「雲のてんらん会」・・・空にはこんなにたくさん雲があるんだ!


雲のてんらん会

雲のてんらん会


絵本ですが、まるで一枚の絵画を見ているような心地でした。
すべてが空と雲の絵で、うずめられています。
いせひでこさんの雲に対する気持ちが伝わってくるようです。
こんなたくさんの種類の雲が存在していようとは、思ってもみませんでした。


そういえば最近、空を見上げること自体、忘れてしまっていました。
自分の頭のうえには空があるのに、ずっとその存在すら忘れていた、気づかずに過ごしていました。


この絵本を読んでると(見ていると)、そういうことに気づかされます。
見上げてごらん、そこには雲がいるんだよ、って。


青空、曇り空、そして夜空にさえも。
太陽の光や気候など、その日の条件によって、さまざまな種類の雲があらわれる。


ともすれば生活に追われ、忙しすぎるいまの私たちに、ちょっと立ちどまって空を見上げてみない?
そう語りかけられているような気もしました。<空の牧場>のなかで、羊雲にまぎれてこっちをじっと見ている犬のすがたが何とも心をうつ感じです。
ここにも、いせさんの愛する犬グレイに対する思いが見てとれて。ちょっとせつない気持ちになりました。
きっといせさんは、どこにでもグレイのすがたを見ることができるんでしょうね。
雲のかなたにも、吹きめぐる風のなかにも…


それほど忘れられない犬というのは、どういう存在だったのだろう、と思いました。