「ぼくと未来屋の夏」はやみねかおる★★★

ぼくと未来屋の夏

ぼくと未来屋の夏


続いてこれまた講談社ミステリーランドの配本です。

この作者のものは初読書でした。でもさらっと読めて、推理ものとしても、冒険ものとしても楽しめました。
何より夏休みに起こった出来事というのがドキドキ感をともなっていていいですね。それに加えて、主人公の少年の住んでいる町というのがリアルに描かれていて、しかもその情景がどこかで見たような懐かしさをともなうものであることが、とってもよかったです。
空き地に作った秘密基地とか、駄菓子屋さんとか…古き良き日本の風景って感じでしょうか。

未来屋という職業を堂々と名乗っている、猫柳さんの人柄も良かったです。風太とのやりとりが楽しいですよね。
また風太の書いた探偵小説のなかに出てくる、探偵助手のネコイラズさんに対する態度が猫柳さんに対するものとリンクしてくるようで面白かったです。

全体に、これまでに読んだミステリーランドのなかでは(といってもこれが3冊目ですが)、いちばん素直に“子ども向け”だったと思います。
でも風太の住んでいる町や事物に対するノスタルジーという点では、あえて大人向けという感もあるので、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というミステリーランドの謳い文句のとおりの内容になっていると思います。


*本のプロ レスより*

ありんこ > 日記に載せるのを忘れましたが、少し前に読みました。ミステリーランドの中ではほんとに子供向けですよね〜。私は猫柳さんが風太と出会う最初のシーンなんて、アニメの初回のようでいかにも子供が好きそうな、気恥ずかしい感じでよかったです。すごくうまい作家さんですね。 (2004/01/29 08:50)
ココ > 私もWHOとネコイラズの掛け合いがとても面白くて忘れられません(笑)。はやみねさんの他の著書も読んでみたいです。 (2004/01/29 14:39)
羽鳥 > こんにちは。私もこれは子ども向けで、かつて子どもだった人向けでもある、いい作品だと思いました。ミステリーランドは私もこれを含めて三作しか読んでいませんが、有栖川有栖さんの「虹果て村の秘密」も子どもに薦めたい作品だと思いました。こっちの主人公も作家志望の男の子でしたが、「ぼくと未来屋〜」とは趣が違って面白かったです。作家志望の子どもってのは、どうしてこうも心くすぐるんでしょう(笑) (2004/01/29 19:01)
北原杏子 > ありんこさん、そうですね。いかにも子どもが喜びそうな内容ですもんね。猫柳さんと風太のかけあい漫才のような会話が楽しかったです。
ココさん、私もこの作品で初めてはやみねさんの著書を読んだのですが、他にもたくさんあるんですよね。シリーズものとか?いつか読んでみたいと思います。
羽鳥さん、有栖川さんの「虹果て村の秘密」もぜひ読んでみようと思ってます。「ぼくと未来屋〜」と同じく作家志望の男の子が主人公なんですもんね。どういう違いがあるか楽しみにしてます。 (2004/01/30 00:45)