2012年5月の読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:3209ページ
ナイス数:280ナイス

またおいでまたおいで
課題図書低学年の部。まぁ特別何も言うことはないけれど。誰でもこんな体験したことはあるでしょうね。ここは素直に読むのがよろしいでしょう。純真な幼心を思い出してね…。
読了日:05月01日 著者:もりやま みやこ
心の森 (ハートウォームブックス)心の森 (ハートウォームブックス)
課題図書高学年の部。誰でも心の中に森を持っている。その森にはどんな花が咲き、どんな動物が遊び、どんな風が吹いているだろうか… 小学六年生の響が父の転勤に伴って、訪れたアメリカで出会ったのは、お菓子の家に住んでいる、心優しい森の妖精デイジーだった。少し、ふわふわと、想像の森を歩いているような心地がした。短い話だけれど、うまくまとまっていた。
読了日:05月01日 著者:小手鞠 るい
カモのきょうだいクリとゴマカモのきょうだいクリとゴマ
課題図書中学年の部。かわいいカモの兄弟クリとゴマのお話。ノンフィクションだけど、卵から孵って、ヒナになり、だんだん大きくなって、最後に野生に帰るまで…のひとつの物語を読んだよう。写真とイラストがかわいい。子どもたちも絶対気に入るだろうな。
読了日:05月01日 著者:なかがわ ちひろ
ワンス・アホな・タイムワンス・アホな・タイム
ちょっとアホな人びとが巻き起こす、むかしむかし…の物語集。どこかで聞いた昔馴染みのお話にちょいとスパイスふりかけて〜。変わり身探して眠れる姫に、銅でしたの若者に、ふたごのきみに呪われた妹姫に、きちょうめん王子と王さまに、魔法にかけられたふたごの王子たちに… などなどお伽話の面々にピリリと効いた風刺話。ぷぷっと吹き出すことしばし。… いや最後の話で口直し。会いに行くよと木霊にのせて、少年の真心、伝えられゆく。
読了日:05月03日 著者:安東 みきえ
星やどりの声星やどりの声
絵に描いたような、完璧な家族の姿ながら、それは感動というひとつの言葉に値するものだったろう。星やどりの小空のもと、母を筆頭に、6人兄弟の輪で完結していた家族の繋がり。これからはまた違った形で、遥か遠い未来にまで繋いでいけたらなぁと思う。
時々、意味の通らない文章に遭遇したようにも思うが、作者の言葉をつないでひとつのものを描いていく感性は素敵だと思う。とくに、海の描写が詩のような言葉をつらねていて、印象的だった。まるで、海そのものが1人の登場人物のように思えた。星、空、海、風、光、人々の日々の営み。それら
読了日:05月06日 著者:朝井 リョウ
ミラーストーン―ふしぎな鏡ミラーストーン―ふしぎな鏡
刊行は古いが、アラン・リーの絵は素晴らしい! ストーリーがちと尻すぼみのような気がしたが。さんざ冒険して、無事に帰ってこられるのはいいことです。
読了日:05月06日 著者:マイケル パリン,リチャード シーモア
としょかんねこデューイとしょかんねこデューイ
もとになった本のほうはまだ読んでなかったけど、絵本はかわいかったですね〜 私も訳がちょっとぎこちないと思いました。本も読んでみたい!どうして図書館のブックポストに捨てられていた猫がデューイと名付けられたかについては、絵本では説明もないんですね。
読了日:05月06日 著者:ヴィッキー・マイロン,ブレット・ウィター,スティーブ・ジェイムス絵
サリーの愛する人サリーの愛する人
ダブリンに移って、裕福な家の子どもの家庭教師の仕事につくことになったサリー。新しい世界が彼女の前に開かれ…って思ったけれど、突然の家から送ってきた手紙が、彼女の人生をまた変えていく。サリーが最後にした選択は正しいことだったのか…わからないが、少なくとも最善の道を選んだのかな。当時のアイルランド社会のことや、イギリスとの関係などいろいろ感じさせる内容になっていて興味深いことはあったが。スコットランドに渡ったケィティの身の上に降りかかった出来事にも、当時の社会情勢などが色濃く投影されていて…。サリー自身も一つ
読了日:05月12日 著者:エリザベス・オハラ
