「秘密の花園」 三浦しをん★★★★
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
同じく三浦さんの小説。
那由多、淑子、翠…の三人の少女の内面を綴った小説です。
さながら少女漫画に出てくるような、透明で繊細で、傷つきやすい思春期の少女たちの心の襞を丹念に描いています。
それぞれ三人の少女の視点によって、話の向きが違って見えるのが面白かったように思います。
1章は那由多の視点、2章は淑子の視点、3章は翠の視点と、語り手が変わるたびにそれぞれがどんなことを考えていたのかがだんだんわかってきて… 興味深く読みました。
ただ観念的な言葉が時々出てきて、戸惑うこともありました。少女の内面に共感がわけば、理解もできようし、たとえ完全にはわからなくても想像することはできるでしょう。
私は何となく、ですが…こういうことかな?と想像してました。たとえば2章のラストの部分とか。淑子はどこへ行ってしまったんだろう…とか。3章のラストで、平岡先生はどういう行動に出たんだろうか…とか。
作者にとって結末は重要ではないのじゃないのか、という気がします。誰がどうなったかということよりも、那由多ら少女たちの内面をひたすら描くことに主眼がいっているのでしょうね。
少女漫画に影響されていたからでしょうか、吉野朔美の漫画などを思い出しながら読んでいました。
実際の女子校だったら、絶対にありえないような学生生活ですが… 女子校出身、しかもミッション系…という私は断言できます。あんなガラス細工のような繊細な少女なんて、絶対にいるわけないよ、と(笑)。
でもだからといって、リアルな女子校よりも、繊細で壊れやすい少女たちの棲息する日常生活のほうが読んでいて楽しいに決まっています。
さながら、少女漫画を読むように… しをんさんの小説はそんなふうに読んでいたいですね。
*本のプロ レスより*
あさこ > 私も昨日、読み終えました!なんだか、とても良かったです。 (2003/12/17 14:58)
ときわ姫 > あさこさんの方にも今レスしたところですが、私はこれがしをんさんの小説の中では一番好きです。ああいう少女たちが実際にいるかどうかは分かりませんが、でも彼女たちの思いがとてもよく分かりました。少女だった人にはきっと思い当たる事があるのではないでしょうか。 (2003/12/17 16:52)
北原杏子 > あさこさん、何だか気が合いますね〜(同じ時期に読書)。私も言葉ではうまくいえませんが、とてもよかったです。
ときわ姫さん、実際にああいう少女たちがいるかどうかはこの際置いておいて(^^ゞ しをんさんの世界を堪能できる一冊だったと思います。久々に自分の少女時代(なんて言うと照れますが)を思い出しました。 (2003/12/17 23:16)