2012年3月の読書

2012年3月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:3360ページ
ナイス数:254ナイス

■トミーとティリーとタブスおばあさん
絵本というより、ちょっとした読み物。大風が吹いた日、タブスおばあさんの家が吹き飛んでしまい… 三匹の動物たちが知恵を絞り、力を合わせておばあさんに家を作ってあげようと苦労します。第1弾も読んでみたい。
読了日:03月03日 著者:ヒュー・ロフティング
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17085479

■いるの いないの (怪談えほん3)
うひゃあ〜怖いよ!画面が全体的に暗くてそれだけでも怖いのに、日本の古い家特有の暗さと湿気がこもっていそうで、じわじわと恐怖が忍び寄ってくる。子どもに見せたら、怖がるだろうが、こういうものを読んでみて、想像力とか物事に対処する力とかを身につけるのはいいね。…とは、実は帯に書いてあったことだけど、本当にそうだと思った。
読了日:03月03日 著者:京極 夏彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17085623

■悪い本 (怪談えほん1)
「このよのなかの 悪いことを このよのなかで いちばんよく しってい」る本とは… 具体的に何の本というのではなく、人が誰でも持っている規範のようなものなのだろう。良心という言葉に置き換えてもいい。幼い純真な魂には、未知の世界だが、いつか知りたくなる時がくる、と。その声に耳を傾けるかどうかは、まさにその人次第。手ぐすね引いて待っている、悪い本の通りになるかならないか… いつでも待っているよ、というその声が怖い。犯罪予防の啓蒙ポスターにでもなりそうだ。または実際には善良なふりをして、こっそりと覗く悪い本…
読了日:03月04日 著者:宮部 みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17122536

マイマイとナイナイ (怪談えほん2)
この救いのない恐怖の世界、子どもの頃に読んだらトラウマになりそうだ。大人でも夢に見そう。この、とらえどころのない、モヤモヤした名状しがたき恐怖の正体は何だろう、夢を占うように分析してみればよい。深みまでずぶずぶとハマって抜け出られなくなりそうだ。
読了日:03月04日 著者:皆川 博子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17123524

■王国の鍵7 復活の日曜日
ついに完結!最後は怒涛の展開でした。 何も言うことない面白さ。各キャラクターも立っていて好感の持てるシリーズでしたね。スージー・トルコ・ブルーやリーフ、ドクター・スカマンドロス… 彼らに会うのが毎回楽しみだったなぁ〜 残念な(悲しい)こともあったが、ラストもよかった。また最初から読み返すのもよいかも。今から読まれる方は一気に読めるのが幸せですね。
読了日:03月08日 著者:ガース・ニクス
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17225096

■口紅のとき
鮮やかな紅色の装丁に惹かれ、手にしてみた。口紅をモチーフに描かれた短編小説。6歳から、79歳まで。口紅のあるところにあるドラマ。口紅を通じてそのひとの人生が見えた。最近、口紅を塗っていない自分を思い出した。
読了日:03月08日 著者:角田 光代,上田 義彦
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17226965

■眺望絶佳
同じ東京に立ち続けるものとして、スカイツリーから東京タワーへの往信、復信という構成が面白い。その往復書簡の間に挟まれたのは、東京という巨大な都市に起こる小さな物語。空にそびえ立つものたちが静かにその物語に耳を澄まし、目を凝らして見守ってくれているような錯覚を起こす。「2011年という年を切りとった」と帯にあったが、その通り… 震災も含め、静かに物語られる小さな奇跡。これらの物語は人々の記憶の中にだけ刻まれ… そして2つの塔が静かに見守っている。そんな構図が目に浮かぶようだ。
読了日:03月11日 著者:中島 京子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17311694

赤木かん子の図書館員ハンドブック―はじめて図書館で働く人のために
図書館で借りられてよかった。この本はいわば学校図書館司書の入門編であり、司書の仕事をこれから始めようという方にはぴったりな内容。薄いので持ち運びにも便利、内容は濃い。などなど利点はいっぱい。値段が高すぎるのが玉に瑕。けれど他のかん子さんの著書を読んでいる身にとっては既存の内容で、特に目新しいものは得られなかった。司書最初の年に欲しかった本。
読了日:03月11日 著者:赤木 かん子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17315612

