「予知夢」東野圭吾

予知夢 (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)

湯川シリーズ(?)第二弾。
一作目同様、一見オカルト的に見える事件を、大学助教授湯川学の鋭い推理で科学的に解明する、というものですが。
第二作は、一作目よりは理系的なものが前面に出ないので、それほど難しくもなく、無理なく読めました。

予知夢や幽霊、ポルターガイスト、など非現実的な世界にあるはずのものが、湯川助教授の手にかかると、すっきり理路整然と筋道だって、解明されてしまう。
普通人だったら、いろいろ先入観だとか、固定的な見方にとらわれて見えないものが、湯川先生には見えているみたい。

その手腕に、ただ脱帽するばかりの私などは、草薙刑事ならずとも、馬鹿にされそうですね。

話的にも面白いものが多かった。いろんな人の現実が、描かれてて・・・不倫っぽい話が多いのはちょっとやだなーとは思いましたが。

それとこのシリーズの面白いところは、探偵役と補佐役だけの視点に徹していないで、犯人側や被害者側からの視点でも話が描かれている点です。
それによって、いろんな人の気持ちになれます。

けれど、最後の話「予知る」のラスト。女の子の見た夢は、ちょっと怖いですね。ぞっとしました。