「鏡のなかの迷宮 光る石」カイ・マイヤー★★★★

鏡のなかの迷宮〈2〉光る石

鏡のなかの迷宮〈2〉光る石


「鏡のなかの迷宮」2巻目です。
はじめは私的なことで(子供の風邪だとか)入り込むのにちょっと時間がかかりました。3日くらいあれば余裕で読み終わるなと思ったのに、読み始めてから1日、2日ほどは数行読んでは眠くなり、または気が散ってしまって集中できなくて…なんとも進みがのろかったです。


けれど、いよいよ明日が返却日だ!という日(でも実際は勘違いでその次の日でした返却日)には、何としてでも読んでやる!との思いを強め、襲いかかる眠気にも負けじと読み進めました。そのおかげで、ということでもないでしょうが、何とか読めました。しかし何よりも、途中からがぜんと話が面白くなってきたのに、勝因があったでしょうね。


翼ある黒曜石のライオンの背に乗って、ヴェネチアを飛び立ち、エジプト軍をまきながら支援をもとめに地獄へ行こうとするメルレ。その地獄へ入ったところくらいから、目をはなせない展開になってきました。
なかでも宙を飛ぶ、石の顔の伝令に飛び移った時からが…今までに読んだこともない展開の突飛さには度肝を抜かれました。ことに“冬”と自ら名乗る存在には…あれは一体なんなんでしょうねぇ。次巻が楽しみです。


他、ヴェネチアに残ったゼラフィンの冒険も目を離せないところでしょう。そっちの話では、スフィンクスの女性ララペーヤが登場するシーンからぐんと面白さを増してきたようです。彼女も一体、どういう存在なのでしょうか。ラストで思わせぶりなふうに書かれていたのでそれも気にかかります。もしかして?などと思ってしまいますね。


わからないと言えば、メルレのなかにいる“水の女王”の存在もそうです。これもまた思わせぶりなことを喋ってはいるのですが、大もとは不明なまま…次巻に持ち越しです。メルレの親友ジュニパのことも気にかかりますし、3巻本当に待ち遠しいです。


あとメルレが地獄への旅の途中に遭遇したキャンプ地で、ニワトリの足のお守りを見つけましたが、ここでスーザン・プライスの「ゴースト・ドラム」を思い出しました。ニワトリの足の生えた小屋に住んでいる老婆(この話では魔女ババ・ヤガーと読んでいました)、というの。そのものですよね。と、ちょっと嬉しくなったヒトコマでした。



*本のプロ レスより*


たばぞう > 未読なので、北原さんの日記は斜め読みですが・・・、北原さんも評価が高いので読むのが楽しみです。ババ・ヤガーって、ムソルグスキーの「展覧会の絵」に出てくるあれですよね。 (2004/02/15 10:58)
ときわ姫 > ニワトリの足の生えた小屋のところで、私も「ゴースト・ドラム」を思い出しました。元ネタがあったのですね。
この本は途中からどんどんおもしろくなってきましたね。もしかしてメルレは・・・?かなとか、早く知りたくてたまりません。 (2004/02/15 13:45)
北原杏子 > たばぞうさん、「展覧会の絵」とは全く気づきもしませんでした。ロシアの昔話にも出てくるみたいですね。これも知りませんでした。機会があったら一度読んでみたいです。
ときわ姫さん、やはり連想されましたか。>「ゴースト・ドラム」
そしてメルレは…?一体どうなるんでしょうねこれから…続きが楽しみですね。 (2004/02/15 23:50)