絵本「1000の風 1000のチェロ」


1000の風・1000のチェロ

1000の風・1000のチェロ


伊勢英子さんの絵本は初めて読みました。
きっかけは図書館でみた絵本の雑誌に特集が載っていて、伊勢英子さんもそれで紹介されていたことから、でした。
それにこの絵本も絵入りで紹介されていて、何かいいなと思って。図書館にあったので借りてみました。


チェロを弾く少年と少女が出会い、お互いのチェロについて語り合う場面なんかいいですね。
小鳥の声や川の音や風の音をチェロという楽器で表現できるんですね。楽器を弾けるかたはいいなあ、と思う瞬間です。


そんな2人が偶然、街で見かけたチェロ集団。
これは神戸の復興支援コンサートのために練習所に向かう人々の群れでした。
いつしかいっしょにチェロを弾いている2人。
チェロを少年が弾く場面が印象に強いです。
じっさい音楽が聴こえてきそうな感じ。音楽の流れを感じさせる画面ですね。
#例の絵本の雑誌に紹介されていたのがこの場面でした。


あと印象に残ったのは、チェロを弾く人びとがまるで自分の影を抱きしめているようだ、っていう言葉。
いいなあ、と思いました。
チェロという楽器を本当に愛してるんですね。彼らは・・・
羨ましいです。


少年の抱いていたのは犬のグレイ。とてもだいじな存在だったのでしょうね。
これはあの「グレイが待っているから」のグレイなのかな。ひょっとして・・・?
未読なのでわかりません。


チェロを弾く場面がすごいなあ、と思っていたら、伊勢英子さんはご自分も弾かれるんですね。
神戸の復興支援コンサートにも出られたとか。巻末に添えられた文章にそう書いてありました。


神戸の街に、チェロの音は、人びとのねがいはとどいたでしょうか。