「キャスリング 前編・後編 ブラック・キャット3」新井素子★★★★


3巻目も楽しんで読みました。もう!もっと早く読めばよかった!と後悔するほどに。でも話的には、前巻(9年も前だけど)から続いている形を取っているので、今回全部続けて読めたのはよかったと思います。


今回も笑っちゃうのはやっぱり、山崎ひろふみです。もう彼が出てくるだけで大笑いの連続。何度も本をかかえながら、ぐふぐふと笑ってしまって困りました。とくに子どもが隣で寝ている場合は困ります。私の不気味な(?)笑い声で起きそうになるんですもの。

ま、それはともかく。ストーリーもスピーディに進んでいて、すぐに読めました。ララベス王妃のネックレスの事件です。真相はちょっと意外でしたけど。まあ楽しめました。キャットの過去もわかってきて、面白くなっていくところです。


あと、これは他の巻にも…というか新井素子の特徴なのかもしれませんが、それぞれの登場人物の心理状態や置かれた状況など事細かにそれぞれの側から描写していて、よくわかることはわかるのですが、少々うるさいと感じてしまうことも少なからずありませんでした。
ま、それが新井素子の文章の特徴と言ってしまえばそれまでなんですが。作者が、おいおいナントカ(ひろふみ君とか)調の喋り言葉で書いてるのも面白くていいけれど、しかし、いいのかな?これでって感じです。


キャットたちの登場シーンでは結構、シリアスな部分もあったのに、それがたとえば山崎ひろふみが出てくる場面とでは180度変わってしまい、お笑い系の話みたい。作者がぶっとんで、おいおい調の文章で書いてるのはこういう部分ですね。
ひょっとして、これが山崎ひろふみ効果なのか? なんてね。


下巻に「星へ行く船」シリーズの番外編(あゆみちゃんの手紙という形態をとっている)が載っていましたが、これも私は記憶がうすれてて、時々何のことやら?と度々思ってしまったのでした。

このシリーズもいつか再読してみたいです。