小市民シリーズ「春期限定いちごタルト事件」
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 文庫
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やっとこれを読みました。この作者を知ったときからずっと読んでみたくてたまらなかった本です。小市民シリーズ、というのですね。それすら知らなかった〜です。
最近、続編の「夏期限定トロピカルパフェ事件」が出たばかりだったので、勝手にスイーツシリーズかと想像してました。と思ったら、今度の新刊の帯に、〈小佐内スイーツセレクション・夏〉とありました。あながち間違ってもいなかったかな?
それはさておき。最初のページのあらすじによると、「恋愛関係にもないが互恵関係にある」小鳩くんと小佐内さん、という文章があったので、いったいどういうことかと思いました。読んでてだんだんわかってきましたけど。そういうことだったのですね。
小鳩くんもですが、小佐内さんも… 解説の極楽トンポさんも書いていましたが、私も知りたいです、小佐内さんの過去! 後半部分でその片鱗みたいなのが見えましたが。外見と中身が一致しないタイプなのでしょうか。いずれにせよ面白いです。
この2人のコンビも相当面白いけど、小鳩くんの小学校時代の友達だった堂島健吾。彼もいいですね。最初はわがままな自己中男かと思ったら、けっこういいところがあるんですね。
自分の主義・信条のためだったら、何でもしそうな雰囲気あります。消えたポシェット事件では、ちょっと空回りしていましたけど。おいしいココアの謎では、意外な答え、そして実に彼らしい回答でしたね。あんなことするくらいなら、もう一個カップを使えばよかったのに(笑)。私も彼を見習って、美味しいココアを淹れましょうか(爆)
タイトルにもあるように、小佐内さんの美味しいお菓子に対する執着心はすごいですね。私も甘いものに目がないのでわかりますが。あれほどとは! ケーキバイキングってのはちょっと苦手です。前一回食べにいったときもお腹の具合がずっとおかしかった。いくら別腹と言っても、です。
でも、小佐内さんがおいしそうにケーキをほおばり、ドリンクをすするその光景がたまらなく羨ましかったですね。「春期限定いちごタルト」なんて食べてみたい〜! ケーキ屋さんの店名も「アリス」と可愛かったし。
このシリーズに限らず、米澤さんの本ではじつにおいしそうに食べ物を食べるシーンがあるので、読んでいて非常に誘惑を感じてしまいます。
扱われている謎自体、とりたてて言うことはないけれどちょっと引っかかるという、日常の謎です。まさに小市民?連作短編集ということだし。北村薫さんの著作を思い出した私でした。
さてお次は最新刊「夏期限定トロピカルパフェ事件」を読みます。これも楽しそう!!