズものを貸してもらった時も歴史的記述の部分は半分飛ばしながら(完全な理解を得ず)読んでいました。
コミックなのに、読むのにすごく時間がかかり、疲れたという印象があります。それでも何故か?この作者の描くものに対し、魅力を感じている自分に気づいてもいました。ヒロイン(?)のまゆりや、役の小角のような超常能力を持つ者たちの存在もあったかもしれない…
時を超え、営々と語り継がれる物語群に対する魅力、というのももちろんあったことでしょう。いつしか夢中で読んでいる自分にハッと気づく、というふうだったと思います。


これに味をしめた私は、このシリーズ以外の作品(「ナイルのほとりの物語」など)にも手を出し、自腹を切って購入し、その世界を楽しんだものでした。


今回、このシリーズが文庫化されるというので、これを機会に自分で購入して読んでみました。以前に読んだ時よりも結構な時間が経っているにも関わらず、楽しめました。よかった…
最近、コミック離れをしている私にも、これは読めました。やはり私は最近のコミックよりも昔のものの方が合っているようです。


長いこと経っているので、記憶が薄れていたせいもあるかも。読んでいるうちにだんだんと甦ってくるようです。この巻では、作者の描いた架空の人物、田辺史のストーリーが多く治められいます。
「葦の原幻想」「春宵華宴」「孤悲歌」……史の妻、遠智の想いが哀しくて… そして最期には愛する妻のもとへ逝ったであろう史。「但馬皇女悲歌」にもせつない恋の歌が描かれています。これぞ少女漫画、っていうもんでしょう。線の細い絵柄もあいまって、効果絶大です。

2巻以降も楽しんで読んでいこうと思っています。