楽園はどこにでもある!?笹生陽子「楽園のつくりかた」


楽園のつくりかた

楽園のつくりかた


これも笹生陽子さんの、児童書・・・
とても読みやすかったです。文章にリズムがあるのは前作と同じ、でしたが。
前はリズムがありすぎて、ちょっとハマりすぎたような感じもあったのでしたが、
こっちではあまり感じませんでした。
適度によかったです。


内容も、いかにも青春小説、のノリですし。
優等生の優が、突然田舎の学校に転校することになって・・・っていう。
都会の少年が地元に溶け込むまで、という話なら結構あるような気もするけど。


この優って少年はちょっと突っ張ってて、自己主張がすぎるようです。そのため周囲から嫌われる。でも自分では全く気づいてない。
一生懸命すぎて、まわりが見えなくなるってこともありますね。
だれから見ても、嫌われるタイプの優でしたが、私はふしぎと憎めませんでした。
都落ち”してしまった優を、ちょっと同情的な目で見ていたのかも。
#私も実は、故郷の町から遠く離れた片田舎に住んでいるのです。優の行ったところよりは
まだマシですが。


でも、周囲となかなか溶け込めないのには理由があったわけだけど。
そういう理由とは思いもよりませんでした。父親とのメールのやりとりでは、ちょっと胡散臭いものを感じてましたけど。

タイトルの「楽園」とは、優にとってもっとも心やすらげる場所、という意味かなと思いました。
そういう意味で、楽園とはどこにでもある、自分の気持ちの持ち次第で作ることができるんだ、という隠されたメッセージがあるような気がしました。

笹生作品、おもしろかったので、3冊目いきたいです〜。