少女たちの感性?「春待ちの姫君たち」
- 作者: 友桐夏,水上カオリ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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引き続き、読みました。こちらは前作とちょっとイメージがちがって、学園もの。
けれど、ただの学園ものじゃありませんでした。ちょっとミステリアスな内容・・・ひとことで申せば、少女たちのリリカル・ミステリー??? これはこのシリーズのために作られた造語なんでしょうね。
基本的なところをおさえると、女子校の中等部に通う赤音(あかね)と、親友の春来(しゅんらい)との間に起きたいざこざ、& 赤音自身にまつわる謎、ですね。 つまり、親友同士のあいだに割り込もうとする少女、舞の存在に反抗して、赤音はこれを拒絶したのに、春来のほうは受け入れてしまった、このことを赤音は自分への裏切りだと受け取って・・・という展開。
まぁこれだけみれば、ふつうの話ですよね。よくある女子校での親友の取り合い? 学校を卒業して何十年も立ってしまうと、実感ないんですが、こういうことって当事者にとってみれば重要なんでしょうね? いまの私の、オバサン的視点から見ると、そんなのどーでもいいじゃん、みんなで仲良くすればって感じするんですけど。リリカルな感性じゃないと、もうわからない世界なのかな?(笑)
まぁそれは置いといて・・・
この話が、ちょっとふつうと違う点は、赤音自身の問題にありました。これに、過保護すぎる兄、蒼也の存在が加わって・・・、そして時々現われる、彩という名の少女。これがまた正体不明とくる… 読んでるあいだじゅう、どうもいまいちピンとこないな、という感じでした。
話の流れだと、春来の下の名前が彩、みたいになってるけど、どうもそうとれない不可解な場面が多すぎる。これはやっぱり、アレだろうと踏んでましたが、ラストやっぱりそうでした。
この話の流れが、赤音や舞たちの中学の文化祭での演劇に絡めて描いている点がまぁおもしろいかな、という感じです。
高校に入ってからの話にも、これが関連しているところがまたね。
イラストの可愛さと打って変わって、ちょっと暗さのある話でした。でもラストは、前作よりも希望のもてる感じでよかったかな。