「彩雲国物語 光降る碧の大地」雪乃紗衣

シリーズ9冊目。影月編ラストでした。


茶州に広まった噂、秀麗が奇病の原因だとする教えをとく「邪仙教」。教祖が自ら「千夜」と名乗っていることから、秀麗はもしや?と疑問を抱いていましたが…
奇病の解決のために、茶州へ即飛んだ秀麗。虎林城に急行した秀麗たち一行を待っていたのは、射掛けられた矢の群れ、でした。


悲しい現実に立ち向かうことになった秀麗。でもまだ負けていません。
死を持って償いとせよ、という街の人々らに秀麗は言い放つ。「まだ死ねません」と。


秀麗は一生懸命、病の人を救おうとしているんです、なのに街のたいていの人々(おもに男たち)ったら、まるで頑固で、頭ごなしに秀麗が悪いって思い込んでる。まるで、すべての悪いことが彼女のせいで起こったのだといわんばかりに。自分以外の何かになすりつけて、それでよしとする、そんな人びとでした。


だけど、そんな彼らになおも秀麗は言うのでした。

自分は助けにきたのだから。それを果たすまでは、まだ死ねないのだと。
そしてそんな秀麗に、希望の光をもった小さな姿がありました。


何かもう涙でてくる話ですね。
七歳かそこらの女の子が、と思うと、です。
じつに、じつに感動的シーンでした。


その後の、入城してからの、お医者さんたちの頑張りもすごいです。
初めて、人の体にメスを入れるわけですから。
未熟な自分のせいで、患者を殺してしまうんじゃないだろうか?とか、いろいろ考えたら、出来ないってなってしまうのも無理はないでしょうね。


でもそこを乗り越えてこそ、医師(意志?)の魂をもった人たちでしょう。
ブラック・ジャック」じゃないけれど、ちょっと感動してしまいました。お医者さんって、すごい!!


そして気になるは影月くんのその後。
何かとんでもない目にあってて、いったいどうなることかハラハラしました。最後のあの場面では、うそぉ?って感じでしたが…
っていうか、なるべくしてなった、というか、しょうがないことなのかもしれないけど悲しいなあ、ってふう。


だけどだけど…。


本当のラストはまだ、だったのでした。「影月」と「陽月」、魂の双子だったんですね。ずっといっしょにいるうちに、2人は兄弟ともいえる間柄にもなったんじゃあないでしょうか。


そしてそして…!


あのお方の登場!?ほんとに生きてただなんて!でもって、いったいあれはどうなるんでしょう?続きが気になるわ〜


最後に、シュウランが女官吏の道をめざすって…それはこの巻でいちばん喜ぶべきことだったでしょう。彼女にいつもくっついていたリオウくんの正体と父親(?)の方の存在も非常に気になるところ。


続編を早く読みましょう〜