■紅に輝く河 (カドカワ銀のさじシリーズ)
まぁ正統なるファンタジーですよね〜 最近、そういった物語に昔ほど惹かれなくなっているせいか、物の見方がひねくれているせいか不明ですが、話はうまくできているのにその上手さゆえにかえって食指が動かない、とでも言うんでしょうか。
まぁヒロイン?泣き虫サルーくんがちょいとツボではありましたが。男勝りな主人公?アスタナとのやりとりにやきもきしたり、といった楽しみをもうちょっとね、読みたかったかなぁなんて大人の読者は思います…。YA世代の読み物としてはこれ以上言うことはないです。個人の好みはおいといてもね。
読了日:03月14日 著者:濱野 京子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17394804

■鷹のように帆をあげて
親友が亡くなった落ち込んでいた女子中学生が、鷹を飼い訓練することで空の高みを目指し、亡くなった親友に見せたいと頑張るお話。
読後感は爽やか。鷹の帆翔も気持ちよさげで、青空の彼方に一緒に溶けてしまいそうだった。
読了日:03月16日 著者:まはら 三桃
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17437945

■すずかけ屋敷のふたご (ミス・カナのゴーストログ)
霊が見える女の子の話。一巻はふたごの姉妹の話。俊介と夏菜のコンビがよかった。少しホラーというとこかな?
読了日:03月17日 著者:斉藤 洋
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17469803

■いつか、きっと
県立図書館で読んだ。絵の色合いも鮮やかで素晴らしいが、描かれた内容にもしみじみ。世の中みんなこうなら、争いは起こらないのにね。
読了日:03月17日 著者:ティエリ ルナン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17481797

■呼び声は海の底から (ミス・カナのゴーストログ)
このシリーズは気楽に読めてよいかも。好き嫌いのはげしい夏菜、気持ちはわかるが。霊体験していても、そんな特別なことじゃないと思ってる。ただ見えるだけ、てスタンスで。夏菜にとっては霊も人間も同じこと。嫌いなものは嫌いで、すごいはっきりしている子だな、と思った。 表紙絵はイメージじゃないかもしれないが、夏菜の意志の強さを現しているようにも思えた。
読了日:03月17日 著者:斉藤 洋
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17482621

■ゆうれいのまち (怪談えほん4)
タイトルだけ聞くといかにも怖そうだが、直接的な怖さはなく…。絵が抽象的で、大人の方がじわじわとした恐怖を感じるかも。恒川さんらしい、ここではないどこかに連れ去られ、二度ともといた家には戻ってこられないという話…。子どもはおかあさんじゃない、おかあさんに捕まったところ、幽霊の町で暮らし始めたところ…などが怖いんじゃないか。幽霊の食べ物を食べた、というところでアウトだな。食べちゃったら、戻れないんだよ。神話や民間伝承等でそういう話があるよね。自分を忘れ、何もかも忘れ、永遠の時がすぎる…エンドレスの怖さ。
読了日:03月18日 著者:恒川 光太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17496984

■ちょうつがい きいきい (怪談えほん5)
これは怪談えほんの中で、怖さ随一の内容ではないか。子どもにとっては。ぎいぎいという擬音から、いろんな怖いモノを頭の中に作り出してしまう。想像力豊かで感受性の強い子どもにこそ、強烈な印象で迫ってくるのでは。作者はさすがです。子どもの頃、天井のしみや、柱の木目などがおばけの顔や目に見えて怖かったという経験は誰でも持っているはず。誰でも覚えのあるところから恐怖を導いていくところはすごいと思う。
読了日:03月18日 著者:加門 七海
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17497020

■ソロモンの指輪 (1) フェニックス編 (バーティミアス)
久々のバーティミアス健在なり!懐かしかったです。まだ序章ですね…先が気になる終わり方でした。
読了日:03月20日 著者:ジョナサン・ストラウド
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17565871

