天使のナイフ


天使のナイフ

天使のナイフ


本プロのみなさんの評価が高いので、私も読んでみました。図書館で予約したんですが、待たされるかな?と思ったのに全然そんなことなくって。かえって早く来すぎて焦ったりしました。


それはともかく―― さすが内容は面白くて、時間さえ許せば一気読みといきたいところでしたでしょう。残念ながら、翌日用事があって一日外出したためにそうはならなかったんですが。
でも面白かったです。


少年犯罪を題材にした本はあまり読んだことがないんですが、ここまで被害者側の方に事実が隠されているなんて!と、ちょっとショックでした。
実際に、そういう事件は全くあとを絶たないので、切実に感じてしまいました。


話にも説得力があり、つい読んでしまいます。
いったいどうなるのか?と読んでましたが、二転三転という言葉がぴったりなほど、これでもかこれでもか〜と新たな展開がくるので、全く飽きないです。
“犯人”は、この人かな?それともこの人かな?と思いつつ、読んでいたのですが、この人だったらあまりにあからさますぎるけれど、もしかして、この人だったら全然関係ない感じをうけるし、意外で面白いかもなあ〜、なんて勝手な想像をふくらませていました。


で、わかったとき、ああやっぱりそうだったんだ〜と心の隅っこで思いました。
なんかちょっと意味ありげなシーンがあったんだよな〜と。
とはいえ、あからさまだったあの人にも、意味ありげなシーンはあったわけですが、そっちはまた別のことでそうだったわけで。
その点では本当に意外も意外な事実ってやつで、楽しめました(って不謹慎ですが)。


だけど最後の真相は、ほんとに考えられもしない感じで… こんなことあるんだね、って感じでした。
皮肉というか、なんと言うか。何か堂々巡り、とか、因果応報とかそんな単語が頭をちらちらしてしまいました。
でも“真犯人”のあの人のことは、絶対に許せません。ああいう理由で犯罪を犯しても許されるんだから、何をやったってかまわない、という考えが。


そして、あの少年たちが犯した許されざる罪、悪戯で起こした事件のことは、思い出すだけで、気分が悪くなります。自分にも同じ年頃の息子がいるだけに、吐き気がするほど嫌です。
重たいテーマの本書。桧山の娘の愛美(彼女が後年、どんなふうに事件のことを知るのかちょっと心配、でもきっと大丈夫でしょう。)の存在もあって、希望のもてる終わり方をしていて、その点ではまあよかったのですが、どうにも許せないあの1シーン、あれを思い出すたび怖気がふるってしまうんで…、面白かったので4点つけましたが、本心をいうと3.5くらいです。


脇役のコーヒー店のフリーター、福井くんが私はちょっとお気に入りだったかも〜。
きっとショックうけるんだろうなぁ〜?(っと、すみません〜)