「彩雲国物語 朱にまじわれば紅」雪乃紗衣

シリーズ6冊目は、外伝でした〜


短編3.5本収録。それぞれ面白かったです。
時間軸はまたちょっと前に遡って、紅秀麗が後宮にあがるまえ、国試受験前、といろいろ。
そのせいか、本編で描ききれなかったエピソードがいろいろ入っていて、本編に関する理解度がアップしたように感じました。また本編よりも笑いをとれる場面も多くあり、楽しんで読むことが出来ました。


それに、いろんなキャラの意外な一面とか、謎の過去とか・・・
全部はまだまだ解明されていないなりに、ちらっとかいま見せてくれる感じがして嬉しかったですね。


秀麗のおかあさん、姮娥楼の胡蝶姐さんなど、「おかあさん」の存在が色濃い巻でもありました。ああいう、あったかくて大きな存在に見守られて、秀麗が成長してきたってことがよくわかりました。そういう人が最初にいたからこそ、っていうのもあるでしょうが…。

秀麗が川に落ちて風邪をひきこんでしまった話でも、実に様々な人から見舞ってもらえて、いかに彼女が愛されているのかわかろうってもんです。


いろいろ疑問も残ってます。


たとえば、秀麗のあのセリフ。
「――私は、多分あなたに――を返してあげられない」
いったい、何を返してあげられないんでしょうね?
差し上げるのではなくて、返してあげる・・・それって???


ここら辺りに、秀麗の恋愛に対する逃げの理由がひそんでいそうですね。いろいろ、深読みしてしまいそうです(笑)。

他にもいろいろ。藍楸瑛の本気のお相手は?とか、影月くんの過去(どんなふうに生まれ育ってきたか)とか… 黎深がいつ秀麗に自己紹介できるのか!?っていう興味もありますね(爆)。


次は、いよいよ本編の続きです。どうなるのか興味津々です。