マンガ

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金魚屋古書店出納帳 上 IKKI COMICS 金魚屋古書店出納帳 下 IKKI COMICS 金魚屋古書店 1 (IKKI COMICS)

作者: 芳崎せいむ
出版社/メーカー: 小学館


漫画古書店、「金魚屋」に次々と集まってくる、まんが好きな人たちの話。
扱われている漫画は、戦前のものや、近くても'70年代のものが中心になっていて、
読んだことがないものが多かったですが、へぇ〜と見聞をひろめられます。
幻の名作といわれた漫画本だの、何度も版を変える前の初版本だの、
思わずへぇ〜!とたたきたくなるような話ばかりです。


またそれだけでなくて、一冊の漫画本をめぐる、さまざまな人間たちの、いわば人情話と
なっている点がよかったです。
誰にも一冊くらい、思い出の漫画があってもいいでしょう。
思春期に読んだ忘れられない漫画、とか。その漫画が思い出と直結していたり・・・
そういうことって、よくあるでしょう。

それが、金魚屋という古本屋さんを中心にすえて、じっくりと描かれています。
いろんな人物が金魚屋を媒介にして出会ったり、再会したり。
思わずじーんときちゃう話とか、笑っちゃう話とか。
しみじみといい話ばかりでした。


金魚屋にいけば、どんな漫画でも見つかる。


そんな古本屋さん、あったらいいな。
現実にあったら、絶対行ってみたいです。斯波さんが棲息する(笑)地下にある
広大な本棚・・・すごいですねぇ! どれくらいあるんでしょ。
いったい金魚屋の敷地はどれくらいなんだ?と思わず突っ込みを入れたくなりましたが。
それこそ紙の上に描かれた古本屋さんだからこそ、ありえるのだと思いますが…


そういう、現実にはありえない・・・でもあったら、楽しいだろうなぁ?っていうこと。
それが漫画。漫画そのものなんですね。