リリカル・ミステリー???「白い花の舞い散る時間」

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

初めて読む作家さん、でした。リリカル・ミステリーと銘打ってあります。たしかに、表紙はかわいらしい、少女漫画ぽい絵柄の女の子。いかにもコバルト文庫!って感じなのですが。

コバルトでミステリーが読めるとは!と少し、驚きましたが、読後はまた違った意味での驚きがありました。

というか、いったいこれ、何なの〜!?と叫びたくなります。こんなの、ありなの!?という感じですね。


顔も名まえも知らないチャット仲間のアイリス、シャドウ、ララ、ミスティー、ミズキ。彼女たちは同じ塾に通うという共通項をもってはいるけれど、そのほかのことは全く知らない。〔教室〕という、パソコンのサイト上に構築された、一種の閉塞空間でのみ会うことができる。
そんなあるとき、アイリスの提案で、5人はリアル空間にて会うことになった。その場を提供したのがアイリス、人里から離れた古い洋館『ムラサキカン』にて。
匿名性を保つため、あえて本名を名乗らず、新たな名をそれぞれ振り分けてつけ、会うことになったのだが・・・偶然なのか必然なのか? 少女たちの運命の歯車が動き出す。

パソコンのチャット仲間に、オフ会、匿名性を保つためのハンドルネーム・・・と、まさにいまの時代を映すような話だったわけですが、何と言うか・・・
うーむ、こんなのありなの??? ミステリーというんだろうか?これ。こんなラスト、誰にも予想できないよ、って感じなのです。

アイリスの正体も全然、思ってもみない人でした。このなかの誰かじゃないか、とは思ってはいましたけどね。しかし、その他の人たちは・・・???なのです。

何といっても人間関係が複雑、でした〜。思わず、メモ書きして整理したほどでした。
全く予想のできない展開、と、コバルトなれど馬鹿にできないです。読了後のいまも、正直こんがらがっちゃって、頭がパーになりそう!?

と、何だか?マークばかり飛ばしてしまいましたが、読んだらきっと私の気持ちがわかります。

同じリリカル・ミステリーシリーズ(?)として、あと2冊。何だか最後がおもしろいらしいんで、それまで読んでみます。
雰囲気だけだと、ちょっと恩田陸とかを彷彿とさせるような? 少女たちのミステリーということでね。