「天より授かりしもの」アン・マキャフリー


天より授かりしもの (創元推理文庫)

天より授かりしもの (創元推理文庫)

久々に読みました。マキャフリーといえば、「パーンの竜騎士」「歌う船」などが有名どころですが、私は大ファン。それもとくにパーンの。だからこの話もとても楽しく読ませていただきました。

この話のひとつ前の話。『だれも猫には気づかない』は、前に図書館で単行本を借りて読んだことがありました。こっちもですが、ちょっとした小品ということで、心が温まりますね。
王女ミーアンが宮廷暮らしに耐えかねて出奔した先は森の奥深くの廃屋だった。そこへ現われた少年ウィスプ。あまりにも都合よく出てきた感はありましたが、謎の背中の傷跡からはじまって、何やら不審なものを感じさせる部分があり、興味をひきたてられます。

王女に備わった能力。天より授かった天賜(ギフト)というところで、先日読んだル=グゥインの『ギフト』を思い出しました。同じですね。
マキャフリーが描き出したこの世界にも、いろんなギフトを持った人びとがいるらしい。描かれた話は小さくても、その背景にはもっとスケールの大きい世界が広がっていそうです。