「つくもがみ貸します」畠中恵
- 作者: 畠中恵
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
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これは新シリーズ? 続編があるのかどうかはわからないけれど、でもいかにも今後続編として出てきてもおかしくない、っていう内容だった。
つくもがみ・・・『付喪神』とは、物が百年を経ると人間のような口をきくようになるっていうもの。
そんなつくもがみを扱う、古道具屋兼損料屋が舞台。
損料屋って初めて聞いた名前だったけれど、要するに今で言えばレンタル店みたいなもんなのね。
江戸の町っていうのは火事が多いから、町人たちは物を所有せずに借りてすましているんだとか。へぇ!って思った。
それが布団だのなんだのと、日常に使う品が多いって言うんだから驚きだ。というかそういう時代なのだということがわかって、面白かった。
そんな、お紅と清次の姉弟が営む出雲屋で、つくもがみたちが勝手気ままに喋っているようすはなかなか楽しい光景だ。とくに、清次たち人間が話しかけようもんなら、ぴたっと黙ってしまうっていうのがなんともおかしい。
人とは喋ってはならぬ、という暗黙のルールがあるようで。
つくもがみたちを使って、清次らは数多の事件を解決していく。なかなか面白く読めた。
そして蘇芳という名の香炉を探しているというお紅の過去も興味深かった。
そんな曰くありげな品を探しているお紅の真意がいったいどこら辺にあるのか、そういうところを追っていくのもまた面白かったと思う。
最後にお紅が選んだ結果はよかったなと思った。
ふられてしまった御仁は気の毒だったけれども・・・
こんな短い話をいくつもあつめた、こんな本をまた読めたら楽しいだろうなぁと思う。
だから続編希望!なのだ。