「氷の海のガレオン/オルタ」木地雅映子
- 作者: 木地雅映子
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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私はこれをタイトルの印象から、ファンタジーものと思っていました。でもそれは全くの勘違いでした。本を実際に手にとってびっくり。YA小説だったんだぁ〜目からウロコでした。
斉木杉子、11歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女の物語。
自分でも自分のことを変わり者と思っている、というひとことにドキリとしました。ちょっと違うところもあるけれど、私も似たところがあったから。
この子の兄弟もまたそれぞれ変わっていて、でもそれは元々は両親から来たものだということになってます。
母親自体も、昔から自分の言葉というものに重きをおいていて、周囲と溶け込むことがなかったという・・・
学校でも居場所がなくて、ひとりで本ばかり読んでいたとか? あはは、ここらへん私もそっくりでした〜
特に中学以降は・・・。昼休みは教室の自分の席でさっさとお弁当をすませると、本に没頭したり、放課後もクラブ活動なんてしないで、図書室にこもって本読んでたり。暗い?でも当時は自分じゃ好きでやってたと思うんで。
そんなところで共通していたので、杉子に共感する部分もありました。帯に「いちばん“忘れられない”小説」とあったけれど、わかる気もします。
生き難いこの時代にこそ、こういう話が必要とされるのかもしれません。
表題作とあともうひとつ「オルタ」という小品も収録されていますが、こちらにもドキリとした私でした。
自分の子どもの学校でのトラブルを描いたもので、その女の子のクラスメイトの男の子が隣の席で授業中、しょっちゅうちょっかいを出してくるんですが。
女の子(オルタ)はあまりに素直で、自分自身の言葉を持っているために、男の子の行為やなんかが理解できず、自分が悪い子だからこういうことをされるんだと誤解している。
あまりにまっすぐで純粋だったせいなのか?
でも男の子の方にもまた問題があって、ちょっと他の子とはちがった別の世界を頭のなかに持っている子なんだと。
この部分にドッキリしたわけでした。
わが子を思い出して…。あー似てるなぁとここで再認識してしまいました。
こういう子たちを持った家族の方は本当に苦労すると思います。男の子のおばあちゃんの疲れた顔がよくわかる。
真剣に接していたら、心が疲れてしまいそう。だけどそれは必要なことで…。
こちらもまた、深く考え込んでしまうようなお話でした。学校のありかたや、なんかいろいろと・・・
子どもを学校へ通わせることを何の抵抗もなく、当然のものと思っていましたが、それは本当に必要なものなんだろうか?ひょっとして・・・?
などと、考えてしまいました。
おまけに、こんな選択肢があるなんて!
ふうん〜〜?て感じでした。