2012年1月の読書

2012年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3336ページ
ナイス数:167ナイス

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫 JA (6))
やっと読み終わった。壮大な話すぎて全く歯がたたなかった。年末から読んでいて、年越し本になったが、ひたすら消耗した読書だった。後半の、カタカナの羅列が読みにくくて…よくぞ最後まで投げださなかったことと思う。途中から萩尾さんの漫画版を併読していたが、漫画の助けで何とか読了できたようなものだった。また新たに漫画版を読んで消耗した心を癒やしたいと思う。
読了日:01月02日 著者:光瀬 龍
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15494339

百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)
原作を読んでいて、あまりの難解さに投げ出しそうになった私だが、萩尾さんの漫画版は読みやすいように感じた。原作に忠実なようでいて、でも違うところがたくさんあった。解説の方が、原作を下敷きに全く新しい話を作ったと書いていたが、なるほどと思った。萩尾さんの漫画になっているものね。狂言回し?ユダの存在が気にかかった。
読了日:01月03日 著者:光瀬 龍,萩尾 望都
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15512912

■困っちゃった王子さま (創元ブックランド)
とうとう完結しました!魔法の森シリーズ。完結編は趣向を変えて、シモリーンの息子デイスターの一人称という形で始まります。いきなり剣を渡され、何も言われずに出かけなければならない、なんてね。普通だったら、できないことかも。訳がわからないなりに、剣を片手に冒険の旅に出たデイスターはえらい! 誰に対しても礼儀正しく、思慮深い人間に育てあげたシモリーンも! 途中、出会った炎使いの少女シアラもいいね。反抗的な態度を取ろうとする彼女をいさめて、礼儀正しくあれと諭そうとする彼。全くいいコンビです。後になってそれが徒になるけど。でも結局、すべてが丸く収まって、何もかもがめでたくハッピーエンド。これが最後の巻になるけど、彼らの今後を知りたい気がします。らしくない、登場人物たちが縦横無尽に大活躍する、本シリーズは良作中の良作でした。
読了日:01月05日 著者:パトリシア・C・リーデ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15567712

■手紙
兄の犯した罪のために、謂われのない偏見と差別を受け続けた弟。そしてその度に大切な何かを失い続けた彼の生きる道を模索する姿に強く引きつけられた。後に勤めた会社社長の言葉が、ずしりと重くのしかかってきた。犯罪者の家族には差別される理由はある、と。誰もが平穏な人生を望み、僅かでも無用なトラブルは避けたいもの。強盗殺人などという重い罪ならばなおのこと。弟には罪はない、その妻や子どもにも。にもかかわらず、差別偏見を受けてしまう。平穏な世の中を、家族や自分の人生を守っていくためには、犯罪加害者の家族にレッテルをはって僅かでも近づかないように自営していくしかない… 加害者家族にとっては針のむしろだろうが、それだけ重い罪なのだから、それから逃れることはできないと。最後に弟がした選択とそれによって生じた物事に、深く感じ入り、ぼろっと涙が出てしまった。
読了日:01月07日 著者:東野 圭吾
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15620161

■長い廊下がある家
この作者の本はたぶん初めて読んだと思うが(前に、誰かのミステリー作品で火村准教授が登場した話を読んだような気がするが、何だったかな?勘違いかも)。表題作はホラーがかっているのかと思っていたら、そんなことはなくてちょっと拍子抜け。他の話もだけどトリックを見抜け!みたいな感じなんだな。おもしろくは読んだけど。最後の話「ロジカル・デスゲーム」は混乱してしまった。確率の問題って、わかったようなわからないような?数学苦手だった私には、ちょっと敷居が高く感じてしまった。 心情的には、やっぱり「雪と金婚式」が好きかな〜
読了日:01月12日 著者:有栖川有栖
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15734552

