ジョナさん

ジョナさん

ジョナさん

現役高校生作家、片川優子さんの新刊がでているなんて知りませんでした。年末、図書館でチェックいれてるときに棚においてあるのに気づいて、え!?と思いました。


それにしても、タイトルみて、ジョナさん?ジョナサン???と思ったのは、きっと私だけではありますまい!
ジョナさんというのは仮名で、主人公のチャコの友達トキコが勝手につけた名前だったんですけど。
いやはや、久々に純粋な、高校生の出てくる話を読んでしまいました。
いったい、たった一回会っただけで人を好きになってしまえるものなのか?と安易さに突っ込みを入れたくもありましたが、きっとそういう現実が“高校生”には通用するものなんでしょう。


私自身もきっと忘れてるだけで・・・ん? 
といったところで、あんまり現実にはなかったようだなあ?と愕然としてしまいましたが(笑)。

チャコの好きというのも、より憧れという気持ちに近いものなんでしょうねぇ。
自分でも決して叶うものとは思っていない恋でしたから…。
そう、テレビのアイドルなんかに熱をあげるような気持ちにより近い。
それでいて、その当時の自分の気持ちには、“本当”というものがあったにちがいない、そういう類の恋。それは青春まっただなかの人間にしかできない体験なのでしょうね!(青春スーツ装着〜♪)


話は恋愛だけじゃなくって、それぞれの家庭、友人関係、進路に関する悩みなど、多岐にわたります。まさに悩める高校生って感じでした。
チャコの家庭で、ずっとお父さんの存在が薄かったのが、最後に近くなってきて突然登場してきて、アラ!と思いました。よかった、忘れられたままじゃなくって!


この話を読みながら、個人的に、遊佐未森さんの歌がうかんできました。「ゼロの丘にたてば〜 もういちど∞の空ひろがる〜」という歌です。(歌詞違ってたらすみません)
だれでも、ゼロの位置に戻ってみれば、何でもやれないことはないんだ、無限の可能性があるんだ、年齢に関係なく、ね。
という気持ちがわきおこってきます。

清々しいいい話でした。

1作目の時にも感じたことですが、さすが現役高校生! 今の時代の感覚があふれる文章でした。
読後感もよく、これからも活躍を期待される作家さんになられることでしょう。
今ごろは受験まっただなかなのかな?(いま高校三年生だそうです)頑張って、もっともっと素敵な作品を書いていただきたいです。

(頑張れなかったおばさんより〜)