「バーティミアス プトレマイオスの門」

バーティミアス (3) プトレマイオスの門

バーティミアス (3) プトレマイオスの門


三部作、最終巻です。やっと読めました。最初は図書館で借りて、期限内に読みきれなくて・・・結局、待つのはいやだから古本で購入して読み続けました。
ちょっと時間がかかってしまいましたが、それだけかけて読んだ甲斐がありました。


以下、多少のネタバレがあるかと思います。未読の方は読了後にお願いします。(全然内容に触れずに感想がかけませんでした、ごめんなさい)


2巻で実にいやなやつ!になりかけていたナサニエル。3巻で持ち直しました。それがいちばんよかったことでした。
そしてこの3巻では、バーティミアスの過去の話・・・プトレマイオスの章が付け加えられていました。
時々、さしはさまれる彼の章を読むと、バーティミアスがなぜその少年のすがたで現われていたか、よくわかります。


キティも活躍しています。自分で魔術について勉強したり、とくに後半。あのファイトには、すごいとしかいいようがない。素晴らしい成長ぶりでした。
プトレマイオスの門」についても、あの描写がまたよかったです。あんなふうになっているのね、ととても参考になりました。
異世界の定義についても同様です。バーティミアスたち妖霊が、どうやって地球に召喚されるのか、わかった気がしました。鍵は、名まえだったのですね。なるほど!


そしてこの巻での大どんでんがえしは、あの人です。名まえは言えません。まさか、そうとは思わなかったです!
前の巻を読み返したくなります。
そしてその末路も…。自業自得とはいえ、ちょっと哀れでした。


しかし、おかげで英国社会が大変なことになっていって、どうなることかとハラハラしました。バーティミアスナサニエルの最強コンビが大活躍。あのあたりの章は、もう怒涛の展開で目が離せませんでした。


そこのところはよかったのですが・・・
でもやっぱり、私は最後が受け入れられません。感動的なラストなのでしょうけど、でもやっぱり悲しい。
訳者あとがきに、大団円で終わって云々とありましたが、それはちょっと違うでしょう?と言いたい。
彼のおかげで世界は救われたのでしょうけれど、そんなの悲しすぎます。
最後の最後に彼のした選択がまた涙をさそいます。(実際に泣くまでいきませんでしたが、心で泣きました)
帯の文句「驚くなよ、泣くなよっ!」そのとおりでした。


ナサニエルプトレマイオス・・・バーティミアスにとっては、同じ重みをもった存在になったんでしょうね。
それだけが救いです。


1〜3巻楽しく読んできただけに、これで全部終わってしまって、ちょっと寂しいです。続編はたぶんないのでしょうけれど、また「バーティミアス」のように楽しい作品にめぐり合えることを祈って、筆をおきます。