■猫除け 古道具屋 皆塵堂
講談社のモニター募集に応募してゲラを送っていただきました。初めて読む作家さんでしたが、予想以上に面白くてするする読んでしまいました。最初はタイトルから某作家の某シリーズを連想しましたが、全く違いました。実際の幽霊が出てくるシーンは真に迫っていて、思わずどきり。でもそれで脅かそうというのではなく、例えば江戸の町の通りを猫がぶらぶら歩いているように、当たり前のことのように存在している感じで…。怖さは全く感じませんでした。連作短編集という構成になっており、全体で一つの話の区切りがついたという形。
読了日:03月21日 著者:輪渡 颯介
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17592025

羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)
ずっと前から読みたかったが、やっと読めた。羽州ものがたり… キャラクター重視のファンタジーより、こういう地に足がついた歴史を感じさせる物語の方が最近ではしっくりくる私…。自由なカラスは孤独であるがゆえに、正しいことを誰かから教えてもらうことができなかった。最後はよかったと思う。主人公のムメは本当にすごいし、ハルナもいい若者になりそうで好感もてる。父の春風も…。公平な目ですべてを見られる人は好もしい。雪ふかい羽州の地に生きる人びとは逞しい。その血が脈々と受け継がれているのだもの…現代の人にそれが見てとれることはうれしい。
読了日:03月22日 著者:菅野 雪虫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17610641

■木工少女
ものづくりって、いいなぁと思わせられる作品でした。主人公の美楽は小学6年生とは思えないほど冷めてる気がしたけど、それも表側だけだったね。峯川村で木工と出会うことで、だんだん周囲にも溶け込んでいけて…最後はよかった。クラスメートもみんないい子ばかり。15人の卒業生がそれぞれみんな自ら輝く星になれるように。美楽の手作りのベンチがきっと峯川小の玄関で待っていると思う。
読了日:03月23日 著者:濱野 京子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17634164

■ミンのあたらしい名前
捨てられた子どもの話はほかにもあるが…これも決して悪くはなかった。ミンの孤独な気持ちが伝わってきて、ストレートに感動できる。ミンを引き取ってくれたジェスも、彼女のところへ突然あらわれミンを不安にさせたトビーも、いい人であるという前に、辛い体験から人の痛みをわかる人たちだった。結末は安心できた、いい作品だと思う。
読了日:03月26日 著者:ジーン・リトル
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17714970

■ブリギーダの猫
わずか6歳の娘に、戦争という惨い爪あとを見せた父。ユダヤの人々を次々と救いだしていこうとするヘレナの父親には感嘆します。戦争という名の現実が、純真無垢な子どもの目にどのように見えたのか…。それが時に幻想を交えた、現実を元にした世界にまざまざと描き出されています。図書館で偶然、手にとり知った本…私も何かに導かれているのかも、と思いました。様々なユダヤをテーマにした物語が浮かびます。
読了日:03月26日 著者:ヨアンナ ルドニャンスカ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17723723

バーティミアス ソロモンの指輪〈2〉ヤモリ編
ますます目が離せない感じ! バーティミアスとアズマイラの死をかけた道行きは如何に!? 女王様の命を実行するアズマイラに、奴隷じゃないかと指摘するバーティミアス、小気味よい。
読了日:03月30日 著者:ジョナサン ストラウド
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17831067


▼2012年3月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/1813/matome

読書メーター
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3月はまた図書館本ばかりでした。県立図書館に行ったのでついついたくさん借りすぎた、というのもあったでしょう。
それを消化するだけでいっぱいいっぱいの3月でした。
怪談えほんを全巻読んだら、とても怖くて怖くて・・・それぞれよかったです。
子どもにはちょっと・・・かもしれませんが。
またモニターに応募して、それようの原稿を読んでの感想も入れてしまいました。
まだ出ていない本ですが。はじめて読んだ作家さんの本で、おまけに時代小説という
分野だったけれど、思ったよりもおもしろかったのでよかったです。
ということで、今月のベスト1*はその本、『猫除け 古道具屋 皆塵堂』ということにします。(4月に刊行予定の本です)

*今月からその月のベスト1を出すことにしました。1年すぎたら、それを参考に
ベスト10を決めればよいのだから、たぶん楽なはず。