サクラ咲く (BOOK WITH YOU)サクラ咲く (BOOK WITH YOU)
中学生向けといえど、私は面白く読めた。とくに最後の話がよかったと思う。学校が自分とは別のところで回っているかのように思っていた彼が、最後あんなふうに思えるようになってよかった。最初の話から始まって、三編それぞれがちょっとずつ繋がっているのを発見する喜びも。表題作にもなった「サクラ咲く」もジュヴナイルながら胸がじーんとなる瞬間があり、いいものだなと。本の間に、メモをはさんで文通っていうのはすごくわくわくして魅力的だけど、もしもこの本を実際、中学校に入れて真似する生徒が出てきたらどうしよう!とちょっと思った。
読了日:05月17日 著者:辻村 深月
無菌病棟より愛をこめて無菌病棟より愛をこめて
『七人の敵がいる!』以降、ずっと本が出ていなかったので気になっていたが、まさかこんなこととは。白血病というあまりにレアな病名に旦那さんと一緒にドラマじゃあるまいしと冗談に笑いながらも、始まった治療と苦難の日々… 闘病記といえば重苦しいものと思われがちだが、加納さんは時にユニークに読んだマンガや、テレビで見た話題など交えながら、様々なことを病状とともに語られた。病気になってお辛いだろうに決して弱気になることなく、前向きに病についての情報を集めたり、朝の運動を欠かさなかったり、食欲がなくても何か口にするとか…
読了日:05月20日 著者:加納 朋子
三匹のおっさん ふたたび三匹のおっさん ふたたび
前作からずいぶん経つので、ちょっと忘れていた・・・。けど、面白さは変わりなかったね!いろいろ身につまされることが描いてあって。書店の万引きとか、ゴミのポイ捨てとか、理不尽な悪に立ち向かう!三匹、相変わらず熱いですね。折りしも東京スカイツリーのニュースで勝手にゴミを捨てていく観光客のすがたを見て、三匹みたいな人に夜回り隊で巡回してほしい!って思ってしまった。あと祐希と早苗ちゃんのカップルな話なども楽しかった。いつ貴子さんは気がつくのかな?貴子さんもパート頑張ってほしいな、と思った。続編?十分ありそう〜
読了日:05月22日 著者:有川 浩
猫弁【完全版】 天才百瀬とやっかいな依頼人たち猫弁【完全版】 天才百瀬とやっかいな依頼人たち
まあまあ面白かったけど、わかりやすすぎる展開とキャラクター造詣にはちょっとな、とは思いました。困ったときには上を向いて前頭葉に酸素を取り込むというのが、ほんとなのかな?と。アイデアわくかもしれないから、私もやってみようかな。猫好きで、拾った子猫のために定時で帰ろうとする猫弁先生はちょっとよいかも。最後もまあよかったと思う。
読了日:05月27日 著者:大山 淳子
恋都の狐さん恋都の狐さん
ちょうど息子が修学旅行で奈良を訪れていたので、最適!と思って読んだ。古都に正体不明の狐のお面をかぶった青年出没!ということで、最初の豆まきのシーンから引きこまれたが、途中でトーンダウン。何だかなあ、ひっかかる部分多し。とくにあの竜宮城みたいな?ところを見つけるの。リアルだと思ってたのに、突然、ファンタジーがもぐりこんできたから唐突に感じてしまった。狐さんの事情がわかってくると、気の毒と思いつつ、前半の正体不明な感じがよかったので意外と普通だったんだなと…ラストもいただけなかった。ぶつ切り・・・はよくない。
読了日:05月27日 著者:北 夏輝
キャベツがたべたいのですキャベツがたべたいのです
なんだかシュールすぎて、大人にはよくわからない世界。キャベツの味が忘れられない蝶々なんて!なんでキャベツのミックスジュースを飲んだら、やおやのおじさんになってしまうのか!もうわけがわからないが、パワーは感じる。小さい人たちにはうけるのかもしれない。
西日本読書感想画指定図書低学年向け
読了日:05月28日 著者:シゲタ サヤカ
エイモスさんがかぜをひくとエイモスさんがかぜをひくと
風邪を引いてしまったエイモスさんを心配してバスに乗って動物たちがお見舞いにいく話で、とてもほのぼのできる。動物はけっこうリアルに描いてあるのに、バスにぎゅうぎゅうづめになってるとこなんて、何かユーモラスでふふふって感じね。
西日本読書感想画指定図書中学年向け
