「ダ・ヴィンチ・コード」

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

やっと図書館で借りることができたので、読みました。しかも上下巻そろって借りられたので、非常にラッキーでした。
最初、連絡が来たときには下巻から、というお知らせでしたが、そのあとすぐ上巻が返却されてきたので、そのままいっしょに借りられたのです。


さて、内容ですが、ふむふむこれがかの「ダ・ヴィンチ・コード」だったのね、と感慨ひとしおでした。
ストーリー的には、前に読んだ「デセプション・ポイント」のほうがスピード感もあったし、面白かったかなとも思いましたが。
何というか知的好奇心を刺激する!って感じでした。
ここに書かれたうんちくの全部が本当なのかは正直わかりませんが。
私は学生時代、ミッション・スクールに6年間通っていたので、聖書にも多少は接していましたが、こんなふうなこととは想像もしませんでした。
けれど、ある牧師の先生が仰っていたことを思い出しました。キリストの奇蹟が全部、聖書にあるとおり起こったものではないのだろう、ということでした。
たとえば水がぶどう酒に変わってしまったとか、水の上を歩いたとか、病気や怪我をしている人に触れただけでたちどころに治ってしまったとか、そういう普通だったら考えられないような奇蹟の数々です。
本当はそういう奇蹟は起こってはおらず、それは比喩みたいなものでそれくらい人びとがキリストのことを信じた証なのではないか、とそんな感じだったと思います。


と、いま必死で思い出しながら書いたのですが、ダメですね。もしかしたら、記憶違いだったかもしれないです。
でも奇蹟が現実に起こっていたわけではない、というのは確かに聞いたと思います。


マグダラのマリアのことも名前くらいは覚えがありましたが、すっかり忘れてしまっています。
マリアとマルタの話とか、うろ覚えに思い出しますが。
もしかして違う人物だったのかも。
マルタという女性はイエスさまのために、食事を用意したり甲斐甲斐しく世話をしているのに、マリアという女性は何もせずにイエスさまのそばに座ってじっと話を聞いていた、という話でした。
このふたりのうち、どちらが信仰が篤いのだろう?
そういう問いかけがされていたように思います。
当然、マリアなんでしょうが… 私はいろいろ忙しくしているマルタに同情していました。


話がずれましたが、そんな学生時代に習ったことなど思い出しながら読みました。
キリスト教のことに関してもそうですが、そのほかヨーロッパの歴史にふれる部分があって面白かったです。
テンプル騎士団なんて名まえくらいしか知らなかったのですが、そういう意味があったの?と目からウロコでした。
秘密結社というのも、いろいろあるんですね。前作「天使と悪魔」にも出てきましたが、儀式とかいろいろ。すごいですね。


そしてアーサー王の聖杯伝説についても。そうだったのか!と納得してしまいました。
そういう意味があったんだ、といままでに読んだ聖杯関連の本を読み返したくなりました。(例:アン・ローレンス『五月の鷹』とか)


ミステリー的にも面白さは十二分、て感じでしたね。
ラスト、思いもよらなかった、です。見事にひっかかってしまった私。


それにしてもラングドン。前回の女性とはうやむやになってしまって、今回また新たな女性といい仲になっている!
美味しい役どころ?
さて続く(?)三作目ではどうでしょうか。
また同じようなことになりそうな予感がする…(笑)


それはさておき、この本のおかげで、ルーブル美術館にいってみたい!と思ってしまいました。行って、いろいろ確かめてみたいなぁ!なんてね。本のなかで触れられていた美術品についても、興味をひかれました。実物を見るのは無理でも、美術全集とか、本で見てみたいです。


ダ・ヴィンチ・コード」のタイトルの由来になったであろう、美しい詩のかたちで描かれた暗号の数々。次から次へと意味合いが変わるそれらに翻弄されっぱなしでした。
そして最後に真相が明かされて。
ソフィーのおじいちゃんの思いが伝わってくるようでした。
長いこと断絶されていた絆が甦ってくるようで、よかったです。