2012年2月の読書

2012年2月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:1992ページ
ナイス数:221ナイス

■鬼
初めて読んだ作家さんの短編集。どれも面白かったけれど、どこかに毒や残酷な、不気味なものをひそませている。そこが魅力なのかもしれない。これは癖になるかも…
タイトルになった「鬼」はこの中では一番、よかったと思える一編だった。
「メイ先生の薔薇」は、最初いかにも良い話、ってところから真相?が明らかにされ…嘘なのか真実なのかわからないところがまた不気味だった。
読了日:02月03日 著者:今邑 彩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16284165

■黒猫オルドウィンの探索: 三びきの魔法使いと動く要塞
やっと読めた。このシリーズは基本的に動物が主人公なのだな、と実感した。人間は最初と最後だけ。全く影が薄い、名前もよく覚えてなかったり。もっと人間(ロイヤル)とファミリアとの交流を描いてくれたらな。そっちのほうが好みなだけに、何とも言えない。
話的には盛り上がっていた。最後のとこ、もう終わり!?って感じ。
読了日:02月07日 著者:アダム・ジェイ・エプスタイン,アンドリュー・ジェイコブスン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16421950

■小袖日記
源氏物語』が書かれた時代にタイムスリップ〜!ってことで、主人公の小袖の脳に乗りうつった女性が物語の謎を追い、現代的な視点で謎解きする場面では面白くて『源氏物語』について新たな解釈が生まれそうで非常に楽しかったのですが。後半、若紫のモデルになった小紫が登場してきてからは、あらまぁ!な展開でそれもまた面白いことは面白いんですが、それまでの謎解きの面白さとは全く違っていて残念でした。男女の役割とか、社会の仕組みとかに対する作者の主張を登場人物らに言わせているかのようで。戻る方法も偶然にまかせただけで、とくに必然も感じない。ありきたりなラストになってしまったようで、SFとしては中途半端だったかも。平安時代の雰囲気を読むあの感じはとても楽しかったのですが。
読了日:02月11日 著者:柴田 よしき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16509926

■給食番長 (cub label)
こんな話とは思ってなかった。何となく、みんなの給食を余計に奪いとる、食いしん坊の番長の話かと。教訓的かもしれないが、よい話だ。博多弁が面白い! よかろうもん、とかギャグにしか聞こえなくて困る。本場の人に読み聞かせしてもらいたいくらい。
読了日:02月14日 著者:よしなが こうたく
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16594027

■図書館の主 1 (芳文社コミックス)
やっと読めた! 御子柴さんの個性で持ってるようなもんですね。何でも知ってる司書さん… っていいな。まさに本のソムリエ、水先案内人ですね。彼に本のこと教えてくれたトクさんもいい。こういう人から人への本の受け渡しが将来の図書館の芽を培っていくんですね〜 オーナーさんとのお話もよかったです。
読了日:02月18日 著者:篠原 ウミハル
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16693905

■図書館の主 2 (芳文社コミックス)
2巻も面白かった! この巻では、書店員で絵本作家志望の伊崎くんとのかけあいが楽しかったですね。御子柴さんとのやりとりもだけど、本屋と図書館のいい関係が描かれていて、とてもよかったです。まずは図書館で本についての知識を取り入れて、実際読んでみて、その本を手元におきたいほど好きになったら本屋に出かけて本を買う。理想の形ですよね。相変わらず御子柴さんはすごいですが、他の司書さんの話もそれぞれ素敵でした。最後が気になりますね。早くも3巻が待ち遠しいです。
読了日:02月18日 著者:篠原 ウミハル
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16694142

■終わり続ける世界のなかで
ノストラダムスの予言を子どもの頃に知って影響を受け続ける一女性の物語。私も伊吹とほぼ同世代なので、いろいろ感じるところが多かった。ノストラダムスについては、やっぱりTVの特番で見ていて、子ども心に強く印象づけられたものだ。伊吹のように信じたりはなかったけれど。彼女の半生を読むにつけ、破滅を恐れる伊吹の気持ちに寄り添う自分がいた。人はなぜ生まれ、そして死んでいくのか?この世に生まれ落ちた瞬間から、死へのカウントダウンは続いていて、それはたった今も、私やあなた、この地球上に生きるすべての者の上に刻まれている。人間、いつ死ぬかわからず、明日、あるいは今日、あるいはこの次の瞬間にでも心臓が止まってその瞬間が訪れるのかもしれない。中には、人として生きる前…生まれて間もない赤ん坊の頃に訪れることもあるだろう。そうした場合、生きている意味は一体あるのか?伊吹の問い続ける答えのない問いかけが、私の心をも揺さぶった。話は一応の結末を迎えたが、生きている限りそれは続く。人はやりたいことだけしかやらない、という樺山さんの命題。またついに姿を見せなかった東堂さんの、そのやりたいことというのが、他人を助けることだったら…… という問いかけ。それが、「みんなは一人」で「一人はみんな」ということなのだな。おぼろげにしかわからないが、常に影響を受け、また逆に影響を与え続ける、我らが人生。終わった瞬間に、真の理解が訪れるのか?誰にもわからないことだが。人はそれでも生き続けなければならない生きもの。寄り添い、時に反駁しつつも、互いに手を差しのべあいながら… この終わり続ける世界のなかで。
読了日:02月19日 著者:粕谷 知世
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16729258

■ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)
今日、学校に入ってきた本で… つい読んでしまいました。猫の表情がまたいい。まさに、こんな感じです。ナオスケは昔、実家で飼っていた猫に似ています。雌でしたが。この猫は最初、近所のお宅で飼われていた子だったのですが、あちこち放浪癖があったようで…。最終的にうちに転がり込みました。何度も飼い主のお宅へ返しに行ったのに、いつの間にか帰ってきてしまい… 最後にはうちの猫となり、我が家で看取りました。この絵本を読んでいるうちに、飼っていた猫のことなど思い出し、しんみり…。猫好きにはちょっと嬉しい絵本でした。
読了日:02月22日 著者:伊沢 雅子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16813506

■新装版 むぎわらぼうし (講談社の創作絵本)
これも学校に新しく入った絵本。さらっと流して読んだだけだけど、いせひでこさんの透明感あふれる絵に、竹下文子さんの情感たっぷりの文章が見事にマッチング。もっとゆったりした気分で読みたい本です。
読了日:02月22日 著者:竹下 文子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16813807

■ブリキの王女 上 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)
何だかあんまり進まなくて5日もかかってしまった。ラツカヴィアというのは、実際にはない国なんだろうけど、世界史にも登場する固有名刺があれこれと挟まれていて、いかにもありそうな国。そこで起こる冒険活劇… と思ったが、上巻はさわりだけ。起こった事がらを追っているだけで、あまり心が踊らなかった。
読了日:02月25日 著者:フィリップ・プルマン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16898922

■ブリキの王女 下 (サリー・ロックハートの冒険外伝) (創元ブックランド)
さすがに下巻は1日で読めました。急展開に次ぐ急展開って感じで、面白く読めたと思います。このシリーズの魅力はヒロインのしたたかさにもあるけど、一番の醍醐味は時代の雰囲気を感じとれるところかな。この巻では英国を離れてドイツへ…。ドイツは個人的に思い出のある地なので、地名とか似通ったところがあってちょっと懐かしかったですね。
読了日:02月26日 著者:フィリップ・プルマン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/16935615

■サリーのえらぶ道
雇われ先から、故郷に帰ったサリー。しかし彼女を待っていたのは、思いもよらないことばかり。初めて経験した恋に、親友だった友だちの突然の変容、貧しさから引き起こされた悲しい死と別れ… その中でひときわ目立っていたのは、アイスランドから来た少年オーラフとの出会いだった。やがてサリーは自分の道を選びとる。未来は彼女の前にまっすぐ続いている。サリーのこれからが気になる。ブルーベリー・サンデーなど、北アイルランドの自然に彩られたお祭りや、収穫に精出す人々の姿などの魅力的な背景も心に残った。
読了日:02月29日 著者:エリザベス オハラ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17013752


▼2012年2月の読書メーターまとめ詳細
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2月は小説・読み物(児童・一般含め)7冊に、絵本3冊、コミック2冊でした。
一般書では、ノストラダムスの予言をあつかった『終わり続ける世界のなかで』がよかったです。
児童書では、続編が出た『サリーのえらぶ道』がよかったかな。
図書館本は6冊、自分で購入した本は4冊、学校の本(絵本)が2冊でした。
それと偶然ですが、2月3日に『鬼』、2月22日に『ノラネコの研究』を読了してたのがおもしろいなーと。
今月はひな祭りだったので3日にそれっぽい本、(『三月ひなの月』とか『ひなのころ』とか)読めばよかったですが、昨日は忘れてました。家の夕飯メニューもカレーでしたし。
記念日にちなんで本を選ぶのもおもしろいものです。