読了日:05月28日 著者:フィリップ・C. ステッド
怪物はささやく怪物はささやく
いっけんファンタジー?かと思う導入部分から一転して、少年の心の中心にまで分け入ったリアルな文学だと知った。母が病気になってから、学校では周囲から腫れ物のように扱われるコナー。周囲から病気の母がいる子としてだけ認識され、疎外感に苦しんでいた。イチイの木の怪物はコナーだけにしか見えない。いわば少年の心が生み出した怪物。その怪物が語る物語に導かれるように、コナーは辛い現実の世界へと自身を突きつけられていく。身近な人の死を扱っているだけに軽々しくは読めないが、あとになってまで残る作品だと思った。いつか再読したい。
読了日:05月30日 著者:パトリック ネス
エディの ごちそうづくり (福音館の科学シリーズ)エディの ごちそうづくり (福音館の科学シリーズ)
『エディのやさいばたけ』続編。ママが忙しくてもちゃんとお料理するエディえらいわ!ちゃんと次にやることをわかってるのがまた…。きっとお母さんがちゃんと教えてあげるのね。妹のリリーもちゃんと参加しているのが微笑ましい。素敵なごちそうと賑やかなお誕生パーティー。おじいちゃんも嬉しかっただろうな。巻末にお料理レシピが載っていて、またいいね。
読了日:05月31日 著者:サラ・ガーランド
おもちゃびじゅつかんでかくれんぼおもちゃびじゅつかんでかくれんぼ
実際にある美術館を舞台にして描かれた絵本だそう。夜になると、人形たちが動き出すという話…だがちょっと変わっている。人形たちがはじめた新しい遊び… かくれんぼ。ユーモラスで温かみのある絵柄だった。
読了日:05月31日 著者:デイヴィッド ルーカス(作)
キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)キュッパのはくぶつかん (福音館の単行本)
丸太の男の子が主人公!という斬新な設定の絵本。でもそれだけじゃない。お片付けから始まって、博物館の作り方を教えてくれる絵本だった。キュッパのおばあちゃん鋭い! 楽しみながら、物を分類して整理しちゃうよって話。キュッパ、最後には疲れてやめちゃうんだけど、ただやめるだけじゃないのがまた本格的!
読了日:05月31日 著者:オーシル・カンスタ・ヨンセン
教会ねずみとのんきなねこの わるものたいじ教会ねずみとのんきなねこの わるものたいじ
シリーズものだったとは知らずに借りてしまった。猫好きとしては、既刊分も読まなければ! のんきな猫サムソンと教会ねずみの活躍を描いた絵本らしい。猫とねずみ、トムとジェリーだ! とても細かい絵で動物たちの表情とか真に迫っていて、見るのが楽しかった。袋のねずみならぬ、袋の猫サムソンがおとぼけな感じでかわいかった。
読了日:05月31日 著者:グレアム・オークリー(作・絵)
海のジェリービーンズ海のジェリービーンズ
女の子の好きなものがいっぱい入ってる!素敵なルルナさんのお店「ジェリービーンズ」。シーグラスを海の草と見立てる発想がまたいい。ルルナさん自体もだけど、シーグラスの実がなるたびどこからか現れる女の子、それが実は… というのとか、まさに女の子の夢そのものという感じで、かつて少女だったおばさんの胸も妙にときめかせてくれるのでした。
読了日:05月31日 著者:角野 栄子

2012年5月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

今月、とくに心に残ったのは、加納朋子さんの『無菌病棟より愛をこめて』と、
中学生向け課題図書に選ばれた『怪物はささやく』でした。
奇しくもどちらも、重い病にかかってしまった人たちの物語。
加納さんは快復されたようでよかったけれども・・・
どちらも重たい死へと直面される内容で、心に残りました。
あと前半に読んだ本で、今はちょっと薄れているけれど、
朝井リョウさんの『星やどりの声』もいい作品でした。
これもお父さんを癌でなくしてからの家族の物語。
今月の図書館便りで、保護者向けに紹介しました。

今月はこの三冊かな。
一冊に絞るとすればなんだろう・・・ 決めかねますね。