笹生陽子3冊目!

サンネンイチゴ

サンネンイチゴ


笹生陽子、3冊目です。
結論から言うと、この本もおもしろかったです。


今回は女子中学生が主人公。詩の創作が好きな、文学少女(気取り?)ナオミは、引っ込み思案で自分の意見をいうことができない少女。でも本当は違う。
かつて小学校のときに起こった事件でもそうだった。
皆が同じ行動をとろうとしていたときに、ナオミはそれじゃおかしい、と思ってひとり違う行動にでた。
そのつけはすぐに払うことになるのだったけれど。


ナオミのなかには一本通った芯のようなものがあって。そういう部分が、クラスメイトの突っ張り少女(?)アサミの目に止まったのだった。

とまどいながらも、しだいにナオミはアサミ(とその仲間たち)に惹かれていき・・・やがてある事件に巻き込まれることになるのですが。


その過程が、ナオミの素直な言葉で描かれていて、とても好感がもてました。
最初は何も行動に出ることができなかったナオミが、だんだん成長していくすがた。見ていて小気味いいです。


実は私にもかつてナオミのようなところがありました。
つまり、クラスメイトのなかでいつもひとりで浮いていたようなところ。
教室でもいつもひとりで本ばかり読んでいるし(私はナオミと違って好きでしてたことだけど)、ナオミが友達からよくいわれてた言葉、そっくり私にあてはまります。


でも似た部分もあれば、全く違う部分もあるわけでして。
かつての私にもナオミのような勇気があれば、もう少し違っていたのかもな、なんて思いました。


同世代の少女たちがこれを読んだら、どういうふうに感じるのでしょうね。私には想像するしかできないけれど。

大人にも子どもにも受け入れられる物語でした。