美しくて残酷、大人の暗黒童話!?

うろこひめ

うろこひめ

本プロでこの絵本のことを知って、さっそく図書館にリクエストしたのですが、忘れた頃に来ました。
表紙は高橋真琴さんの、とってもオトメチック(死語?)なお姫さまイラスト。
思わず、なつかしい!と思ってしまった私でした。

なかのイラストもとっても素敵です。
ページの紙質もすごく贅沢な感じで、一冊ほしくなってしまいそうです。


しかし、うろこひめ・・・


イラストの可愛らしさと相反して、書かれた内容は何とも残酷な内容でした。
双子で生まれた姉は美しく、妹は醜い。
そのため両親である、王と王妃はこの妹を嫌って、美しい姉だけいればいい、妹はいらないと言って、お城の一室に閉じ込めたまま、それっきり存在すら忘れてしまうのです。

王と王妃の身勝手さ、仮にも親であるのに、生まれた子を美醜の違いでこれほどまで差別してしまうのか、って…
もう、嘘だろって思ったほどでしたよ。

妹姫が、絶望してこういう残虐な行為に身を染めてしまうのも、ちょっとわかるかも。


しかし、何故にメロンとマツタケなんだ!?って疑問は残りますが。(姉姫の好物をいっしょくたにジューサーに放り込んで、ジュースにしたんです)
これに、妹姫の加えたもの。これは…想像しちゃいけない。グロいです。
残酷な、大人の暗黒童話、ってところでしょうか。

そうなってしまった妹姫の内情は共感はできますけどね。


文章を書いた嶽本さん、私は読むのは初めて、です。
表面的にはおとぎ話のような感じで、時々ぴりっと皮肉がこめられている、という。そういう感じでした。


うろこ姫の最後にとった選択、それは意外なものでした。
まさかあんなふうな展開になるとは思わなかった!!
あれはあれで幸せになった、ってことでしょうか。
2人(?)並んで描かれている挿し絵、何だかとっても可愛らしい、微笑ましいです。姫のお相手の表情が、ね。
かわいいーっと思ってしまったのは、私だけかな?


ほんとに高橋さんのイラストは素敵です。うろこひめのうしろすがたでさえも。美しい!!