クローズド・ノート
一冊のノートからよみがえったあざやかな物語。確かに、少し出来すぎのような気もしたし、展開も読めたが、それを知っていても読むのがやめられなかった。何より伊吹先生の存在感が際立っていて、主人公の香恵と同じ気持ちで入り込んでいた。その存在感の理由は巻末で明かされたが。私も伊吹先生の生徒になって、頑張って伊吹賞もらいたかったなー。そんな先生がいたら、どんなに子どもたちの心の力がのびたことだろう。最後はちょっと盛り上がりに欠けた気がするが、肝心要のところでおっちょこちょいな香恵。石飛さんとのその後の物語が続いてくれたらな、そして香恵自身が将来、伊吹先生のような子どもたちに慕われる先生になって欲しい。
読了日:01月15日 著者:雫井 脩介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15810915

■殺気!
ましろの同級生たちなど回りの人間がいい雰囲気で、何となく面白く読んでしまったが、他人の殺気を感じ取れる能力をもっと際だたせるような展開がくるかと思いきや、割合ふつうだった。ファションショーとか、バイト先の話とか、あまりストーリーに関係しない部分がどうなのかと思った。人のいいましろの性格を現すにはよかったが。過去に起きた事件の真相には納得ができたが、ちょっと地味に終わってしまったという印象。
読了日:01月21日 著者:雫井 脩介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/15943358

■さくら
最初から予感はあったが、まさかあんなふうにそれが訪れようとは。衝撃ではあったが。たとえ、どんな不幸が襲ってきたとしても、サクラさえいれば… 幸福の象徴だった彼女の存在が物語の中心にどんっと座っているようで、何とも心が和んだ。タイトルにその名前が使われたのもわかるような気がする。
読了日:01月24日 著者:西 加奈子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16009699

■号泣する準備はできていた
繊細な描写に魅力は感じるところはあるが、正直、だから?どうなの?と問いかけたくなるような短編ばかりだった。日常のひとこまを描いたものとは言え、そこは何か違うような。個人の生活のごく一部分を切り取って、詩的に表現してみたの、この後の結末は読者のご自由に、というような… そんなふうに感じた。
読了日:01月27日 著者:江國 香織
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16084608

■夜明けの図書館 (ジュールコミックス)
なかなか面白かった。レファレンスは発見の連続、司書もレファレンスを受けることで勉強させてもらってる、っていうところ。本当にそうだなぁ。新米司書ひなこの奮闘、まだまだ見たい気がする。大野さんもだんだん、角が取れてきてるようでよかったです。
読了日:01月31日 著者:埜納 タオ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16198092


▼2012年1月の読書メーターまとめ詳細
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読書メーター
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今月は少し図書館で借りるのはおやすみしたので、
一冊をのぞいて他はすべてうちにある本でした。
でもこの中の6冊は、宮城県へお嫁にいきました。
これとあと2冊、合計8冊と少なくて心苦しいのですが…
きっとかの地で立派に役目を果たしてくれることでしょう(と願っております)。
寄贈するにあたって、やはり変なものは贈れないだろうと、
あらかじめ自分が読んで、内容をわかった上で納得して送りたいと思ったのです。
そんな理由で、今月はこんな感じになりました。

でも、おかげでこちらも充実した読書ができたので、感謝感謝!
だってあのままだったら、読むこともなく忘れられていたと思うんです。
ずっと積んでいた本もこれで浮かばれるというもんです。
本棚も少し余裕ができたので・・・もうちょっと置けるな、なあんて危ない危ない(汗)。

この調子で、今後も自腹本の消化につとめていきたいものですが。
そろそろ、図書館が呼んでそうな気もする。一冊予約してた絵本があるんで、
引き取りにいかなくちゃ。
東野さんの『真夏の方程式』はあと8人待ち、『マスカレード・ホテル』は
22人待ち、とまだまだかかりそうだけど。
あんまり余計な本はかかえないように、セーブすることを心がけます。
うちにある本を読む楽しみもまた見つけてしまったから・・・
期限を気にせず、ゆったり読めるのも、その時読みたい本を読めるのも
うちにあってこそのものですからね。その分、冊数は減ってしまうけどね(笑)。

それと、読書会の課題本も遅れに遅れてますが。
いまやっと去年の10月の本を読んだところ。(でもほんとはその前のも読んでないのがゴロゴロ)
次は、11月ですが・・・
今月の本もずっと積読してた本なので、読みたい気持ちがウズウズ。
まあ、自分のペースで頑張ります。