厳しい現実の重み

海の金魚 (あかね・ブックライブラリー)

海の金魚 (あかね・ブックライブラリー)


この本も図書館で借りたのですが、これも貸し出し期間が一週間と限られていました。
西日本読書感想画コンクールの指定図書でした。
小学5、6年生対象ということですが、これを読んでどんな絵を描くのかなぁ〜とちょっと見てみたい気がしました。


課題図書の「空のてっぺん銀色の風」もよかったけど、これもよかったです。
まっとうな児童書という感じで。


こちらも季節的には冬でしたが、印象は夏、でした。
時を超えて、色丹島の海に行ってしまう広夢と、久さん(広夢のおじいさん)。
色丹島の自然が目にうつるようでした。青い海、青い空と…
夏の印象はここからきたんでしょう。


でもその中身には厳しい現実というものが詰まってて。
北方領土のこととか、今まで気にしたことがなかったけれど、こういうことがあったのかと思うと、月並みですがやっぱり戦争というものはしてはならないことなんだなあと実感しました。


作者のお父さんがこの色丹島の出身だそうです。
そのせいか、物語がより親身に感じられました。
広夢と久さんの関係が、とてもよかったです。単なる祖父と孫という関係を超えてますもんね。


タイトルの「海の金魚」にこめられたひろしの思い、痛いです。