美しくて残酷、大人の暗黒童話!?
- 作者: 嶽本野ばら
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 大型本
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本プロでこの絵本のことを知って、さっそく図書館にリクエストしたのですが、忘れた頃に来ました。
表紙は高橋真琴さんの、とってもオトメチック(死語?)なお姫さまイラスト。
思わず、なつかしい!と思ってしまった私でした。
なかのイラストもとっても素敵です。
ページの紙質もすごく贅沢な感じで、一冊ほしくなってしまいそうです。
しかし、うろこひめ・・・
イラストの可愛らしさと相反して、書かれた内容は何とも残酷な内容でした。
双子で生まれた姉は美しく、妹は醜い。
そのため両親である、王と王妃はこの妹を嫌って、美しい姉だけいればいい、妹はいらないと言って、お城の一室に閉じ込めたまま、それっきり存在すら忘れてしまうのです。
王と王妃の身勝手さ、仮にも親であるのに、生まれた子を美醜の違いでこれほどまで差別してしまうのか、って…
もう、嘘だろって思ったほどでしたよ。
妹姫が、絶望してこういう残虐な行為に身を染めてしまうのも、ちょっとわかるかも。
しかし、何故にメロンとマツタケなんだ!?って疑問は残りますが。(姉姫の好物をいっしょくたにジューサーに放り込んで、ジュースにしたんです)
これに、妹姫の加えたもの。これは…想像しちゃいけない。グロいです。
残酷な、大人の暗黒童話、ってところでしょうか。
そうなってしまった妹姫の内情は共感はできますけどね。
文章を書いた嶽本さん、私は読むのは初めて、です。
表面的にはおとぎ話のような感じで、時々ぴりっと皮肉がこめられている、という。そういう感じでした。
うろこ姫の最後にとった選択、それは意外なものでした。
まさかあんなふうな展開になるとは思わなかった!!
あれはあれで幸せになった、ってことでしょうか。
2人(?)並んで描かれている挿し絵、何だかとっても可愛らしい、微笑ましいです。姫のお相手の表情が、ね。
かわいいーっと思ってしまったのは、私だけかな?
ほんとに高橋さんのイラストは素敵です。うろこひめのうしろすがたでさえも。美しい!!